神田との久しぶりのデート。

 どこに行こうかしら?

 で・も。その前に……






Prettige tijd 後編






「そろそろ降ろしてほしいな」



 未だにお姫様抱っこされていた私は、神田にそう言う。

 流石にねぇ…恥ずかしいもの。

 神田は私を降ろし、ベンチに座る。

 私もその隣に座った。

 どうしたのかしら?何処にも行かないのかな?



「食べ歩きは良くねぇだろ」



神田、行儀に関しては煩いのよね(笑)

まぁ神田の言う事が正しいけれど。

それに、クリームを他の人に付けたら大変だわ。



「別に慌てて食う必要ねぇよ」

「うん。でも早く神田とデートしたのよ」

「それは嬉しいが、口元にクリームが付いてるぞ」

「え!?うそ」



 恥ずかし///何処だろう?

 唇を触ってクリームを探してみる。



「取れた?」

「いや、まだ付いてる」

「えぇ〜?何処に付いてるの?」

「唇の端だ。俺が取ってやるよ」

「うん。お願い」



 自分では埒があかないもの。

 神田にお願いしよう。

 そう思って神田に顔を向けたんだけど…

 神田は私の顔を持ち上げると…



「〜〜〜っ!?神田ぁ…いいい今何を…っ!?」

「クリームを取っただけだぜ?」

「ななな何で舌で舐めるのよっ?普通に取ってよ〜〜」



 恐らく真っ赤になっているであろう顔で反論する。

 すると神田はニヤリと何時ものように黒い笑みを浮かべた。

 だ…だからその笑顔は怖いですって(汗)



「普段もっと凄いキスをしてるのに、こんなんで照れてるなんて可愛いな」

「なっ///



 いやまぁ否定は出来ないですけど…

 だからって、ここでそんな事をしなくても…

 さっきのディープキスもそうだったけど、周りが注目してるの。

 は…恥ずかしい///

 顔の熱が引かないまま、私は残りのクレープを口に入れたわ。

 もちろん、クリームを口に付けないようにね。

 


 その後は町でショッピング。

 神田と指を絡ませながら、ぶらぶらと街を歩いていたの。

 目に付いたのは、かわいい服が飾ってあるお店。

 私もやっぱり乙女だもん。着る機会がないと判っていても服が欲しいのよ。



「ねぇ神田。あのお店を見ても良いかな?」

「あ?あぁ。あの服、が好きそうだもんな」

「え?何で知ってるの?」

の事なら判るぜ。他にもアシンメトリー系のスカートも好きだろ?あとは…カバンも結構見てるよな」



 仰るとおりでございます。

 神田って、よく知ってるわねぇ。

 それだけ私の事をよく見ていてくれてるって事かな?

 ふふvちょっと嬉しいv



「大好きよ神田v」

「いきなりどうしたんだ?」

「ううん。言いたかっただけ」

「ふーん…俺もを愛してるぜ」

「あ、ありがとう///



 神田が珍しく黒くない笑顔で言ってくれた。

 黒い笑みも嫌いじゃないけどね。

 何て言うのかな?

 こう…神田の笑顔って綺麗だから照れちゃうのよね///

 ある意味で犯罪だわ(笑)

 火照る顔を片手で抑えながら、店内に入る。

 そこは私が思っていた以上に素敵な場所だったの!!

 私好みの服がたくさん!

 近くにあった服を手に取り、体に当ててみる。

 う〜ん…この服はちょっとイメージと違うわね。

 こっちは…サイズが違うわ。

 この服はサイズも良いしイメージにぴったりなんだけど…

 着たら太く見えそうねぇ。

 って…私だけ盛り上がってもいけないわ。

 それに、神田はどういう服が好みなのかしら?

 やっぱり好きな人の好みの服も着てみたいのが、女心じゃない?



「ねぇ神田ー。この服はど…う?」



 振り返って神田を見てみると、彼は何やら考え込んでいたの。

 というか…レディースの服を持って悩まないで下さい…



「何を考えてるの?」

…この服はどうだ?」



 渡された服を見てみる。

 ……………これを私に着ろと?

 だって………露出が激しい上に、首で結ぶ紐を外せば簡単に脱げてしまうような服ですよ?

 むむむ無理ですっ!!

 流石に着れないです!



「無理!絶対無理!て言うか、買わないからね」

「チッ」

「(舌打ちした…)それに普段はミニスカートを履いても怒るじゃない」

「誰が外で着させるかよ。二人きりの時に着るんだ」



 「この服だと脱がせやすいからな」という呟きは、聞かなかったことにしておこう。

 結局、このお店でフレアスカートとジーンズをとカットソーを買いました。

 神田の選んだ服は諦めて貰ったわ…

 凄く不機嫌そうな顔をしたけど、頬にキスをしたら機嫌を直してくれたの。

 も…もちろん周りに人がいない所でよ?

 そして機嫌が直った神田と手をつなぎ、再び歩き出したの。

 今度は…そうねぇ。神田の服も見たいな。

 そう提案しようとしたんだけど、ふわふわと飛んでくる物を見つけちゃったの。

 あら…?あれは連絡用のゴーレム…?



「ねぇ神田。あれって連絡用のゴーレムじゃないかしら?」

「げっ…凄く嫌な予感がするぜ」

「………偶然ね。私もよ…(汗)」



 ゴーレムは私達の所へ来ると、けたたましい音を鳴らした。

 無視…する訳にはいかないわよねぇ。

 渋々それに出てみたの。



『ゴメンね!二人とも。急いで帰って来てくれないかい?』

「あぁ?休みをくれるんじゃなかったのかよ」

『それがねー、急に任務が入っちゃったんだ。

 他のエクソシストは出払ったままだし、動けるのが神田くんとくんしかいないんだよ』



 任務じゃ仕方ないわよねぇ…

 私たちの最優先事項はエクソシストとしての任務だもの。

 神田もそれが判っているから、舌打ちしながらも教団へと足を向ける。

 その瞬間から、エクソシストとしての表情になった。

 さっきみたいに私を見て微笑んでくれる表情も好きだけど、この表情も好きなの。

 でも、それはまだ言わないわ。

 言ったら何をされるか判らないもの(笑)

 それでも………



「早く任務を終わらせてデートの続きをしようね」

「次は絶対に邪魔させねぇ」



 神田は小さく呟くと、私の指に己の指を絡ませた。

 ふふv次のデートはどこに行こうかしら?














後書き
雷華様!如何だったでしょうか?
神田さんとのデートはこれで良いですか?
コムイさんの邪魔は大丈夫でしょうか??
あうぅ〜…リクエストを消化しきれていない自分が悔しいです…
せっかくリクエストして頂いたのに、ホント申し訳ないです orz
雷華様、こんなんで宜しければ前後編ともお納め下さいませ!

雷華様のみ転載可でございます。

 

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