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はじめ通信・子どもと教育のはた1115
性教育をめぐる処分問題で卑怯なうそがまかり通っている!
七生の前校長の処分理由に性教育問題は入っていない


●先日、板橋区議会で、性教育に対して非難を繰り返している区議会議員から、七生の前校長の処分理由に、「不適切な」性教育を行わせていたという内容が入っていたかどうかの質問があり、板橋の教育委員会は、(おそらく都教委に問い合わせて)処分理由に性教育問題が入っていたと答弁しました。

●ところが、実際には、前校長への処分通知には、「不適正な」学級編制や服務規律問題などはあったものの、性教育のことは全く書かれていなかったのです。にもかかわらず、「性教育問題で処分された」といううそが都教育委員会から区市町村へ流されていることになります。
 板橋区議会では、わが党議員が事実確認させましたが、いったいなぜこんなことがおきているのでしょうか。

●今回、養護学校への攻撃は実に巧妙な形で行われました。都議会で議員が性教育問題で非難の質問を行う。それを受けて都教委が大量の職員を動員して調査に入る。その中で「性教育以外にも学級編制や教員の服務でも問題が見つかった」と報告される。そこで性教育に加え学級編制、服務問題も含めて全養護学校を調査する。
 そして、問題のあった学校についての最終的な処分は、校長など管理職にのみ停職や減給、戒告などの正式処分を行い、一般教員については正式な処分ではなく「厳重注意」としました。
 都教委の処分報告書では、七生の前校長だけが学級や服務問題以外に、「不適切な性教育」にかかわったという問題で正式処分されたとされています。

●ところが驚いたことに、本人に渡された処分通知書には、学級や服務問題は理由にありましたが、処分理由に入っているはずの性教育問題が、いっさい書かれていなかったのです。(この点は、9月30日文教委員会での私の質疑を参照してください)
 もちろん正式な処分内容は本人に渡された文書のほうですから、報告書のほうがうそだったことになります。

●都教委が、あえてうそを承知でこのような小細工を行ったのはなぜか・・・。
 おそらく性教育という、まさに学校での教育内容そのものにかかわる問題で正式な処分を行えば、これは都教委として過去に例のない重大な事例となり、もし訴訟問題に発展すれば、この処分が教育基本法で教育は政府の不当な支配に服することなく、国民に直接責任を負うべきとの根本規定に抵触するかどうかの大問題になる可能性があるからではないでしょうか。
 都教委は現時点で、この論争が教育基本法改悪反対運動の大きな契機となることを恐れたのではないかと思います。

●こうして当事者との訴訟など面倒な争いを避けながら、にもかかわらず一方で、報告書には性教育で校長を処分したのが既定事実かのように書き込むことで、「処分があった」という情報を区市町村に流し、性教育の授業をやればへたをすると校長が処分をくらうという圧力が現場にかかることをねらったのではないでしょうか。
 もしこれがねらいだとすれば、何とも卑怯極まりないやり方ではありませんか。

●こんな攻撃に負けるわけにはいきません。教育への弾圧は戦争への一里塚という言葉を思い起こす必要があります。
 いま、七生養護の父母や地元日野市の市民も参加しての大きな世論と運動が起こりつつあります。
 都民の反撃はいよいよこれからです。

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