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はじめ通信・子どもと教育のはた0821
 
「学校の先生が6年経たないうちにコロコロ転勤するのは大迷惑!」
北区の母親が教育庁に要請文つきつけ交渉
 
●都教委は、都のあらゆる学校での教員の異動対象年限を3年からとし、6年たったら必ず異動させるという規定の大幅改定を一方的に決めました。これがいま、じわじわと波紋を広げています。(異動の規定は、別紙参照)

●少し前のことですが、7月末に北区の「子育て連絡会」の母親たちで、教育庁に要請に出かけ、
「教員の3年異動」の撤回を求めて1時間半も、粘り強く交渉しました。
 教育庁は、「3年で異動と決っていないし、校長だけで決めるんでもない」とひたすら言い訳に努めていたそうです。
 
●この要請に参加したのは、第四学区の都立高校統廃合に反対してがんばった高久さん、佐藤さん、王子の山崎さん、堀船の河原さんなど5人で、相手は教育庁人事課の係長が対応しました。
 手書きの要請文を渡して、率直に「保護者の立場からすれば、学校の先生が、小学校でさえ3年から6年でくるくる異動してしまうのは、子どもにとっても卒業生や父母、地域にとっても大変混乱するし、迷惑なこと。なぜ、そんなに早く転勤させる必要があるのか」と切り出しました。
 
●教育庁側は、とにかく3年で異動というのは都教組などの宣伝文句に過ぎず、実際はいままでの8年が6年になっただけ、などと言い訳しました。
 しかし規定では、3年で異動の対象とすると明記されており、さらには3年未満でも、校長が具申すれば異動させることまでできるとされています。
 また逆に6年経ったら「必ず異動」させるが、校長が推薦すればより長期間残れるという優遇措置まで付いているのです。
 
●お母さんたちが、「校長先生には、きちんと子どものことを考えてくれる人はほとんどいない」「そんな校長の権限を強化して学校が良くなるのか」と聞くと、係りの職員も思わず笑い出して、「校長だけで決めるのではなく、区の教委や都教委もかかわって最終的に決めることです」と言い訳しました。
 参加者からは、「それこそ秘密主義だわ」「子どもも親もまったくかやの外になってしまう」と批判の声が上がりました。
 
●「だいいち校長先生はだいたい3年で異動だったので、多い子は2回も校長が替わって子どもや父母は戸惑いがあった」との発言が飛び出すと、教育庁は「実はそんな声もあって、校長は5年で異動ということになった」と答えました。
 「それってどういうこと?」「校長が3年で替わるのがまずいので長くしたのに、何で現場の担任や専科の先生の異動を早めるのかしら」とまた疑問が噴出。
 
●とうとう係長はまともに答えられないまま、「ちょっと別の用事があるので」と言い訳して席を立ってしまったというから、何ともお粗末。
 しかしどんなにお粗末でも、教育庁の権限で校長の裁量権を最大限活用すれば、気に入らない教員を3年といわずそれ以下の年数でもどんどん異動できる上に、いままで最大90分以内とされた通勤時間を「120分までは可能」として異動範囲を広げるというから、恐ろしいことになりかねません。
 
●たとえば江戸川に住む先生を八王子の学校へでも異動で飛ばせるわけです。
 しかし自宅に帰ってからでも担任のクラスの子どもに事故でもあれば、駆けつけるのが教師というもの。緊急に駆けつけるのに2時間かかっても構わないというのでしょうか。
 
●北区の子育て連絡会の参加者は、今度は校長先生や北区の教委にも真意をただす必要があると考えています。
 この「3年から6年で異動」の問題では、先生と父母が各地で署名運動や協力行動を広げています。
経験をぜひ、お聞かせください。
 

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