クスコの駅を朝7時半に出発。アウトバゴンと呼ばれる列車に乗ってマチュピチュふもとの町アグアス・カリエンテスへ。
片道約3時間半の道のりです。 クスコの駅を出発してすぐ、列車が止まったと思ったら逆向きに走り出し、
再び走り出したと思ったら、すぐ止まり、また逆向きに走り出し…そう、スイッチバック方式で山沿いの民家の
間をぬうように一気に登って行きます。少なくとも5〜6回は切り替えしたと思う… そんな感慨にふけっている中、飲み物のサービスが
きました。普通は「コーヒー?ティー?」と来るでしょうが、さすがアンデスは違う。「コーヒー?コカ?」 朝はやっぱりコーヒー
でしょと言うことでFumiとコーヒーを頼んだら、ぬるくてまずかった…隣の方では、おじさんがフーフーいいながら、
コカを飲んでいました。ん〜、やっぱりコカにすればよかった…
ウルバンバ川沿いに走る列車からの眺めは、雪を被ったアンデスの山々が見え隠れして、窓から目が離せない
くらいすばらしかったです。シャッターチャンスはたくさんあったのですが、とにかく列車が揺れる揺れる…
結局一枚も写真が撮れなかったです…
そろそろ、アグアス・カリエンテスかな?と思った時、列車が止まりました。
もちろん、アナウンスはありません。まわりの人も「アグアス・カリエンテス?アグアス・
カリエンテス?」とおろおろ…。そうみたい…。降りようとドアへ行ったとたん
「えっ?」そこにはホームはなく、線路の上。おまけに高さが結構ある…
「ここを飛び降りるん?」と思っていたら、外にいた乗務員がスッと手を
出し降ろしてくれました。ふぅ〜。
駅からは、民芸品の出店の中を歩き、マチュピチュ行きのミニバス乗場へ。
標高2280mにある「空中都市」または、「失われた都市」と言われて
いるインカの隠れ家―マチュピチュ。
英語のガイドに付いていくはずがはぐれてしまい、結局、スペイン語のガイド
に。Fumiが時々通訳してくれ、あと、予めガイド本を読んでいたのでだい
たいはわかりましたが、なんせ周りの景色や建物に見入ってしまい、
帰ってみたらマチュピチュの写真をあまり撮ってなかった…という次第で…
それと、マチュピチュへ行った時は…私にはひそかに楽しみにしていた
ことが二つありまして…
一つ目は、"グッバイボーイ"に会うこと。 マチュピチュからミニバスでアグアス・カリ
エンテスの町へ帰る時、グッバイボーイが現れるとのこと。
二つ目は、アグアス・カリエンテスで温泉にはいること。 この町の名前は日本語で言うと"湯・熱い"。そう、熱い湯
=温泉。
帰りは、再びアウトバゴンでクスコへ。しかし、半分も行かない所で、列車はストップ。線路の故障でいつ直るか
わからないと言われ、このまま列車の中で夜を明かすのか…と窓から顔を出し、さむ〜と空を見上げたら、
星がすごい!! それから1時間半後に動きだし、クスコへ夜の10時半に無事到着。なが〜い1日でした。
今度、時間と体力があれば、ぜひ、インカ道トレッキングでマチュピチュへ行きたいなと思っておりますが…。
6000m級の山々に囲まれたインカの聖なる谷―ウルバンバの谷。
クスコから約30kmほど行ったところにピサックの村があります。
遺跡が近くなってきたとほっとしていたら、太陽の神殿などは頂上にあ
るため、また歩くはめに。しかし、絶壁ともおさらばだからいいか…と
思っていたら、これまたすごい道でした。
