政宗さんの後を付いていくと…そこには大勢の人がいました。
 えっと…政宗さんと仲良く(?)話していると言う事は、敵ではなさそうですね。





絆 2





「政宗様!何処に行かれてたのですか!?」
「あ?敵情視察に行ってたに決まってんだろーが」
「お一人で行動されては困ります!政宗様にもしもの事があったら…」
「煩ぇな。小十郎の説教は聞き飽きたんだよ」
「政宗様!」


 政宗さんともう一人の方が、何だか言い合いをしています。
 それはそれで構わないのですが…
 私達はどうすれば良いのかな?
 とりあえず…何とかしてくれないと隣にいるお兄さんがキレそうで怖いです。


「落ち着いてね、神田」
「あぁ?何のことだ。落ち着いてるだろ」
「それはこめかみに青筋を立てている人のセリフじゃないわ」


 はぁ…神田ってば待たされるの嫌いなのよね。
 いざとなったら、ラビを盾にして逃げようと、何気に酷い事を考えてたとき。


「まあまあ。落ち着けよ小十郎。殿だって無事だったんだからさー。
 それより俺はあっちにいる人達が気になるんだよね。誰?」


 と、政宗さんに何処となく似た人が話に加わったの。
 漸く放置プレイが終わるのですね(笑)


「あいつ等が賊を倒した」
「「えっ!?」」


 二人が驚いて私達の方を見る。


「賊は数十人いたはずですが…それをあの御仁方が?」
「いや、あの女達も戦ってた」
「へ?あのLadyも!?」
「あぁ。あの動きはただモノじゃねぇ」
「他国の忍び…ですか?」
「いや、『えくそしすと』っつてたか?異世界から来たらしい。オメェ等こっちへ来い」


 政宗さんに呼ばれたので行こうとするけど…
 わぉ…神田さんてば、ものっそ不機嫌そうですよ。
 あの命令口調が気に入らないのね…きっと。
 動こうとしない神田の手を取り、私は指を絡ませた。


「ほら、今は政宗さんの所へ行こう?
 ここがどんな世界なのか、私達だけじゃ判らないんだから。ね?」


 笑顔で諭すと、漸く神田も動いてくれました。
 何だか先が思いやられる展開だわ。
 軽く溜息をつきながら政宗さんの傍へ行ったのよ。


「やあやあ初めまして。ボクはコムイ・リー。あ、コムイが名前だからねー。
 で、ボクの隣にいるのが可愛い可愛い妹のリナリー」
「初めまして、リナリーです」
「その隣がラビ君」
「初めまして。ラビっす」
「その隣がアレン君」
「アレン・ウォーカーです。よろしくお願いします」
「で、彼女は君。美人でしょー」
「コムイさんっ!?えと…・カーティスです。よろしくお願いします」
「最後は神田君だね」
「………」

「ほらー。神田くんも挨拶しないと。ごめんねー、愛想のなくて。
 で、ボク達は異世界から来たんだ。信じられないかもしれないけど、事実なんだよねー」


 軽いノリでコムイさんが言うけれど…大丈夫なのかしら?
 相手はみんな、得物を持っているの。
 万が一の事を考えて、直ぐに動ける体勢にしておく。


「俺は伊達成実。殿の従兄弟なんだ。なぁなぁ、アンタ達はどんな世界に住んでたんだ?」


 政宗さんに似た男の人…成実君が興味津々と言った感じで聞いてくるわ。
 コムイさんの話、信じてくれたのかしら?


「ん〜…なんて説明すればいいのかな?ボク達はアクマと戦ってたんだよ」
「悪魔って…異教徒のか?」
「それとはちょっと違うね。アクマって言うのはね…」


 コムイさんの話を、成実さんだけじゃなく他の人達も眼を輝かせて聞いている。
 そんなに楽しいのかな?
 あ、でも自分の知らない事を聞くのって楽しいよね。
 私もあの世界に来たばかりの頃は、全てが楽しかったもの。


「へ〜〜〜!イノセンスって見れるのか?」
「Oh!俺も気になってた。見せてみろ」
「そうだねぇ。君、ちょっと来て」
「はい?」
君、イノセンスを発動してくれないかい?」
「はい」


 イノセンスを発動すればいいのよね?
 えっと…何を練成しようかしら?
 ん〜…そうだ。あれにしよう。
 作りたい物を思い浮かべ、両の掌を合わせる。


「イノセンス、発動」


 蒼紫の光が辺りを包み、私は地面から槍を練成したの。
 ゆっくりと地面から出てくる槍を持ち、コムイさんの方を振り返ったわ。
 すると驚いて身を見開いている政宗の皆様と目が合いました。


