TRICK研究室 -ポール・カリーのマジックの謎を暴く!! 解説編-
奈緒子
あんぽんたんの上田のために、手順をまとめてやるぞ。上田、拝め。
- 白紙の、トランプ大のカードを20枚程度(最低18枚)用意し、観客にあらためさせる。
- 左手にカードのデッキ(山)を持ち、「これから、1〜9の数字を書きます」と宣告する。
- 9枚のカードの裏に全て「6」を書き、白紙の面を上にしてテーブルに並べる。
(余ったカードは左手に持ったままにしておく。)
- 観客にカードをシャフルさせる。
その間、テーブルの下に手を持っていき、左手のカードに1〜8までの数字を裏表の両面に書く。
- 観客に「1」〜「9」の数字を順に当てさせ、カードを回収しながら白紙の面に該当する数字を記入する。
- 「6」を当てさせる時に観客の指したカードを裏返し、正しく透視されている事を示す。
- 「8」を当てさせる時に「残りカードは9ですね」と確認し、そのカードの裏に「9」を記入させる。
観客が記入している間にテーブルの下で左手のデッキを1回転させ、(4.)で作成したカードと上下を入れ替える。
- (4.)で作成したカードを観客に配り、透視が正しかった事を示す。
参考資料:山田 奈緒子 (自称 マジシャン)
言わずと知れた「TRICK」のアイドル。
サスペンス史上例を見ない大ボケ主人公。貧乏度・貧乳度も他を寄せ付けないながらも、そこがとっても可愛いんですよね。
またもや全然似てねーな。え?「なんで突然奈緒子?」って?画が無くて寂しかったからさっ。
上 田
ふん!やっぱり俺の思ったとおりだったな。
ポイントは2点。
ポイントその1。最初に広げたカードは全て裏が""6"。
つまり上下さえ間違えなければ確実に"6"と"9"を当てられる仕掛けだ。
それだけならばサルでもタネがしれようというモノだが、このマジックには引っかけがある。
つまり、ここでシロートは「いや、私は最後に裏表の数字が正しく揃ったカードを見た。」と思うわけだ。
ポイントその2。最後に裏が全部"6"のカードと観客の隙を見て作った表裏の正しいカードを入れ替え、
「ポイントその1」の証拠を消してしまうわけだ。
どちらか片方のトリックを見ただけならば気づくかも知れないが、2つのトリックが相互に弱点を補完しあうってことだな。
確かに巧妙な心理トリックもおり混ぜた秀逸なマジックかもしれんが、この上田次郎様にかかれば...
奈緒子
...「サルでもタネがしれる」引っかけにいともたやすくかかり、
「シロート」の陥りそうな考えに見事にハマってしまうって事ですよね?
長々と語り込んだわりには、情けないな。上田。
上 田
......
奈緒子
落ち込むな、上田。傑作といわれるマジックが、1回見ただけでそうそう簡単に解けるワケ無いじゃないか。
上 田
だが、「解くための手がかりはあった」ってことだよな。
奈緒子
あります。本来、マジックっていうのは無駄な動きを極力避けるモノなんです。
上 田
確かにバク転とかヘッドスピンをするようなマジシャンは見た事が無いが。
奈緒子
そーそー。もうダンスをするように...って、そんな事して何の役に立つんですか?
そうじゃなくて、マジシャンの「変な」動きには全て「何か意味がある」と考えれば見えて来るんですよ。
それは、無駄な動きをしていないハズだから。
上 田
例えば?
奈緒子
例えば"9"の字です。手書きの"9"って普通、あんな書き方はしませんよね?
明らかにあんな書き方をしているのは不自然...つまり無駄な手間をかけてあんな書き方をしてるんじゃ無いか、と。
。
上 田
確かに。普通に手書きをする時は、まずマルをくるっと書いて、上から下に縦棒を引く感じだな。
"9"の字を見た時に、まるで活字を見ているような違和感があったのは、そこか。
奈緒子
"6"をひっくり返しても、手書きの"9"にはなりませんからね。
上 田
使いもしない余りのカードを左手にずっと持ち続けていたのも、無駄な動き...
奈緒子
でも、スリ替える為のカードを作るには絶対に必要。
上 田
途中で俺を止めて「集中しろ」と言ったのは...
奈緒子
「上田さん本人が当てている」という意識を持たせるためにわざと作業を中断し、100%当てる事の出来る"6"の数字当てをさせた。
"9"のカードの裏に数字を書かせたのも同じですね。
上 田
確かに見落としがちだが、必然性のないように見える行為は...
奈緒子
ぜーんぶ、必要な事だったんですよ。
上 田
くそっ!!あの女め。よくも騙しやがったな!
奈緒子
過ぎた事でごちゃごちゃ言わない!
参考資料:上田 次郎 (大学助教授 (当時))
言わずと知れた「TRICK」のアイドル。
サスペンス史上例を見ない巨根主人公。気絶頻度・破壊力も他を寄せ付けないながらも、そこがとっても可愛いんですよね。
え?「なんで突然上田?」って?奈緒子を出したら上田センセも出さんとしょうがないでしょー。
上 田
...だが、これで俺の持論である「全てのホラー現象はホラに過ぎない」という事が証明されたな。
謎はとべてすけたっ!!
奈緒子
そうでもないかも?
上 田
ナニ?
奈緒子
上の手順で言えば3番なんですけどね。9枚のカードに"6"を書き込むところ...
上 田
どうした?
奈緒子
どう見ても、本当に"1"〜"9"を書いてるようにしか見えないんですよ。
上 田
どれどれ...?ん...確かに、コレで全て"6"を書き込んでいるんだとしたら、相当に器用だな。
ぢぇみに君のレポートではこれについてはどう書かれているんだ?
奈緒子
えー...とですね。昨日の事なんですけど、フラッシュペーパーのテストをしていたんですよ。
あの、一瞬パッと炎が上がって鳩とかが出てくるマジックに使うものなんですけど...
上 田
??? 答えになって無いぞ。YOUの日常生活を聞いてもどうしようもない。
奈緒子
だからですね。フラッシュペーパーっていうのはパッと燃え上がる紙の事なんです。
上 田
「パッと燃え上がるカミか」。矢部さんがとても嫌いそうな言葉だな。
...ってもしかしてYOU?!
奈緒子
問題の部分、引火して燃えちゃいました。
上 田
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
Quod Erat Demonstrandum (証明終了)...無しよん (x_x)
奈緒子ちゃん、上田先生、そしてうだうだと長い文章を読んで下さった皆様、お疲れ様でした。
本当の話をすると、ぢぇみに にも最後の部分の謎は解けていません。
- 撮影上の都合(間近で見ると"6"しか書いてない事がばれるてしまうから)なのか?
- もっと別のトリックをその部分に仕込んでいるからなのか?
- あるいは、ぢぇみに の推理が全く見当はずれなのか?
ま、何にせよ「傑作」をオイラみたいなモノが簡単に極めようという事自体無理な話でして...
とりあえず、ここでぢぇみにの推理は完結といたします。
ですが、「いや、ここは矛盾してるぞー」とか、「最後の謎はこうなんだよ」とか、
もしございましたらぢぇみにまでご一報頂けると嬉しく思います。
では、この辺で...
2003.11.24 ぢぇみに
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■ 参考文献 ■
書籍:
「奇術入門シリーズ メンタルマジック」著 三田皓司 / 東京堂出版
ホームページ:
「マジェイアのカフェ」 管理人 マジェイア氏
DVD:
「TRICK トリック vol.2」テレビ朝日 (販売元:パイオニアLDC)