つくづくインカの人々は、"ス・ゴ・イ!"と思いました。
朝から歩き回ってちょっと疲れたまま、再びピサックの村へ。
昼食は、ウルバンバの村(だと思う)のレストランで食べました。
昼食後、オリャンタイタンボの村へ。 この日はオリャンタイタンボ遺跡の下の広場
では、お祭りがあっていました。
やっと登りつめたら、今度は山沿いにしばらーく歩いて、そしてやっと上の広場へ。
帰りは、広場のすぐ下の段々畑の階段を一気に降りていきました。 スペイン風の家が建ち並ぶ細い路地を行くとちょっとした駐車場がありました。そこから石畳の
道を歩いて行くと、教会のある広場にたどり着きました。
クスコに着いてすぐ、またPucaraで食事しました。
しかし、インカの遺跡めぐりは、歩く歩く。しかも、ただでさえ標高高いのに、山の頂上付近に遺跡が
あるため、登ったり降りたり…。昨日今日でどれくらい体力消耗したことだろうと思いつつ、年とってから
インカの遺跡めぐりはちょっと酷かななどと考えておりました。まあ、体力に自身があれば、いくつに
なっても大丈夫とは思いますが…。
[ マチュピチュ ]
しかし、アルマス広場周辺
のきれいな町並みとは裏腹にゴミが散乱し、土で作ったような小さな家々は、まだまだ貧しいと言われる
国の現実を見てしまったようで何ともいえなかったです。
でも、いろんな発見や初めての経験があって、おもしろ〜い!!
ミニバスに乗り、マチュピチュまでジグザグ道(ハイラム・ビンガム道路;マチュピチュを
発見した人の名前がついた道)を一気に上り、やっと入口へ。
憧れの地マチュピチュはもうすぐ…
あと、2回は行かないと"マチュピチュへ来たんだー"と言う実感がないだろ
うなと思いつつ、マチュピチュをあとにしました。
マチュピチュからふもと
のアグアス・カリエンテスまでは標高差約400m。降りるまで約13回は折返しが
あるハイラム・ビンガム道路をミニバスが走って行くのですが、2つ目の折返し
地点へ来た時、一人の男の子(7〜8歳ぐらいだと思う)が、「グッバ〜イ!」と大きく手を振りながら私達の
バスに向かって叫ぶのです。(右写真。インカの飛脚チャスキの衣装を着ていた。)
「いたぁ〜!!」思わず手を振り返していたら、隣に座っていたアメリカから来ていた女性が「何?」と聞くので、
「彼はマチュピチュで有名なんです!」などと興奮気味に片言の英語で一生懸命説明をしておりました。
そして、
また2つ目の折返しに来た時、同じ男の子が「グラ〜シア〜ス!(ありがとう)」と大きく手を振ってる…
そうです!一台のバスに一人の子がついて、頂上からふもとまで担当のバスを追って一直線に山を駆け降り
て来るのです。そして、折返し地点へ来たバスに向かって、叫びながら手を振り続ける…それから、ふもとへ
降りた時にバスへ乗込み、みんなの前で「グッバ〜イ!グラ〜シア〜ス!」。そして、各座席へとまわってチップを集
めるのです。
思わず、彼とはツーショット写真を撮ってしまいました(ミーハー?)。
バスから降りて、ドアの外に立って
いた彼に「グラシアス!」とほっぺをくっつけた時、汗びっしょり…当然!彼も生きるために一生懸命なんだ…
とてもいじらしく感じ、会えて本当によかったと思いました。
マチュピチュへ行く時は、この町で1泊はしたいと思っていたんで、しっかり水着は日本から持って来て
ました。しかし、時間的に余裕がなく、クスコから日帰りとなったため、断念…。次回へと…かな?
