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はじめ通信・子どもと教育のはた0408
処分は小中学校まで・・進む調査の実態
マスコミの中でも激しい攻防が・・


●先日の子どもと教育のはた」コーナーで、都教委の調査が人事部と指導部の二通り行われていることをお伝えしましたが、その調書の内容を取り寄せました。
 まず、教員自身が卒業式などで起立しなかったときに、呼び出して調べたときの「調書」です。

          服務事故に関する事情聴取書

1.日 時

2.聴取場所

3.被聴取者

4.聴取者

5.告知事項

  平成 年 月 日付けで、       から、あなたに関する事故報告書が提出されています。
  本日は、このことについて、任命権者である東京都教育委員会として、あなたから直接事実を確認します。
  また、あなたが、直接、東京都教育委員会に弁明する機会でもあります。
  なお、本日聴取した内容については公表しませんので、質問に対し、事実をありのままにお答えください。
  話したくないことがあれば、その旨お話ください。


6.聴取内容

 (1)あなたは     さんですね。


 (2)あなたが現任校に着任したのはいつですか。


 (3)平成  年  月  日付で報告のあった、服務事故について具体的に聞きます。


 (4)あなたは、これまでに服務事故を起こしたことがありますか。


 (5)あなたは、今回の服務事故をどのように受け止めていますか。


 (6)このほか、付け加えることがありますか。


    平成  年  月  日

                     所 属

                     職・氏名


 つぎに、生徒が起立しなかったり、議員や父母などから「苦情」があったときに、教員の「国旗・国歌の指導」について取り調べる「調書」です。こちらは、指導部が行っており、いずれも「対策委員会」のもとで統括されています。

都立高等学校卒業式における生徒の国歌斉唱時起立状況等調査内容

1 日時

2 聴き取り場所

3 被聴き取り者

4 聴き取り内容

(1)卒業式においては、生徒の不起立はどのような状態だと思ったか。

(2)そのような状態を、どのように思ったか。

(3)卒業式前日の卒業式予行時及びHR、授業等における指導について伺う。

(4)卒業式当日の式前のHR等で生徒に対して行った指導について伺う。

(5)学年(生徒)の卒業式実行委員会において、どのような指導をしたか。
(実施計画、準備、内心の自由等)

(6)学習指導要領に沿った指導をしましたか




●両方の調書をよく読むと、場合によっては国旗・国歌と認めても良いという気持ちがあっても、日の丸・君が代を強制される事を人権侵害だとして筋を通す決意に立っている教員にとっては、自分が人権や表現の自由を守るだけでなく、生徒にも、その権利を守ることの大切さを教えたいと思うのは必然ですから、いずれにせよ両方の調査を受けざるを得ないように仕組まれており、さらに調書では、自分の考えを正直に述べれば、それが「生徒の内心の自由は守られて当然」という、誰もが認めざるを得ないことであっても、指針に違反したとの扱いにできるような調査項目の「工夫」がされていることに気がつくと思います。

●前回、朝日と産経などの社説どうしの論争については書きましたが、都教委による日の丸・君が代の矯正問題では、マスコミを二分しての大論争がおきつつあります。
 そんな中で、日刊ゲンダイに連載してきた斉藤貴男氏のレポートが、都教委に処分された教員が、いかに厳しい差別と、それによるプレッシャーに苛まれているかを生々しく報じています。しかし、(ある関係者によると、都教委を厳しく批判したためにちがいないということですが)彼の連載は、今号で終了するということです。
 マスコミの中でも、激しいせめぎあいとなっていることは間違いなさそうです。

●取調べは都と同様の指針を出した小中学校の教員まで及び、養護学校の追加分を含めて、20名が第2次分として、処分が発表されました。
 発表文書の最後には「東京と公立学校教職員数は、全体で約6万人。うち、小中学校は約4万4千人、もう・ろう・養護学校は約5千人」と書かれています。処分はそこまで広がっていくぞという脅しのつもりでしょうか。

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