「ぜーったいボクも行くからね」

「はぁ?テメーは邪魔なんだよ。ついてくんなっ!!」

「ふふん。神田くんが何て言おうが、ボクはもう決めたんだ」

「だからお前の意思なんて関係ねぇんだよ!」



 …はぁ。何でこんな事になっちゃったのかしら?






Prettige tijd 前編






、俺はこれから街まで行くが、お前も行くか?」

「下の街まで?どうしたの?」

「あぁ…ちょっと銀行に用事があるんだ」

「そっか。うん、行く。ちょっと待ってて」

「門の所で待ってるからな」



 神田はそう言い、私の部屋を後にする。

 珍しいわねぇ、神田が銀行に用事があるなんて。

 でも久しぶりにデートらしきものが出来るから嬉しいわ。

 私は急いで準備をして門の所へ言ったんだけど………

 そこで見たのは言い争っている神田とコムイさんだったの。

 

「どうしたの?」

「コムイが一緒に行くって聞かねぇんだ」

「え!?コムイさんも行くの?」

「誰が一緒に行かせるかよっ!」



 とまぁ、こんな感じで冒頭部分に戻るのです…

 それにしても、また珍しい事もあるのねぇ。

 コムイさんが銀行に行くなんて。

 大抵はリナリーか、他の方が行くのにね。

 コムイさんが行く事は少ないのよ。だってそのままサボるから…



「コムイさん、お仕事は良いのですか?」

「大丈夫!(みんなが)終わらせたから」

「だからって付いてくんじゃねぇよ」

「良いじゃないか。たまにはボクだって息抜きしたいんだ。
 
それに最近は神田くんがくんを独占してるから寂しかったんだよ

「それが本音か…(怒)」

「銀行に用事があるのも本当だし」



 え?そうなんだ。コムイさんも銀行に用事があるんだ。

 じゃあ一緒に行っても良いよね。

 そう言うと、神田はものっそ嫌な顔をし、コムイさんは顔を輝かせた。



…本気かよ?」

「たまには…ね。コムイさんも室内ばかりじゃ健康に良くないわ」

「だからって、何で俺達が…」

「ほらほら文句を言わないの」



 未だに渋っている神田を無理やり説得し、街へ向かう。

 その道すがら、コムイさんと色々な話をしたの。

こんな風にコムイさんとゆっくり話すのって、久しぶり。

 話の内容は主に錬金術。

 コムイさんも実は錬金術の興味があるみたい。

 ここに術書があれば良かったわ。



「じゃあ錬金術で合成獣も作れるんだね。くんも作れるのかい?」

「私は無理ですよ。専門外ですから。知ってる事も少ないですし」

くんの専門は医療と金属だよね」

「はい。医療は実の両親に、金属系は先生に教えて貰いました」

「向こうの世界は、みんな錬金術が使えるのかな?」

「どうでも良いだろ、そんな事」



 うわ…ものっそ機嫌が悪いわね…

 そんなにコムイさんと来るのが嫌だったのかしら?

 本音を言えば、私も神田と二人きりが良かったんだけど(苦笑)

 でもまぁ、こんな感じで銀行に着いたの。

 二人が銀行で用事を済ませている間、私は外で待つ事にしたのよ。

 銀行の用事って、時間がかかるんだもの。

 近くのベンチに座り、辺りを見回すと…

 あら?クレープ屋さんがあるわ。

 結構混んでるわねぇ。と言う事は、美味しいクレープ屋さんね!

 神田もコムイさんも。きっとまだ時間がかかるだろうし。

 買いに行っちゃおう♪
























































 † † † † †




 約15分くらい並んだかな?

 買ったクレープを持って、さっきまで座っていたベンチに再び座り、二人を待つ。

 カスタードチョコクレープを買ったんだけど…

 すっごく美味しいの!!並んだ甲斐があったわ〜vv

 そのクレープを半分くらい食べたところで、二人は戻ってきたの。

 やっぱり神田は不機嫌そう。




「お帰り神田、コムイさん」

「ただいま、くん」

「待たせて悪かったな」

「ううん。クレープ買ってたから」

「へ〜〜。美味しそうなクレープだね」

「はい!とっても美味しいんですよvコムイさんも一口どうですか?」



 持っていたクレープをコムイさんの前に差し出す。

 コムイさんは「一口貰うね」と言って、それを齧ったの。

 私、前の世界にいた時はよくエド達とこういう事をしていたのよ。

 だから何とも思わなかったんだけど……

 この世界では、そういう事をしないのかな?

