2010.7.7 - 14                 
クルーズ資料編(乗船後)           
船の設備やサービスなど、実際に乗船してみてわかったことをまとめてみました。

■全体の感想
結論から言うと、この船を選んでよかったです。特にサービス面がしっかりしていて、乗組員は新造船だけにまだ不慣れですが、皆真面目に一生懸命仕事をし、こちらのクレームや要望に対し、誰もがきちんと責任を持って迅速に対処してくれました。食事はミシュランの星付きレストランとまではいきませんが、毎回完食してしまうほど美味しく、部屋や船の設備も期待以上でした。唯一の誤算というか、予想と違っていたのは、乗客のほとんどがアメリカ人で、船内のあらゆる点がアメリカ的だったことで、スイスから来るとこれは結構衝撃でした。

   
1. 乗船
チェックインは13時となっていましたが、結構早めに乗せてくれると聞いていたので、11時に受付場所に行きました。船は、何故か予備のバースみたいな所に停泊していたので、荷物を預ける場所が少々分かりにくかったです。荷物を下ろした後は、ベネツィア港湾局が管理するクルーズ客用駐車場へ。意外と埋まっていたので、事前予約しておいたほうが安心です(ネットで予約できます)。

チェックインでは、パスポートを最終下船日まで預かられ、後は必要書類に記入し、カードキーをもらって完了。事前にネットでクレジットカード情報等を登録していたのでスムーズでした。その後、待合スペースでソフトドリンクなどもらいながら少々待ち、11時半には乗船できました。ちなみに小さいDUTY FREE店なんかも、乗船前にありました。


(中央)チェックインカウンターがあった建物、(右奥)クルーズ客専用駐車場、(右手前)荷物預け所
 
チェックインカウンター
 
2. 各種アレンジ
早めに乗船すると部屋の用意ができるまでレストランで昼食でも、と案内されたりするそうですが、今回は部屋がもう用意できているとのことで、部屋へ各自勝手に向かいます。

入室後、すぐにスイート客室専用ラウンジに向かい、コンシェルジュに各種手配をお願いします。アレンジを頼みたかったのは、以下4点。

・部屋のベッドをダブルからツインへ
・翌日のエクスカーション(ツアー)の申し込み
・カバナ(プールサイドの屋根つき個室)の予約
・ネットで事前予約したレストランの予約確認
 
ラウンジのコンシェルジュ

ラウンジ全景

  ベッドチェンジとエクスカーションは簡単でしたが、カバナはそこそこ混んでいて、また通しで予約すると安くなるとかで、ああでもないこうでもないと決めるのに意外と時間がかかってしまい、その間他の端末からの操作でどんどん埋まっていったりして、結構スリリングでした。

有料のカバナをわざわざ予約したのは、やはりレビューで、これが一番値打ちがあったというものが多かったので、天気が良いなら是非確保したいと思っていたのです。幸い、航海中の予報は全て晴れだったので、航海中の全日予約しました。
レストランの事前予約状況は散々でした。この船にある2つの有料のレストランを計3回ネットで事前予約していたのですが(confirmation e-mail受領、料金事前チャージ済)、何故か予約していたのとは違う日に、しかも重複して予約されていたり、時間が間違っていたりしました。

この修正作業が結構大変で、特にフォーマルディナーの日のピナクルグリルが満席でどうしようもないと言われましたが、プリントアウトしたconfirmationを盾に、何とかするべきだと強く言い、コンシェルジュも色々頑張って交渉してくれて、何とか閉店時刻近い21時半でもよいならということで座席を確保できました。

ちなみに当日レストランに行くと、そこには船会社の社長さんとその一団が陣取ったテーブルがありました。それってお客さんよりも社長さん優先ってこと・・・?

 
 
ラウンジの軽食 
3. 部屋
部屋は、料金を少しでも節約するために大人3人で一部屋とし、かわりに上から2つ目のカテゴリーであるデラックスベランダスイートにしました。3人目の料金は$500の追加だけで済み、さらにスイート客向けの特典を享受できます。部屋の広さは申し分なく、大きいお子さん2人と夫婦で使っても問題ないと思います。ウォークインクローゼットなど収納も十分で、バスルームもバスタブの他にシャワーブースがあり、洗面台も2つ。ベランダも十分なスペースで、デッキチェアーもあります。

スイート客向けの特典は、特に有益だったものを中心に列挙すると、
・スイート客専用のコンシェルジュサービス(各種予約・手配)
・朝食をピナクルグリルで食べられる
・スイート客専用のネプチューンラウンジで軽食やコーヒー・紅茶類を頂ける
・全てのランドリーサービスが無料。靴磨きも無料
・部屋に備え付けの高性能望遠鏡

