<><> SUMIO'S HOME PAGE <><>.楽 書 帳 16白 髪 岳 に登る(平成16年10月7日(木) 晴後曇) ![]() 初秋の一日、丹波篠山の明峰と称される白髪岳(722m)とそれに連なる松尾山(687m)に登ってきた。階段や一寸した岩場のある急な登りが続く前半と、落ち葉や枯れ枝で埋まったこれもまた傾斜の強い下りの後半で、かなりの手応えを感じた。道標はしっかりついていると案内書にあったが、実際は少なく、また偶々あっても場所が極めて不適切で下山の中途で一時不安を覚えたところがあった。(結果的にはこちらの思い過ごしだったが。) しかし頂上の展望の素晴らしさ、気持ちのいい尾根歩き、岩場のスリル、史跡など、トレッキングの楽しさを十分堪能させてくれるコースであることを実感した。 実は自分は2度目なのだが、前回は20数人の集団だったこともあり、ただ全体に引っ張られて登っただけで周囲を良く見る間もない山歩きだった。その点今度はマイペースで行けて十分に楽しめた。又前回と一部違うルートを歩き間違っているのではと一時心配もしたが、結果は正しいことが確認できたりした。 ![]() そもそもこの山往きは例によって桂子の今にも山が消えてなくなって仕舞うような云い方が発端だ。もう少し気温の下がる秋も深まる頃と考えていたのだが、そうするとそれをストレスとして溜めてしまいかねないと思い、早目に行くことにした。実行してみれば少々汗はかいたがいいタイミングだった。以下に一日の様子をもう少し細かく記す。 快晴の絶好の日和に気を良くし、午前8時半に出発。まずいつもの様にコンビニ立寄りお握りなど食料を手当てしてから、新三田に向う。そこでR176に入り暫く走る。古市でR372を経て直ぐの脇道に入る。入って間もなく正面を見上げると白髪岳が悠然と姿を見せている(写真上)。更に5分程奥に進み9時半に住山の登山口近くの一寸したスペースに駐車した。1ヶ月程前にここまできて大体様子を見ておいたので、勝手は分かっていた。同じ目的の車は平日のせいか他にはなかった。 ![]() 改めて身支度をし直していざスタート。歩き出して直ぐのY字路に白髪岳と松尾山へのそれぞれの逆向き矢印の表示板がある(写真右)。それに従い左手白髪岳への道を上がっていく。かなり道幅のある林道で25分程登ると同じ内容の登り口を示す標識が山の斜面に数本立っているやや広くなった場所に出た。それが本当の登山口で一目でそこから登りが始まっている様子がわかる。ここまでなら少し無理すれば車で来ることも出来そうだ。左手にがっしりした作りの東屋の休憩所もある。 10時15分にいよいよ山道に入った。見て感じていた通りいきなり階段のかなりの坂である。それから暫くはその丸太を使って段にした道がつづく。高度がどんどん上がるのが分かる。すぐに汗ビッショリになる。この道は途中からは九十九折というよりはどちらかというと歩き易いZ字状の坂に変ってくる。これを更に登っていくと30分程で一つのピークに出た。左右が切り立っていて眺めが素晴らしい。ベンチが二脚置かれていて絶好の休憩地である。前方にはこれから向う白髪岳らしい山の上方が見えている。両側からは共に黒味がかった山塊が幾重にも重なっているのが眼に入る。だが残念ながら名前は全く分からない。 ![]() ![]() 5分程休み10時50分に再び登りだす。そこからは尾根歩きで、眺望はないものの周囲が明るく道もハッキリしていて頗る気持ちが良い。この尾根道を20分位進むと一寸した岩場が二ヶ所出てくる。付けられているロープや鎖を使って何とかよじ登る。一ヵ所は2m位の板状の岩で表面の僅かな突起や小さな割れ目に足をかけ登る。もう一つの方は大きな岩と岩の狭い隙間を行くものだ(写真上2枚)。前回来た時は先頭の判断か初めの箇所でロープのない側を登ったのだが、その時は無事に越えられたものの少し危険だなと思った。多分桂子は無理だろうと考えていた。今度も一たんはそちらに立って見たのだがやはり同じ様に感じ、改めてロープの付いている方に廻って、多少苦戦しつつも乗越えた。やはりそれが良かった。岩場はスリルがあって面白いものの一歩間違えると大事になりかねないから、ほんの僅かな区間だったが慎重を期した。 ![]() そこを通過してから10分程の11時25分、頭の上が明るいなと感じたら頂上に出たのだった。露出している岩が大半を占めている細長い場所だ。ほぼ360度の眺望である。一方の端に「白髪岳山頂」の標識が立っていて、そこで先客が1人食事中だった。我々とは逆の道順で来たようだった。一言二言言葉を交わし自分達は反対側の端に近い岩に座を占めた。早速濡れたシャツを替えるが風が殆どないせいか暑くもなく寒くもなく快適だ。展望を楽しみながら食事をはじめた。何時ものことだがこういう時の握り飯は非常に美味い。この時の為とわざわざ持参した熱いお茶と交互にじっくりと味わう。