秋祭りの舞台は『飽波神社』・その5
- 祭りの「正装」、法被を着るまで
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大祭参加者は地区ごとお揃いの法被を着用するのが原則です。 法被は各々地区の紋や、地区にまつわるモノor話をデザイン化しますが、基本は江戸調の半纏(法被)です。 最近「大祭連合会」が発足してからは、各地区とも「中老団長」と「連合会役員」は揃いの"連合会長半纏"を着用します。
さて、各地区とも大祭で着用する法被の正装をご紹介いたしましょう。 上半身から説明しますと、一番下に「肉襦袢(にくじゅばん)」という七部袖のボタン付きの木綿(良いものは絹もある)のシャツのようなものを着ます。 模様はいろいろありますが、松葉模様や絣系が一般的で、梃子担当の若衆などは派手な紋々(いれづみのようなデザイン)のものを着用しています。 値段もピンからキリまでいろいろです。 デザインの良い絹のものは数万円もします。。。
「肉襦袢」の上に「腹掛け」をかけます。 昔の飛脚などが掛けていた短いエプロンのようなもので、木綿で出来ていて黒か紺で染められています。 たすき掛けで首からさげ、腰紐を後ろからまわし、腹掛けの下で前で結びます。 丁度おなかの所に「どんぶり」と呼ばれるポケットが付いてます。(まるでドラえもん。。。) この中にご祝儀やタバコ、小道具のセンス等をさして入れておきます。 腹掛けをかけたらその上に「下(肌)襦袢」を着ます。 これが一番お金の掛かるもので、基本的に着物と同じく絹で和裁の心得のある方や、呉服屋さんでオーダーメイドします。 一番オシャレをする部分という事ですか。 形は一番上に羽織る法被と同一のものです。 デザインは好みで色々です。 襟の黒い部分に、金の縁取り刺繍で名前や地区名を飾ります。
さて、上半身の最後ですが、一番上に各地区揃いの法被を着ます。 角帯びで腰の部分で結びとめ、片肌(右側の片方)だけ脱ぎ、下に着ている華やかな「肌襦袢」を見せます。
下半身は黒(紺)の股引(木綿製)をはきます。 これも不思議な形をしていますが、お尻の部分が分かれていて、紐を通して重ね合わせてはきます。 勿論、ズボンやパンツのようなゴムが入っているわけではございません。
足元は足袋をはき、藤倉草履(わらで編んだ草履)を履きます。 梃子の若衆や屋根係りは、地下足袋を履きます。
最後にアクセサリー的な小物ですが、各地区揃いの扇子、日本手ぬぐいと腰の部分に「火の用心」と書かれたお守り袋とひょうたん、鈴等をぶら下げます。 昔は背中に「花笠」を背負っていましたが、現在は殆ど見かけません。。。
最近では若者や子供達も時代の流れでしょうか?上記のような正装をあまりしない人が多いようです。 「中襦袢」を着なかったり、「肉襦袢」と腹掛けだけで参加したり、はたまた、髪の毛を金銀パール!『白黒抹茶、小豆コーヒーゆず桜』と「青柳外郎」のように染めたり、ラメ入りでギンギラにしたり、派手な鉢巻をしたりと、かなりカラフルになってきています。。。
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