はじめ通信・子どもと教育のはた0430 「学校に自由の風を」もとめる集会に500人以上参加し会場いっぱい ●4月29日、新宿山吹高校に近いラポール日教済で、日の丸君が代の押し付けに反対する、都立学校の保護者の方々の呼びかけで、「学校に自由の風を」と題する集会が行われ、4月になってからの急作りの集まりだったにもかかわらず、はじめは300人集まればといっていた参加者も520人を数え、内容も、日の丸・君が代の押し付けに異議のある声を上げた方々の声を結集する場として、充実したものになりました。 ●私が会場に到着した時は、ちょうど保護者の運動を記録したビデオやテレビニュースで報道された板橋高校の卒業式の様子などを上映していましたが、すでに会場は大半埋まっていて、集会が始まってからも続々と人がつめかけ、いすが足らなくて、前方で床に座るスペースをとるために、机といすを後ろにずらすなど、大変な賑わいでした。 ●感心したのは、集会で、この間マスコミなどで取り上げられた、自由な卒業式をつぶされた伝統校の保護者、国旗・国歌と認めながらも強制に反対して嘱託採用取消になった山吹高校の体育の先生、大反響を呼んだ外人記者クラブの人、養護学校でスロープに反対した保護者の代表、「日の丸・君が代」の2回目の処分で減給となった教員、ピアノ伴奏を要求されストレスによる胃潰瘍の出血で入院中でも異動させられた教員など、学校ごとに子どもたちが主人公の特色ある卒業式を創り出し守ってきた人たちが、そのたたかいを報告したことです。 この集いが、さまざまな立場から現状を憂えている人たちの声を結集していることを実感しました。 ●集会のアピールを、以下に紹介しておきます。 4.29緊急集会アピール 舞台いっぱいに飾られる生徒の作品、 卒業生と在校生がフロアで向き合いかわすエール、 「国歌斉唱は内心の自由があるので、自分で判断して下さい。」という司会の言葉、 卒業生に向いていた教職員のまなざし・‥ 今年の卒業式から消えた光景。たった1つの通達が消した光景。 学校には生徒や教職員がつくり上げてきた校風や伝統があります。卒業式や入学式はそれが最もよく表される場の一つです。 ところが昨年の10月23日に東京都教育委員会が出した、「壇上には日の丸、君が代は起立し斉唱、例外なく証書は壇上で授与する」という通達は、それぞれ学校の式の独自性をはぎ取り、教職員、生徒、保護者の心の自由を縛りました。異議を表明した教職員は処分され、門出を祝うあたたかい式は強制と処分のつめたい場に変えられました。教職員がものを言えない学校で、生徒が自由に意見を表明出来るはずはありません。 自由にものが言えない学校で、子ども達の知的で、豊かな成長は望めません。上意下達で、無理矢理、命令に従わせようとする都教委のやり方は非教育的で野蛮です。 「国旗、国歌や国を愛さないで」と言うのではありません。国旗や国歌もその国の歴史から自由ではありません。ナチスのハーケンクロイツと同じ時代に、同じような役割を果たしたこの旗、この歌に複雑な思いをもつ人が多いのは事実です。さまざまな立場、国籍の人が住む東京の公立学校で強制すべきではありません。 東京都教育委員会は石原流「東京の教育改革」(高校入試ジステムを毎年変え、定時制高校の縮小、都立高校の差別化、養護学校の性教育取り締まり等)を子ども、教職員、保護者、都民の声を聞かず、性急に上意下達で進めています。 陳情署名を進め、語り合うなかで、思いを同じくする方がたくさんいることを知り、つながりあうことで元気と力が湧きました。 都民が無関心とあきらめにおちいり,監視を怠れば民主主義のシステムからも独裁が生まれることを東京都、都教委のやり方は私たちに教えました。公立学校は都教委の支配下にあるわけでも、占有物でもありません。都民の声を東京の教育に活かすために、今すぐ、保護者、教員、生徒、在日外国人、ジャーナリスト、労働者、文化人、市民、‥・ありとあらゆる人たちに伝え、手をつなぎ、力をあわせ、声をあげていきましょう。 “学校に自由の風を”吹かせるため、今日の集会をステップに、東京にしなやかで、広やかなネットワークをつくり、大きく行動することを宣言します。 2004年4月29日 4.29緊急集会参加者一同 ●集会では、最後に、私や生活者ネットワーク、自治市民93のメッセージなどが、要約して紹介されました。 私が送ったメッセージの全文も紹介しておきます。 「日の丸・君が代の理不尽な強制や、障害児まで何が何でも壇上に登らせるなど、子どもたちや先生たちの心を踏みにじり、学校教育を強制と管理でものの言えない場所にしてしまう、都教委のやり方に、皆さんとともに心のそこから憤りを感じています。 そして、石原知事や都教委に怒りをもっている人は、東京中に広がりつつあります。 都立の大学でも、統廃合の学校でも、夜間中学、交響楽団でも、東京都の道理のないやり方がエスカレートする分だけ、またそれ以上に、こんなこと許せないと思い、何らかの行動に立ち上がる人が増えてきています。 都議会では、まだ多数の会派の議員が石原人気にあやかり、学校いじめの先導役までつとめていますが、多くのマスコミ、教育に携わる教員、父母、子どもたち自身が、都庁と都議会を包囲しつつあるのを実感しています。 教育基本法や憲法をご破算にし、教科書などの歴史を書き変えて、戦争を当たり前と考える子どもをつくりあげようとする、彼らのあまりに露骨なやり方が、長く通用するはずがありませんし、させてはなりません。 私も、皆さんから、知恵とエネルギーをいただきながら、これからも思い切り頑張っていきたいと思います。 何よりも、現状を考え行動に参加してくれる仲間を増やしていきましょう。」 |