昔々のお話です。
ある城下町に、と言う名の可愛らしい少女が住んでいました。
両親からも愛され、何不自由のない暮らしをしていた。
そんな彼女に、ある日悲しい知らせが入りました。
愛する両親が事故に会い、この世を去ったのです。
両親以外頼れる人がいなかったは、施設に入る事になりかけました。
ですが両親との思い出の地を、は離れたくありません。
そんなの想いに答えてくれたのは、近所に住む青年でした。
コムイと言う名の青年は、を引き取ったのです。
小さな恋の物語? ―前編―
コムイには、と同い年くらいの妹がいました。
妹の名はリナリー。
彼女もまた、誰もが振り向くほどの美少女です。
そんな二人に迎えられた。
いくら近所とは言え、さぞや辛い思いを………
「ん?くん、何をしてるんだい?」
「何って…掃除をしようかと思いまして」
「掃除って…がそんな事をしなくても良いのよ」
「そうそう。掃除ならリーバーくんでも呼んで、やってもらうから♪」
「でも、私は居候ですし」
「何言ってるの!!は私達の大事な家族よ!!」
してませんねぇ。
寧ろ、ものっそ溺愛されてます。
とまぁ、こんな感じで皆から愛されては暮らしていました。
そんなある日。
お城である盛大なパーティが行われる事になったのです。
実はお城で室長をやっているコムイ。
彼はどうしても出席しなくてはいけません。
リナリーもまた、兄をサポートする為に行かなくてはいけなかったのです。
「ごめんね…。本当ならお城のパーティーなんかじゃなくて、と一緒に買い物に行きたかったのよ。
でも、兄さんだけじゃ心配だから」
「急いで帰ってくるから、イイコで待っててね」
パーティーの支度をしながら、コムイとリナリーはに謝ります。
そんな二人を、は淋しそうに見ていました。
パーティーに行きたいと言うよりは、一人で留守番をするのが哀しいのでしょう。
愛する両親を亡くし、いくらコムイ達が優しいとは言え不安にならないはずがありません。
「ねぇコムイさん…私も行っちゃ駄目?」
コムイの方が背が高い為、必然的に上目遣いになってしまう。
可愛いに可愛らしくお願いされ、コムイは思わず頷きそうになりました。
しかし、ここで頷いたら意味がありません。
コムイは涙を飲んで、を説得しました。
「くんは駄目だよ。お城は危険なんだ。そんな所へ君を行かせたくない」
「お城って…危険なんですか?」
「えぇ。きっとはすぐに喰べられちゃうわ」
「た…食べられる!?そんな所へ、コムイさんもリナリーも行くの?」
明らかに「喰べられる」の意味を間違えてるは、不安そうです。
『これ以上、大切な家族がいなくなったらどうしよう』と―
「ボク達は大丈夫だよ。普段からお城に行ってるからね」
「が心配してくれるのは嬉しいわ。でも、本当に大丈夫だから」
「本当?」
「本当だよ」と、笑顔で答えるコムイとリナリーに、は渋々頷きました、
「それじゃボク達は行ってくるけど、知らない人が来てもドアを開けちゃ駄目だよ。
何かあったら、コムリンを起動する事。コントローラーが置いてある場所は判るよね?」
「うん。必殺技は『○○△×下右下上ACB』だったよね?」
「そうそう☆怪しい人物(特に男)が来たら、遠慮なんかしちゃ駄目だよv」
「兄さん、そろそろ時間が」
「OK、リナリー。それじゃ、行ってくるね」
「ごめんね、。この埋め合わせは今度するから」
そう言い、コムイとリナリーは馬車に乗り込みます。
見えなくなるまで馬車を見送った後、は家に入りました。
コムイに言われた通り、コムリンのコントローラーを持ち出し、
『万が一』に備えた後、はリビングのソファに腰掛けました。
コムイやリナリーは大丈夫だろうか。
お願いです。これ以上私から家族を奪わないで下さい。
できるなら、私もパーティーに行き、二人を守りたいです。
そう祈った直後。
「その願い、ワシが叶えよう」
と、何処からともなく声が聞こえました。
驚いてが目を開けると、そこには目の周りが黒い老人が立っていたのです。
怪しい事、この上ありません。
さん!急いでコムリンの発動をっ!
「あの…貴方は?」
「ワシの名はブックマン。まぁここでは魔法使いらしいがの」
「はぁ…」
さん!何をしてるんですか!!
コントローラーを握って、コムリンを!!
「嬢、お主をパーティーに行かせてやろう」
「え!?ですが…お城までは長距離ですし道を知りません。それにドレスもないんです」
何普通に話してるんですか!!
コムリン………まぁいいいや。
もう敢えて何も突っ込むまい…
「城までの道もドレスも何も心配ない。ワシの魔法でどうにかなる」
「本当ですか!?よろしくお願いします!!」
コムイやリナリーに、お城へ行くのを反対されたのを忘れたわけではありません。
おそらく、ここでがお城へ行けば怒られるでしょう。
でも、それ以上に何かあったときに自分がいれば助けられるかもしれないと考えたのです。
「それでは、魔法をかけるぞ。目を閉じておれ」
「はい。お願いします」
言われた通り、は目を閉じました。
ブックマンが呪文のようなものを唱えた後、暖かい光がを包みました。
恐る恐る目を開けると、そこには白を基調としたドレスに身を包んだ自分がいたのです。
デザイン、色、全てがにぴったりでした。
その姿はまるで、この世界に降臨した美の女神のようです。
あまりの美しさに
「ふむ。ワシのセンスもまだまだだな」
と、ブックマンも嬉しそうでした。
「後はこのガラスの靴を履いて完成じゃ」
「ガラスの靴…ですか?」
「因みに、ガラスの靴は、『魅惑+5』となっておる」
ブックマンの良く判らない説明を聞きながら、はガラスの靴を履きました。
そしてその後、ブックマンの魔法によってお城へと移動したのでした。
後書き
60000hitをゲットした紫青様に捧げます☆
相変わらずの1話完結してませんねぇ(笑)
そしてリクエストは『神田夢』のはずなのに、神田が出ていない… _| ̄|○ アイタタタ
とりあえず次ぎへの伏線としてコムイさんを出してみたり☆
次ぎこそは神田さんを出しますのでお待ち下さい
紫青様のみ転載可でございます。
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