病気の種類によっては医療費を国・都道府県で補助してくれることがあります。補助を強調したのは、全額負担されるわけではないからです。もちろん全額免除の場合もありますが、一部自己負担がある場合もあるからです。
医師が伝えてくれれば一番良いのですが、時には支払い関係は医師の仕事の管轄外としてしまう場合もあるようです。専門外の立場からこういったコンテンツを作るのも悩みましたが、こういった存在があることだけでも伝えられればと思います。ならないにこしたことがない病気ですが、万が一、またどなたか周りの方で思い当たる方がいらしゃった時の参考になれば幸いです。
ここでは、おおまかな概略のみを取り上げ個々のケースについて1つ1つ病名を挙げてといったことはしていません。疑問がありましたら、受診先(医師、会計窓口など)・保健所・役所(区・市など)の福祉課にご相談下さい。生活が苦しいことによる医療費負担の軽減も区・市役所等の福祉課で相談にのってもらえます。
またこういった申請には全て医師の診断書が必要です。(他にも内容に応じた書類が必要となってきます)
申請用に定められた書式の書類が必要となってきますので必ず医師に相談して下さい。
1、難病・特定疾患
原因が不明であり、治療方法が確立していない難病のうち、一部の特定疾患については医療費の負担が軽減されます。
様々な病気があり、都道府県によって助成対象としている病気に違いがあります。また国が指定している病気もあります。重症度によって負担の違いもあります。保健所を通じて書類を用意し、申請します。
対象疾患を増やす方向での動きもある一方、対象から削除されてしまう疾患もでていきたりと変化中です。まずは医療機関や都道府県(保健所・区・市役所)で確認することをお奨めします。
主な病気として、全身エリテマトーデス、多発性硬化症、潰瘍性大腸炎、クローン病、悪性関節リウマチ、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症など様々な病気が指定されています。
2、子供〜小児特定疾患〜
都道府県・各自治体によって規定は様々ですが乳児医療により自己負担がかなり少なくなっていると思います。(所得制限があったり、都内の品川などの3区では所得制限なしで中学生まで医療費が0円になったりしています)
それ以外にも特定の疾患になっているお子さんの医療費負担が軽減される場合があります。18歳未満(疾患によっては20歳まで)の慢性特定疾患に指定される場合に医療費の自己負担が免除されます。疾患、また同じ疾患によっても症状によって入院・通院の負担免除が異なりますのでご注意下さい。
また都道府県によって異なる部分もありますので、医師・最寄の保健所・お住まいの都道府県等にご確認下さい。
<一部病名>
*20歳までの延長の可否は疾患により異なります。
疾患名 |
*可否 |
白血病、悪性リンパ腫、神経芽細胞腫 |
○ |
ネフローゼ症候群、慢性腎盂腎炎 |
○ |
気管支喘息(1ヶ月以上の入院が対象) |
○ |
成長ホルモン分泌不全性低身長症 |
○ |
甲状腺機能低下症 |
× |
川崎病、リウマチ熱 |
○ |
若年性糖尿病 |
× |
軟骨異栄養症 |
○ |
フェニルケトン尿症、ウィルソン病 |
× |
血友病、アレルギー性紫斑病 |
○ |
ウエスト症候群、結節性硬化症 |
× |
心室中隔欠損症(内科治療) |
○ |
3、結核
結核医療費も公費により自己負担が軽減されます。
結核の薬に関するものは医療費の5%が自己負担となり、残りは保険・公費で負担されます。
(生活保護などの方は自己負担無し)
これは診断がついた段階で病院が申請方法を教えてくれます。
4、その他
母子家庭(1人親)への負担軽減などもありますし、生活保護を受けている方は医療費の自己負担はありません。また原爆・障害によって自己負担が軽減されることがあります。お金がないから治療が受けられない、といったことがないことを願っています。
私の別館・薬の話では他にも薬に関する話を取り上げています。ご参考下さい。
【参考サイト】
「あるじゃんnet」医療保険比較! :リクルートが発行する、得するお金の情報誌「あるじゃん」提供の医療保険比較サイトです。商品やサービスを比較しているので目的の商品を検討しやすくなっています。
参考資料:東京都庁 ホームペーシ
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