部屋にはウェルカムシャンパンのボトルや果物がありましたが、ミニバーの飲み物類は残念ながら有料でした。またネット接続も有料で、特にネットについては遅い・高いと大変不評なので、これがスイート特典で無料になると本当に助かるのですが・・・。



部屋の全景その1

 
部屋の全景その2


ソファーベッド

 
ウォークインクローゼット


ジャグジーバスとシャワーブース

 
バルコニー

 
4. エクスカーション
寄港地でのエクスカーションは基本的に割高で、港で自分でアレンジすれば半額で同じことができる場合もあります。もっとも初めての土地だと、それなりに手間も労力も掛かりますので一概にどちらが良いかとは言えないですね。今回、コトルとスプリトについては昨年訪れていて多少知っているので、最初からツアーは検討しませんでした。またコルフも、観光地が比較的船から近いので、自分で行くことにし、特に問題なく自分のペースで見て周れたので快適でした。唯一参加したのはカタコロンだけですが、アレンジはスムーズで、ガイドの説明もきちんとしており、ランチも十分美味しかったです。

ちなみに寄港時で下船する際は、船のキーカードの他に、写真つきIDカードを持っていくよう決められています。今回母は、パスポートしか写真つきIDカードがなかったので、預けたパスポートのコピーを急遽コンシェルジュに頼みました。フロントには同様のリクエストの人が結構居て、最初の寄港日は混雑していたので事前に用意しておいたほうが無難です。

 
5. 食事
今回の船は、毎回の食事時間が決まっているタイプ(17:45か20:00)とその都度選ぶオープンシーティングの2つから事前に選ぶことになっており、オープンシーティングにしました。乗る前は、その日の気分で都度予約を入れようと思ったのですが、乗船してみると意外とメインダイニングでも予約がいっぱいになるケースが多く、仕方なく2−3日先まで常に予約しておくことにしました。主なレストランを利用した感想は以下のとおり。

マンハッタン・ダイニングルーム(メイン・ダイニング)
  2階構造で大きくて、クルーズらしい雰囲気ですが、給仕の仕方が少々慌しいです。
  料理はエクセレントではないですが、十分美味しいです。

ピナクルグリル(有料レストラン)
  豪華な内装と食器で、少々圧倒されてしまいます。有料だけあって食事はとても美味しく、
  サービスもとても落ち着いています。値段は夜は一人$20、昼は$10です。

タマリンド(有料アジアンレストラン)
  東南アジアのリゾートレストラン風の内装で、何だかホッとします。こちらも有料だけあって、
  食事は美味しく、サービスもいいです。スイス舌には、とても美味しいお寿司でした。
  後で握っている板前さんに聞いたら、インドネシアのなだ万に勤めていたとか。夜は一人$15チャージされます。

カナレト(イタリアン)
  リドレストランの一角にありますが、一応仕切られているので、少し静かです。食事も普通に美味しいです。

リドレストラン(ブュッフェ)
  カジュアルな雰囲気で賑やかです。てきぱきと食事をしたい時にいいかと思います。
 

マンハッタン・ダイニングルーム

 
マンハッタン・ダイニングルーム

 

マンハッタン・ダイニングルーム

 
 
ピナクルグリル

 

ラム(ピナクルグリル)

 
デザート(ピナクルグリル)

 

ジャパニーズ朝食(ピナクルグリル)

 
 
タマリンド

 

お寿司(タマリンド)

 
 
リドレストラン

 
6. プールとカバナ
プールは、中央に全天候型(夏は屋根を開けています)の少し浅めのプール、後部にオープン型の深めのプールがあります。どちらも大きくはありませんが、軽く泳ぐには十分の大きさで、共にジャグジーやシャワーブースも完備しています。デッキチェアーは、プール周辺以外にも、十分な数が甲板に置いてありますので、日焼けするなら問題ありません。ただ、日陰になるデッキチェアーは、後部にはなく、中央部に少しある程度です。航海日や寄港日の午後2時位からはプールも混雑しますが、泳げない程ではありません。

カバナは、プールから離れた別階にカバナクラブという専用エリアが設けられており、各カバナの他にカバナ利用客専用のチェアーデッキがあるので日焼けもできます。ここでは2名のスタッフが、飲み物(一部有料)、食事・軽食・デザート類を持ってきてくれます。午後3時には、シャンパンタイムがあり、グラスシャンパンと苺チョコレートが無料で配られます。他に、ワインクーラーで冷やしたお水なんかも手配されていて、とても快適な場所です。夏は日が長いので、寄港日でも午前中で観光を済ませ、お昼から利用すれば、営業時間が終了する17時まで十分楽しめました。

  

全天候型中央プール

 
後部プール

 

カバナエリアの全景

 
 
コーナーカバナ

 

