外務省に行って来ました。

2008年8月22日 ブログ『現地闘争本部ニュース』


 現地闘争本部は8月21日に、平和フォーラムや社民党と一緒に外務省に行って来ました。原子力空母「ジョージ・ワシントン」の火災事故と、原子力潜水艦「ヒューストン」の放射能漏れ事故についての申し入れをするためです。
 社民党からは党首の福島みずほさんと、衆議院議員の保坂展人さんが出席しました。また外務省は、北米局長の西宮伸一さんが対応してくださいました。

申し入れの要点は、
(1)2隻の事故について米国に詳細な報告書を求めること、
(2)事故原因が究明されるまで原子力艦船の日本入港を認めないこと、
(3)原子力艦入港時の日本側のモニタリングを強化すること、
(4)原子力空母の横須賀配備を再検討すること
――などです。

 申し入れ時間は約1時間、この中で西宮さんからは、以下のような話がありました。

北米局長 西宮伸一さんの発言(要点)
●原子力空母「ジョージ・ワシントン」の火災事故に関し
 7月31日に米国大使館のズムワルト首席公使とケリー在日米軍司令官が外務省に来て、ジョージ・ワシントンの火災原因に関する説明をした。
 米海軍は徹底した調査を実施し、それを踏まえて原因を究明した。その内容は、横須賀市にも報告している。
 米海軍の事故報告書は入手してはいない。報告書の存否ならびに公開の是非について、米国側に問い合わせる。判明すれば、皆さんにもお知らせする。

●「ジョージ・ワシントン」乗務員の殺人事件について
 米国で起きた事件だが、「ジョージ・ワシントン」の乗員の事件でもあり、米側から情報提供があった。詳細は分からない。外務省も関心を持っている。綱紀粛正を申し入れたい。米兵の事件が度重なっているが、米軍としても兵士の再教育などを含めて、努力していると認識している。

●「ジョージ・ワシントン」の入港日
 9月下旬という連絡を受けている。しかし経路や日付など運用に係わることは、現時点では分からない。確認できれば、すぐにお知らせする。

●原子力潜水艦「ヒューストン」の放射能漏れ関して
 8月1日に連絡があったものが、関係先に伝達するのが8月2日になってしまった。これは指摘されている通り、外務省側の責任。今後は事故が軽微であっても、関係省庁や自治体に連絡するように方針を変えた。
 放射能漏れについては米国からは、8月1日と8月7日の2回、経過通報があった。詳細については、さらに今後も連絡がある。現在のところ、放射能漏れの原因究明には至っていない。
 バルブが緩み、そこから水が「じわっ」と、漏れていたようだ。冷却水が1次系か、2次系かは分からない。
 冷却水漏れが判明したのは、7月17日にドックで行われていた点検作業中。水が漏れ、作業員が水を浴びた。水の量は約1ガロン。すぐに放射能測定をおこなったが、反応はなかった。しかし原潜からの水漏れであり、手順に従い通報や研究施設での調査を行った。また、これとは別にバルブから水が染み出していることが分かった。不明な点が多いが、推測するのではなく、米側からの報告を待つ。
 なぜ2年間も分からなかったかということだが、米原潜は常時、放射能をモニターしている。それには引っかからなかった。それほど微量ということ。
 この事故に関する報告書については、日本政府から米国政府に対して提出を求める。
 なお、冷却水漏れの発見から、日本側への通報に1週間かかっているのは、その間に研究所などで漏れた水の調査をしていたため。

 西宮さんからは、「ジョージ・ワシントン」火災事故と、「ヒューストン」放射能漏れ事故の2件に関して、外務省から米側に、事故報告書の存否・公開の可否について確認すると約束してくれました。事故報告書が公開された場合は、このブログでお知らせします。
 また放射能漏れに関して、外務省から新しい情報が伝えられた場合も、ブログでお知らせします。


原子力空母の横須賀母港化問題について