ナイロビ国立公園内の「SAFARI WALK」に行ってきました。

市の中心部からナイロビ国立公園までは、車でおよそ30分。
街や空港が近くにあるので、野生動物にとっては住み心地が悪いのではと心配してしまいますが、「乾季にも涸れない水場」など魅力的なポイントもあるらしく、たくさんの動物が住み着いています。公園全体を囲む柵は無いので、よくいろいろな動物が近所に出張しているようです。

ここでは自家用車でゲームドライブを楽しむことができますが、今回は敢えて、公園の入り口近くにある「SAFARI WALK」に行くことにしました。徒歩で動物を見られるスポット、つまり動物園みたいなものです。

入場料は居住者200シリング(約300円)。ロンリープラネットには500シリングと書いてあったので、最近値下げしたのかもしれません。

入り口を入るとすぐに、そのへんにいたケニア人の青年が「ガイドしましょうか?」と寄ってきました。「いくら?」と聞いたら一瞬ひるんだ後、哀しそうな笑顔で「無料です」と答えたので、遠慮なくお願いすることにしました。
入ってすぐのサバンナコーナーには、特大のバッファローがいました。
柵は深い堀の中に立てられているので、遮るものが何もない状態で放飼場を見渡すことができます。でも堀の幅はあまり広くないので、こちらにジャンプしてきやしないかとちょっとドキドキでした。
サバンナコーナーには、バッファローの他にシマウマやガゼル、ダチョウ、リクガメなどが雑居していました。左は珍しいシマウマのアルビノ。全身真っ白というわけではなく、薄茶のシマシマ模様です。
ダチョウの解説板。英語とスワヒリ語が併記してありました。
「ニワトリの卵は4〜5分でゆであがるがダチョウの卵は2時間かかる」とか、「ダチョウの脳の大きさは目よりも小さい」とか、なかなかユニークな内容でした。

「森」の展示。動物が暮らす自然環境をそのまま見せる、というコンセプトらしいですが、いやこれがもうほんとに普通の遊歩道。リス一匹いませんでした。ガイド君が苦し紛れに近くの葉っぱをちぎっては、「これはゾウが好きな木だ」とか「これはキリンのごちそうだ」とか説明してくれました。

ちなみにガイド君はKWCというところの学生で、12月に卒業予定なので、それまでボランティアでここの案内をしているのだそうです。
森コーナーの隣では、シロサイが与えられた草をワサワサと食べていました。
仲間が見当たらなかったので「一匹しかいないの?」と聞いたところ、「ここにはいないけど、国立公園内にはたくさんいる」との返事。よく聞けば、ここの動物の任期は約1年なのだそうです。つまり1年たったら公園に放し、またそこらへんで別の個体を捕まえてきて展示する、という画期的なシステム。ケニアならではの贅沢なやり方ですね。
次の展示は、半円形の客席からステージを見下ろす劇場のような作りになっていました。
ステージの真ん中にいたのは、ヒョウです。
高い木のうえにヒョウのための寝床がしつらえてあり、その上でヒョウがぐっすりと眠っていました。普通のゲームドライブではめったに見ることができない動物だけに、これだけばっちり見えると感動です。
寝床の下にははしごが用意してありました。
メンテナンス用かと思ったら、ヒョウ自身が使うものだそうです。まあ、普通に木を登るよりラクなんでしょうが。。。
ここから先の通路は、高いボードウォークになっていました。通路の下の木組みにはられた有刺鉄線が、自然のままの外界とSAFARI WALKの園内を、さりげなく区切っています。
ボードウォークの外側にある水場。私達が行った時は何もいませんでしたが、乾季の暑い午後とかになるといろんな動物が水を飲みに来るそうです。当然、それを狙うライオン等もやってきます。
こちらはボードウォークの内側でのんびりと食事中のロスチャイルドキリン。キリンの背中を見下ろすというのは、なかなか新鮮な体験でした。
サバンナコーナーの隣にチーターがいました。ごちそうをながめつつ昼寝中でした。
チーターの体はヒョウより長いのだそうです。ガイド君が解説してくれたなかで、唯一「へえ」と思える情報でした。
ワニはさすがにがっちり檻で囲まれていました。逆に堀とかがないので、こんなアップで見ることができました。

これでSAFARI WALKは終了。いまいち役にたたなかったガイド君ですが、なにもあげないのも気の毒なので、端から4分の1くらいが切れている100シリング札(約140円)を渡しました。果たしてあのお札、使えたんでしょうか・・・。