二人用カバナ

 
シャンパンタイム

 
7. ショー
他の人のレビューでは、ホーランド・アメリカ社のショーについてあまり良いコメントがなかったのですが、私は結構楽しめました。もしかしたら、処女航海ということで少し違っていたのかもしれません。W杯決勝の日は、大スクリーンに試合の模様が映し出され、会場は熱気に包まれていました。


   
着替え室

 
ショールーム


8. スパ
各種スパトリートメントが充実しており、エスティシャンの技術も問題なく、トリートメントする部屋や施設も快適です。スパ自体は、英国の会社が運営しているようで、母は若干トリートメントグッズをしつこく買うように勧められたので困ったようですが、私と嫁は貧乏そうに見えるのか、特に勧められませんでした。ここでのみ、会計のサインの際にチップを10%程支払いました。

 
 
9. 写真
乗船しているフォトグラファーが、乗下船時やフォーマルディナーなどの時に写真を撮影してくれます。これらの写真は航海日後半に廊下に貼り出され、欲しければ購入することができるのですが、お約束で1枚$20とか$40(サイズによる)します。

私たちと母でそれぞれ写真を買おうとすると結構な枚数になるので悩んでいたら、$300で自分たちの写真「全て」がデジタルファイルと共に購入できるパックがあるとのこと。これはかなりお得です。このシステムがあると知っていれば、もっと積極的にフォトグラファーに頼んで撮ってもらうべきでした。(まあ、冷静に考えると$300もかなりのお値段ですが・・・)
 
フォトスタジオコーナー


乗務員によるショー

  10. 客層
前述の通りアメリカ人が大半で、年齢は50〜60代が一番多く、この層が半分以上占めている感じです。家族連れはあまり多くなく、プールやレストランが阿鼻叫喚と化すこともあまりなかったです。他のアメリカ人曰く、ホーランド・アメリカ社の客層は比較的educatedな人が多い、と。私たちは初めてなので比較しようがありませんが、わりと落ち着いた雰囲気で良かったです。アジア人は、10人程の日本人グループと、後は中国人・韓国人が少々という感じ。

乗組員は、インドネシア人・フィリピン人が大半で、マネージャークラスは欧米出身者中心という具合で、日本人クルーはスパに一人エスティシャンの方が居らしただけでした。よって、全てのインフォメーションは英語のみでした。
 
11. その他施設    
日中はカバナで過ごし、夕食後はショーを見て早寝する毎日だったので、あまり利用する機会はありませんでしたが、以下のような施設もありました。フィットネスプログラムや料理教室、クイズ大会(?)なども日替わりで企画されており、アクティブに過ごしたい人も十分楽しめるのではないかと思います。


スポーツバー

 
 
ピアノバー

 

エクスプローラーバー

 
 
アートギャラリー

 

キュリナリーアートセンター(料理教室など日替わりで開催)

 
 
ディスコ

 

カジノ(奥にスロットマシーンなどが沢山あります)

 
 
ショッピングコーナー

 

クロウズネスト(展望バー兼図書室)

 
 
図書室にはネット端末やボードゲームもあり

 
12. 予定変更
・フォーマルディナー日は、乗船時に2日目と4日目と言われましたが、途中で4日目はキャンセルになり、航海中のフォーマルは1回のみに。しかし、その後また変更になって、6日目に2回目のフォーマルディナーを設けることが決定されました。毎日配られるDaily Programのドレスコードにしっかり目を通しておく必要があります。
・最終寄港地の変更(ラベンナ→トリエステ)については、前々日に部屋にお知らせのレターが届きました。スケジュールや下船手続きに関する重要なお知らせやDaily Program、予約のconfirmationなどは逐次各部屋に配達されるので、レターボックスのチェックは重要です。
・ランドリーサービスは、突然6日目の午後3時で打ち切られました。理由は、洗濯物がいっぱいで、この調子だと下船までに渡せないから、とのこと。

13. 不満だった点
・クリーニングのレベルはかなり悪かったです。他人の衣服が紛れている、予定時間までに仕上がらない、アイロンがけは小学生の家庭科並みというケースがありました。他の人のレビューでは、7日間クリーニングが戻ってこなかったケースもあったようです。
・掃除の確認が甘いようで、乗船時にデッキテーブルが汚れており、グラスは明らかに使った形跡があり、とどめは使用後の石鹸がシャワーブースに置いてありました。
・備品のチェックも甘く、もらえるはずのトートバッグが部屋になかったり、三人使用なのにタオル等が二人分しか用意されていないケースがありました。
・翌日のプログラムの配布は、夕食が終わって21時過ぎになってようやく配られることも。お酒飲んで疲れて部屋に戻ってから、明日の予定を考えるのはちょっと辛いものがあります。
 
                 
             
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