2007年11月11日
韓国 「全国労働者大会」に行ってきました その1
1970年11月13日、22歳の青年労働者、チョン・テイルさんが焼身自殺しました。当時の韓国はパク・チョンヒ大統領の軍事独裁政権下にあり、労働者は過酷な条件の下で働いていました。働きながら労働条件改善の運動を続けていたチョン・テイルさんは、労働者の実態を省みない政府に抗議して自殺したのです。
1987年、学生と労働者の闘いによって、韓国は民主化されました。その後1988年から今日まで、チョン・テイルさんの遺志を継承するために、11月13日前後に「全国労働者大会」が開かれています。
いま韓国では、非正規労働者の権利拡大を求める運動が広がっています。10月27日には建設労働者のチョン・ヘジンさんが焼身自殺し、政府と資本に対する抗議運動は大きく燃え上がりました。
チョン・ヘジンさんは韓国電力の労働者でしたが、彼の勤める職域がアウトソーシングされ、それと同時にチョン・ヘジンさんは正規労働者から非正規労働者へと、本人の同意も無いままに身分を変えられたそうです。
今年の全国労働者大会は、11月10日にワールドカップスタジアムで前夜祭が行われ、翌11日にはソウル市中央のソウル市庁舎前で開催される予定でした。しかし政府は集会を禁止。ソウル市庁舎周辺は、戦闘警察のバスによって封鎖されてしまいました。また地方からソウルへと向かう高速道路では、戦闘警察が集会参加者の乗ったバスの通行を止めてしまいました。
そうした中、前日の前夜祭からソウルに結集していた労働者や学生、民衆運動勢力は早朝から市内各地でデモや集会を行ってソウル市庁舎前に進み、戦闘警察の壁を打ち破って、実力で集会開催を勝ち取りました。
集会は午後1時から始まり、4時ごろからデモ行進を開始。これを阻止しようとする戦闘警察との間で激突が、7時近くまで続きました。
以下は、私が撮影した写真のレポートです。
※注※
上記の説明と以下の写真の解説は、韓国の友人たちとの、韓国語・日本語・英語のちゃんぽん会話から得た話しです。
僕の語学力の限界から、間違いがあるかもしれません。ご了承ください。
●「今日の集会は危ないですから、すこしゆっくり行きましょう」という韓国の友人の助言を聞き入れ、
1時30分ごろにソウル市庁舎(正面の建物)前に行きました。
この直前に労働者と戦闘警察の衝突があり、ソウル市庁舎前の路上は、実力で解放されたようです。
また民主労働党の大統領候補コン・ヨンギルさんは、10日からソウル市庁舎前に座り込み、
集会禁止の不法性を訴えたそうです。
●人ごみをかき分けて前の方に進むと、警察の阻止線が見えてきました。
●この辺りから後方を見ると、こんな感じです。
●さらに前に進んで演壇が見えるところまで来ました。
演説・歌・踊りとプログラムは進行しましたが、
あまりに人が多くて、写真を撮ることが困難でした。
●可能な限り全景を撮影しようとしましたが・・・カメラに納まりきれません。
●最前列では、防衛隊の学生と戦闘警察が対峙しています。
●韓国の戦闘警察は、徴兵制に一環として召集されるため、みな学生のような若さです。
(というか、学業の途中に召集されています)
●こぶしを振り上げ、気勢をあげる学生たち。
この日の闘争で、150人が逮捕されたそうです。
その多くは、最前列で防衛隊についていた学生たちだとのことです。
●風にたなびく組合旗。
●こちらは風船です。
●そろいのタオルと、プラカード。
●野球の応援グッズのようなものも、使われていました。
韓国の集会・デモは、先頭には組合旗(昔の言葉で言うキリン旗)が並んでいますが、
参加者はカラフルで工夫を凝らしたメッセージボードなどを持ています。
日本の運動でも、見習いたいですね。
●日本語入りのプラカードを掲げるのは、左派の学生グループ。
●参加者がいっせいに紙ふぶき。
といっても、各グループが配っていたチラシですが。
●メインの通りに入りきれない人々が、路地にも集まってきました。
●こちらのおじさん・おばさんたちは、たぶん露天商の組合です。
(間違っていたら、ごめんなさい)
●女性の参加者もたくさんいます。
●大学の左派サークルのようです。
●こちらは韓国の全学連。
●焼身自殺したチョン・ヘジンについては「レイバーネット」のサイトへ