 凄く神田が嫌そうな顔をしたの。

 うぅ…神田が凄く怖いよぅ。眉間のしわが深いよぅ…(泣)

 今更ながら自分のとった行動に後悔をしていた時。



「ははははははいっ!!」



 神田の表情に、思わずどもっちゃいました。

 だって………物凄く黒くて素敵な笑みを浮かべていらっしゃるもの(汗)

 どどどどうしようっ!?逃げたいです、先生!!

 でも逃げたらもっと大変な事になるので逃げれませんっ(泣)

 ………女は度胸と覚悟よ!!



「な…何かしら?神田」

「俺も一口くれ」

「神田くん、甘い物大丈夫だっけ?」



 コムイさんが不思議そうに聞いている。

 私も疑問に思うわ。神田は甘い物苦手なんだもの。

 それに、もっと(私が)困る事を言われると思ったのに…

 クレープぐらいなら普通よね?

 だから神田の前にクレープを持っていこうとしたんだけど…

 不意に腕を掴まれ、引っ張られた。

 そして唇には暖かい感触が。

 え…?えぇ!?き…キスされてますよ!!

 こんな道の往来で!!

 あまりにも突然の行動に動けないでいると、神田は更に行動をエスカレートさせたの。

 ししし舌を入れてきたんです!!

 神田の舌を出そうとしても、ますます絡めとられるだけ。

 体を押し返そうとしても、深いキスの所為で体に力が入らない。

 長く深いキスは、私が立っているのもやっとと言う状態になって漸く終わったわ。



「ごちそうさま。やっぱり甘かったな」

「っ〜〜〜〜神田のバカ//////



 悪びれもせずに言う神田を、真っ赤な顔で睨む。

 けれども神田は飄々とした態度で



「目に涙を浮かべながら睨まれても怖くないぜ。つか誘ってんのか?」



 と、のたまいやがりました。

 今ここで誘うはずないじゃない!何を言ってるのよ!!

 し・か・も!周りから注目されてる(汗)

 コムイさんも呆れてるよ〜〜。

 うぅ…ここのクレープ屋さん、気に入ったのに…

 暫く来れないよ〜(泣)



「全く…神田くんはもう少しTPOを考えた方が良いよ」



 そうだそうだ〜。もっと言ってやって下さいコムイさん!



「あぁ?テメェが着いて来なけりゃこんな事しなかったんだよ」

「それは責任転嫁でしょ?あーあ。くん真っ赤になって…」

「うるせぇ。これ以上俺達について来んな」



 神田は持っていた書類をコムイさんに渡し、私を抱き上げた。

 当然、お姫様抱っこです。

 私、これ以外の方法で抱き上げられた事ないわ…

 ずっとこれが続くと慣れますね(遠い目)

 はぁ…今度は何をするつもりなのかしら…?



「ここまでテメェに付き合ったんだ。もうついて来んな」

「ふぅ…仕方ないね。さっきまでくんをほぼ独占させて貰ったし。今日は休みをあげるよ」

「え!?良いんですか?」

くんはいつも科学班の仕事も手伝ってくれてるからね。特別だよv」



 ウィンクをしながらコムイさんが言う。

 嬉しい!嬉しいっ!!神田とデートが出来る!

 最近忙しかったから、ゆっくりデートする暇もなかったのよ〜。

 有難うございます、コムイさん!!

 お礼を言うと、コムイさんは私の頭を軽く撫でた。

 そして神田から書類を受け取り、教団へと帰っていったわ。

 ふふv神田と久しぶりのデート。

 どこに行こうかしら?












後書き
最近、短編が短編じゃなくなってきてる秋沙です(爆)
22222HITのリクエストで「神田君とのラヴラヴデート☆と邪魔をするコムイさん」だったのですが…
あああぁぁぁ〜…終わらなかったぁ!
またもや続きますよ〜…
今回は前後編です。
というか、前後編で終わらせたいです(希望かよ)
文章のまとまりの無さを痛感しています…_| ̄|○アイタタタ
雷華様!申し訳ございませんっ!
後編はもう少しお待ち下さいませ!

 

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