最近、どうも調子がおかしいの。
 風邪気味というか、微熱が続くというか…
 大した事ではないから、放っておいてるんだけど。
 今度、お医者様にでも行こうかしら?



未来への序章 前編



、遊びに来たわv」
「あら?いらっしゃい、リナリー!それにみんなも!久し振りねぇ」
「お邪魔します。元気そうで良かったよ。1年振り位じゃないかな?」
「そのくらいさ〜。とユウとの結婚式以来だろ?」


 そう!私達は結婚したんです。
 千年伯爵やノア一族との戦争を終わらせた後にね。
 もちろん、旦那様は神田…じゃなくてユウよ。
 教団本部から離れた所で住んでいるから、滅多にみんなには逢えないけれど、ユウと二人で幸せに過ごしてるわ。


「ちょっと散らかってるけど、上がって!」
「「「お邪魔します」」」
「私はお茶を淹れてくるから、リビングで寛いでて」


 リナリー達が部屋へと上がる。
 お茶はどうしようかな?
 アレンは紅茶が好きだったのよね。うん、あのお茶葉を使おう。
 お茶請けは…そうだわ。昨日作ったクッキーがあったはず。
 キッチンで手早く準備を済ませ、リビングに戻ったの。


「お待たせ〜。紅茶で良かった?」
「うん!の淹れてくれた紅茶、すっごく美味しいから好きよ」
「僕も好きです。どうしたら、こんなに上手に淹れられるんですか?」
「どうしてって…普通に淹れてるだけよ?アレンに以前教えたじゃない」
「それが僕が淹れると、みたいに美味しくならないんですよ」


 「何かコツがあるの?」とアレンが聞いてくるんだけど…
 特にコツなんて無いわよ?
 ただ…あえて言うなら…


「美味しくなぁれvって思いながら淹れてるから…かしら?」
「『美味しくなぁれv』ですか?今度僕も試してみますね」
「えぇ。是非その結果を教えてね。それで本当に美味しくなるか気になるから(笑)」
「相変わらず、錬金術師としての血が騒ぐんさ?」
「そうなのよ〜。相変わらずですね」
「相変わらずって事は、夢中になりすぎてユウに怒られるんだ(笑)」
「まさにその通りです」
「変わってないわね〜、も」


 久しぶりに会ったけど、みんなも変わってない事にどこか安心しつつ談笑していたの。
 そんなときアレンがふと思い出したように口を開いた。


「そう言えば、カンダはどうしたんですか?」
「ユウ?みんなが来る少し前に出かけたわ」
「あら?残念ね。折角神田で遊べると思ったのに」


 リナリーさん、相変わらずですね…(苦笑)
 それ以外にも、お互いの近況や教団メンバーなど、沢山の話題で盛り上がったの。
 こんな感じで、どれくらい話していたのかしら?
 用意してたクッキーだけじゃ足りなくなって、買い置きしておいたお菓子を出したり。
 どうせ食べるのは私だけだしね。
 ユウは甘い物ニガテだから。


「ところでさ」


 話が一区切り付いた所で、アレンがじっと私を見つめ、口を開いた。


、調子が悪いの?」
「え?何で?」
「さっきから全然食べてないよ。、甘い物好きだったでしょ?」


 ………アレンはよく見てるわね。
 確かに甘い物は好きよ。
 結婚してからも、自分の為にお菓子を作ったりしてたもの。
 だけど最近は駄目なの。
 お菓子を見ても食べたいと思わなくなっちゃった。
 『食べたい』と思って作り始めても、完成すると食べたくなくなるの。
 ユウはお菓子を食べないから、最近はよくご近所さんにお裾分けしてるのよ。


「体調でも悪いんさ?」
「ん〜…悪いと言えば悪いかな?最近微熱が続いてるの」
「え!?大丈夫なの!?寝てた方が良いんじゃない!?」
「ううん。大丈夫。微熱って言っても、本当に大した事ないもの」


 「寝てた方が良い」や「医者に行くべきだよ」と言うアレンやラビ。
 心配してくれるのは嬉しいんだけど、本当に大丈夫なのになぁ。
 二人を宥めていた時、何かを考えていたリナリーが漸く口を開いたの。


「ねぇ。症状は微熱だけ?」
「え?えぇ、微熱が続いてるのよ」
「他には?前以上によく寝たり、味覚が変わったりしない?」


 そう言われてみれば…思い当たる節があるわね。
 最近は気付くと寝てるし、前は食べれなかった物も食べるようになった。
 その事をリナリーに伝えると、彼女は急いで医者に行くと言ったの。
 ど…どうしたのかしら?リナリー。


「いいから!早く医者に行くわよ!準備をして、!!」
「どうしたんですか?リナリー。そんなに慌てて…」
「理由は後!アレン君達は留守番をしてて!」
「お…おぅ」


 リナリーの鬼気迫る勢いに、私達はたじたじ。
 結局私は、リナリーに引き摺られるような感じで我が家を後にしました。







後書き

中途半端なところで切り☆
さてさて、ヒロインに何があったでしょー?
カンの良い方は、判ったかも知れませんねぇ(笑)
すみません、青龍様。
75000hitのリクエスト内容は、ここでは伏せさせてもらいますね。
その方が面白いですし(笑)
ではでは、後編をお待ち下さいませー♪

青龍様のみ転載可能でございます。