[ ピサック ]
聖なる谷巡りツアーに参加。ピサック
午前中の日差しを浴びたウルバンバの谷。下を流れる川はウルバンバ川。
6000m級の山々の頂には雪が見られる。「アンデスの山だー!」と撮った…。
朝8時にクスコを出発し、ピサック〜カルカ
〜ウルバンバ〜オリャンタイタンボ〜チンチェーロをバスで巡って、夜7時に
クスコへ到着するコースでした。
村を
見下ろす丘の上には、ミニ・マチュピチュといった感じの遺跡があります。
途中までバスで行き、あとは遺跡に向かってひたすら歩きます。
それも、絶壁に近い斜面に作られた道だけあって、2人がやっとすれ違
う道幅で、足元を見れば、必然的に下の景色が目に入るため、高所恐
怖症の私には、下を見るより壁側を見ながら行きたかったのですが、
なんせ道が手作りの階段だったうえに降りたり、登ったりで下を見ざる
をえない状態で…。おまけに、標高3000mは軽くあるところなので、
ちょっと登ったりするだけでぜーぜー、く・くるしい…。
人一人がやっと歩ける道幅
で、急で、石(岩)がごろごろしていて、なんと登りづらいことか!
それに山頂から降りてくる人と会ったら、どっちかが、離合(?)のため
留まらないといけないのです。
しかし、この時はじめて気づいたことが、
帰りも同じ道を通らなければならないこと…。
ピサックと言えば市場が有名。とても小さな村なのですが、火・木・日曜
には周辺の村人達が食料品や衣料品を持って集まって来るため賑や
かになります。果物売り場、野菜売り場、衣料品売り場、民芸品売
り場などなど、露店が並んでました(右写真)。
市場めぐりは大好きなのですが、
ゆっくりと見る時間がなかったのでちょっと残念でした。
地元の料理がビュッフェ形式で出されていて、ちょーでかいトウモロコシの粒
が入った野菜スープ(サンコチャドだと思う)や、じゃがいもの素揚げ(なんと
いってもこの地はじゃがいもの本場!)が最高においしかったです。
[ オリャンタイタンボ・チンチェーロ ]
お祭りの後、民俗衣装を着た地元の人達何人かが、上の広場へ来ていた。
広場から景色を眺めていたら、褐色の風景の中にぽつんと赤が目立った。石に腰掛け物思いにふけって
いるかのように身じろぎしない。なんかいい!と思ってシャッターをきる寸前に彼は前かがみになった…
あれれ?でもまぁいいか…と思った写真です。
私達が広場へと入る門へ来た時、ちょうど祭りが終わったらしく、帰り
の人達の流れがどどーっと!もみくちゃにされながらも、なんとか逆行
して広場へ向かったんですが、こころなしかうれしかったです。
なぜか
と言うと、民俗衣装を着た地元の人達にもみくちゃにされるなんて、
なかなか経験できないことかも?と思ったからです。(…単純?)
広場では、子供達が巨石でできた滑り台で無邪気に遊んでいました。
(右写真は、この時Fumiが撮った写真で私の大好きな写真。子供達の表情がいい!)
それからガイドに案内された道は、見上げるくらい急な段々畑の脇の
階段でした。150m(300段)はあるらしい。もちろんここも標高が高い
ため、休み休み登らないと息切れが…。
上の広場には、6個の
巨石(高さ4m、全幅10m、奥行き1m)が並んでおり、太陽の神殿の造りかけではないかといわれている
そうです。それに、この巨石は対岸の石切り場から運ばれてきているといわれ、この急斜面をどのように
して運ばれてきたかが、まだ謎だそうです。
オリャンタイタンボの村を離れ、標高4000mぐらいの赤茶けた山というか台地というか、そんなところを通り、
チンチェーロ村へ。
ここにはインカ帝国の城があったそうで、今は、
基底部だけを残してその上に教会を建てているそうです。
アロス・コン・ポーヨ(鶏肉が入った緑色の炊込みごはん)と
鱒のから揚げとピスコ・サワー(ブドウから作られた蒸留酒を卵白、ガムシロップ、レモン汁等を入れてカクテルした飲物)
を注文しました(右写真。左からアロス・コン・ポーヨ、鱒のから揚げ、ピスコ・サワー)。
ピスコ・サワーは、とても強くて(テキーラみたい)、甘くて、さすがの私も全部飲みほすことが
出来ませんでした。