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はじめ通信・子どもと教育のはた0809
「自分の高校の定時制のことさえ知らなかった」「中高一貫や統廃合対象の生徒同志で手をつなぎ発言力をもとう」
教育科学全国集会で、関東の高校生のしゃべり場実現

●8月9日、台風接近の突風と横なぐりの雨の中、全国の公立・私立の教員を中心に教育科学研究会の全国集会が行われ、11日までの日程で分科会や分散会が開かれました。
 私は、初日の全体集会と、夕方からの分散会「高校生のしゃべり場」に参加。

●この分散会は、高校生が自分たちで企画・準備し、本番も、原則として高校生かそのOBのみが発言する形で行われました。
 わが母校の小石川全日の生徒も、先の6月19日に審議された「小石川の中高一貫校化を見直し生徒の意見を聞いてほしい」という陳情が保留という結果となり、納得できぬ思いでいた「考える会」の生徒が参加。しかも自分たち3年生の運動を引き継ぐよう生徒会役員に要請。有志で2名参加していて、暴風雨のなかでもこんな遠くまで(川崎市が会場)やってくる行動力はさすがわが母校生徒だと感心しました。

●最初はぎこちなかった会も、「定時制のことを知りたい」「全日制には反発していたけれど」など本音が出始め、なぜお互いにこれほど知らされていないのかにも疑問のこえが・・。
 さらに「実行委員会で夜遅くまでビラをつくって楽しかった」など、準備の苦労話も出ました。

●他校の経験にも真剣に耳を傾け、「募集停止をやめさせた」という松戸南高校の経験には思わず拍手が。「ああみんななんとか母校を残したいんだ」と実感させました。

●ある女子生徒は「この実行委員会に参加して、どの県でも統廃合や中高一貫校が広がっているのを知った。何が共通していてどこが違うのか、お互いに少しでも知り合って手をつなぐことで、力をつけていけるはず・・。」といいます。「それこそが共闘という言葉の原点なんだよ」と、思わず叫んでしまいたい気持ちでした。

●中でも私がうなったのは、「中高一貫校には反対も賛成もいる」と冷静に受け止めながらも「自ら考え行動する場がきちんとあるという我が校の良さを残すために、だめだと分かったら、そう言える人を後輩に育てて行きたい」という意見でした。
 私は、イギリスの作家ローズマリー・サトクリフの「ともし火をかかげて」という児童文学の背景にある、イングランドの原住民が侵略で国土の大部分を奪われながら1000年以上の長きにわたって抵抗を続けたウエールズ人の闘争を思いだしました。

●都立高校をはじめ、定時制や自分たちが大事にしてきた伝統を守り、上からの一方的な「改革」に生徒としてものを言う権利を獲得するたたかいは、1000年も続けさせる必要はないでしょう。
 しかし、「ともしびをかかげて」でも闇を進もうとする気概は、彼らの将来にきっと大きな財産となるに違いないと思いました。

 

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