…っつたな。何だそれは…?」
「すっげー!何なに?どうやったの!?」
殿…貴女は忍なのですか?」


 忍…?忍って何?
 日本だと…神田の出身だよね?世界が違うけど…
 神田に聞いてみて忍がどう言うものか知ったのよ。


「あの、私は忍ではないです。エクソシストでもあり、錬金術師でもあるんです」
「「「錬金術師?」」」
「はい」


 えっと…小十郎さん?って人が何だろうと言う目つきで。
 成実さんが眼を輝かせて聞いてくるのは構いませんが…
 政宗さんの口元をニヤリと上げて笑うのは、正直怖いです(汗)
 と…兎に角。錬金術師が何かって説明をしました。


「ほ〜〜〜。面白れぇな、錬金術は。、気に入った。俺の嫁に来い」
「…………………へ?」
「あ!殿ってばずっりー!俺だってちゃんを嫁に欲しい」
「Ha!早いもん勝ちだろ」


 いやいやいや。ちょっと待ってください。
 私の意見は無視なんですか?
 ううん。私の意見なんてどうでもいい(良くないけど)
 それよりも、もっと怖ろしいことが…
 これから起こるであろう嫌な展開を考えてたとき、アレンが話しに入ってきたの。


「政宗さんも成実さんも、勝手な事を言わないでください」


 アレン!ナイスフォローよ。
 神田の機嫌が最高潮に悪くなる前に、政宗さん達を止めてっ!
 そう願っていたのに、アレンの口から出た言葉は神田の不機嫌さを増長させるものだったの。
 しかも、それはアレンだけじゃなかったわ。
 ラビやコムイさん、リナリーまでもが便乗して来たのよ。


は将来、僕のお嫁さんになるんですからね」
「え?それは違うぜ、アレン。は俺の嫁さ」
君はボクの所に来てくれるんだよね?」
「何言ってるのよ。は私との未来図があるのよ。勝手に言わないでくれる?」


 待って、待って。みんな何を言ってるの?
 約束をした覚えはないわよ?
 そしてリナリー…貴女との未来図って…何?
 みんな勝手な事ばかり言って…
 だれが神田の怒りを鎮めると思ってるのー(泣)


「「「「え?そりゃ(君)でしょ」」」」


 やっぱりですかー(号泣)
 もう!そんな事を言ったら神田が怒るの判ってるでしょ?
 刺激しないでよっ!


「テメェ等…人の女口説くとはいー度胸じゃねぇか」


 黒神田さん降臨☆
 神田が後ろにいるから表情は見えないけど…ものっそ怒ってるわ…
 怖くて振り向けないです…


「災厄
「神田さーーーーん!」


 六幻を抜刀していた神田を慌てて止める。


「何で止める」
「止めるわよ!異世界に来たばかりで問題を起こさないで!
 みんなもよ!神田の怒りを増徴させる事を言わないのっ」
「えー?」
「『えー?』じゃありません。コムイさん、頬を膨らませても可愛くありませんから」


 怒った表情でそれを言い、次に政宗さん達の方へ顔を向けた。
 ちゃんと言っておかないといけないよね?
 でないと、神田ってばまた怒りそうだもの。


「あの…政宗さん達のお気持ちは嬉しいのですが、私にはお慕いしてる人がいますので」
「ほー…それが、この『神田』っつー奴か?」
「はい」
「つーわけだ。に手ぇ出すんじゃねぇよ」


 神田が私の肩を抱きながら政宗さんに向かって言う。
 初対面の人に向かって言うには失礼だけど…
 ちょっと嬉しかったのも事実です///
 真っ赤な顔を見られるのが恥ずかしくて俯いてた私は知らなかったの。
 政宗さんが神田に耳うちしたことを…


































 + + + + + 


 の肩を抱き、政宗を牽制する。
 コイツは俺の女だ。手ぇ出すんじゃねぇよ。
 ったく…何ではこんなに人気があるんだ?
 こんな来たばかりの世界でも告白されるか?普通。
 ………変なフェロモン出してんじゃねぇだろうな。
 まぁ良い。も政宗達に『俺が好き』だとはっきり伝えた。
 なのに政宗の野郎…
 俺の横を通り過ぎたとき、耳うちしやがった。


「俺は諦めが悪いんだ。俺に盗られないように、精々守ってろよ」


 ハッ!誰がテメェなんかに盗られるかよ。
 は俺のモノだ!




後書き
絆第2話終了☆
BASARA組の他のメンバーも出せて嬉しかったです(笑)
そうそう。BASARA組のキャラ性格は、『木洩れ日のような』とほぼ同じです。
性格は頂いちゃいました(マテ)
ヒロインがいないだけ…って感じですかね。
話は全く違いますけどネ。
『木洩れ日のような』と別のお話だと考えていただければ幸いです。


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