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はじめ通信・子どもと教育のはた4−730
白鴎高後の中高一貫校の教科書採択近し

●7月20日に行なわれた、「つくる会」主導の教科書採択に反対するつどいに300人が集まったことを、多くのマスコミが報じました。
 都立白鴎高校と入れ替わりながら来春開校予定の台東地区中高一貫校の教科書が8月には採択されることになり、はじめて都内で公立の中学校の教科書に「つくる会」主導の教科書が採択されることになりそうだといわれているからです。
 これに反対するたたかいは、いかに都民の世論を広げるかがカギになります。相手は権力のかさをかぶり、横暴なやり方で、しかも石原人気を最大限前面に出しながら押し進めてくるでしょうから。

●6月に行なわれた自民党議員連盟のシンポジウムでも、今年、白鴎の中高一貫で採択されることが、来年へのステップだと発言されており、このシンポに横山教育庁が、「休暇をとって」パネリストとして出席し、「つくる会」への事実上のエールを送ったことは有名な話。相手陣営の狙いは明確でしょう。
 私は、02年11月の文教委員会で、中高一貫校の最大の狙いの一つが、社会のリーダー・エリートを創るというだけにとどまらず、その「エリート思想」として、「つくる会」教科書の導入をはじめとする、侵略戦争賛美の「愛国心」教育の場とするのが狙いだということを指摘する短い質問を行ないました。 事態はその警告の通りに進んでいます。

●私は、今年の都教委での「つくる会」主導教科書の採択問題は、長いたたかいの第1ラウンドと考えるべきだと思います。
 もちろん、採択をストップさせるために、子どもたち、教員、保護者、地域住民、あらゆる階層の方々に知らせ、都教委への要請を徹底的に強めていくことが重要です。この事がさらに都民の関心を呼び起こす力になっていくと思います。
 おそらく来年は、教育基本法改悪の動きの中での教科書採択の年でもあり、もっともっと大きな世論と関心が高められるチャンスです。
 「つくる会」メンバーが「反対運動は静ひつな環境の下で行なわれるべき採択のあり方に反する」と語ったと報じられており、やはり国民・都民の世論の動向をそうとう気にしているのです。

●福岡県の門司市内に開校した県立中高一貫校は、わざわざ校長に「つくる会」の中枢メンバーを据えながら、民主的な多くの方々やマスコミの報道などの影響で、県教委はついに「つくる会」教科書を採択できませんでした。
 世論を急速に盛り上げる上で、わが党県議も各団体に事実を知らせ、世論を起こすため相当奮闘したようです。東京の場合は、石原がトップと言うこともあり、かなり厳しい情勢ですが、日の丸・君が代問題に続く最大の論争問題として、必ず世論は動き出すと確信します。

●26日付の東京新聞には、「教科書論争を超えて」の著者の都立高校教員が、どんな教科書が採択されても自分で作った教材で授業を進めると、冷ややかな視線で論評している姿を報じています。
 教科書を導入されればそれに忠実な教員を送り込むことで、教育内容は権力の意図どおりに捻じ曲げうるし、さらには多くの都立高教員が自主カリキュラムや教材で教えていること自体ができなくなっていく危険が高いということを、私はいやというほど実感しています。
 日の丸・君が代の指導について、最初は教師の起立が問題になり、次に生徒を起立させたかが問われ、最後には式典だけでなく、授業で日の丸・君が代をどう教えるかが職務命令で強制される寸前まで来ていることを見ても明らかではないかと思います。
 善意で、歴史の真実を教えることに打ち込みたいと願う教員の方々も参加してもらえるような努力を含めた、大きなたたかいの輪が必要だと考えます。

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