北の方の眼下に篠山市の街並みが一かたまりに見え、その向うに多紀アルプスを初めとして山並みが幾重にもなって見えている。反対側には虚空蔵山がかなり近くに整った姿を見せている。その奥は六甲連山などらしいが確かな事は分からない。時には瀬戸内海も見えることがあるとか。食事中に別のもう一人がこれから自分達が向う方から上がってきた。京都から来たそうで、何回も登っているヴェテランらしい。廻りの山の名前を教えて貰ったり、一寸雑談をする。結局そこでは展望を楽しみ、写真をとったりして約50分休憩、後12時15分に松尾山に向う。 ![]() この頂上からの下り約10分間は相当な傾斜があり、ロープが張り巡らされている。時間にすると極く短いのだが、滑って転んだりしないように注意していくので相当長く感じる。これを過ぎると緩いアップダウンを暫く繰り返す。途中振りかえると今下りてきた白髪岳の上の方が樹林越えに見える。かれこれ小1時間で半分消えかかった「松尾山まで200m」と書かれた標識のところにきた。この辺りから上の方にかけて熊笹が一面に生えていた。もうひと踏ん張りと思いつつ登るとようやく山頂に着く(写真右上)。白髪岳から1時間10分程要している。標準よりかなりかかっているが、早さを競う訳でもないから特に気にしない。この松尾山の頂上は割と大きな空間があるが周囲が雑木林で眺望は殆ど利かない。他に見るべきものも特にないが、水分を補給したりして10分程休んだ。そして13時35分に下山にかかった。 そこから朝登り始めたY字路の分岐点まで普通は約1時間と案内書に書かれている。しかし自分達の結果は約1時間40分だった。それで途中からどこか違ったコースを辿ってしまったのではないかの疑念が今も消えない。順を追って記そう。 松尾山山頂からの下りも急坂が長く続く。最近の何回かの大風の為に落ちた枝葉が厚く積もっていて余計歩きにくくしている。下りは心臓の負担にはならないものの膝や太ももに応える。下る動作は絶えず体を支え踏ん張るためか力が入り、結構暑くなり汗が流れる。 ![]() ![]() 30分程で 「←愛宕堂・本堂跡・三基石佛…、住山地区下山 駅まで約60分」 の標識が出てきた。近くには卵型の苔むした塔が沢山並んでいるのが眼に入った。前に来た時はこれを直進して最後は結局道が分からなくなって農家の庭先のような所に出てしまった。それで今回は案内の標識通り左をとることにした。 しかしこれが初めのうちは降りるのではなくてまたどんどん登っていくので、暫くは不安で落ち着かない。構わず進むが登りはなくなったものの道は殆ど水平で依然として降りる気配がない。そのうち標識の出ていた愛宕堂や三基佛(写真下)が現れて気持ちがやっと安らぐ。お堂といっても極く小さな祠で赤い前掛けを掛けられた石仏の方が眼立っていた。 更に進んでいくとある分岐のところに来た。標識は何もない。直進の方はやや登り加減で山の中腹をそのまま辿っていくように見える。 ![]() それからその沢伝いに行くと、何回か同じような丸太の橋で谷川を横切るのだが、湿っている上に苔が生えていて良く滑る。終いにほんの2m程を両手をついて四つ這いで何とか渡ったりした。沢だから日当たりも殆どないので、湿気が多く足許が悪い。その上台風で倒されたのか大きな木が何本も道をふさいでいた。 そこを下っている間少し時間がかかり過ぎの様で、果たして道は正しいのかと一時かなり不安を覚えた。卵型の塔群を左に入った辺りから樹林が一層深くなって暗い上に湿気が強く感じられ、不安感が更につのる。 しかし沢の道を下り出してからかれこれ30分程で、どうやら里に近い感じがしてきてホッとする。そうこうする内に前が明るくなりかなりの幅のある道らしい所に出た。余り使用されていない林道のようだ。 ![]() 松尾山から途中殆ど休むことなく歩き続けたが、それでもここまで1時間25分程要したことになる。標準としては約45分なのだが、自分達の足では登りではかなりの差が出ることはままあるが、下りで今回のようにかなり懸命に歩いたら今までの経験から大体標準で行ける。だからひょっとして途中が間違っていたのかなと今もって思っているのは、前記の通りである。 林道に出てもう迷うこともないと分かったので、やっと少しゆっくり休憩をとった。その後のんびり下っていくと間もなく朝の出発地点のY字路に出て、程なく車のところに帰り着けた。 このコースは登り初めの標高が260m位だから約460mを上がる計算になる。高度の割に距離が短いせいか急坂が多く結構歩きでがあり、手応えを感じた。歩数計によると約14,500歩となっていた。 最後の林道を歩いていて気が付くと小雨が落ちてきていた。山中で降られず幸いだった。 その後最近できた こんだ薬師温泉 に向い、露天風呂にゆっくりつかり、汗をすっかり流す。心身ともにさっぱりしてこの上なくいい気持ちで帰路についた。 以 上 ー 表示に少し時間がかかります ー ![]() ![]() ![]() |