2008.10.5 - 6
サンモリッツ
スイスの美しい紅葉スポットを求めて、サンモリッツ(St. Moritz)へ一泊のドライブにでかけました。

スイス北西部のバーゼルから南東部のサンモリッツまでは片道約3時間半。まだ夜が明けきらない午前7時に出発しました。濃い霧に包まれた景色はなかなか幻想的。


月みたいに見えるけど太陽




1時間半ほどで霧が晴れると、雲ひとつ無い青い空が広がりました。ちなみに、サンモリッツは晴天率が高く、晴れの日が年間平均322日もあるんだそうです。

さて肝心の紅葉のほうですが、赤や黄色の木がちらほら見られるものの、山全体はまだまだ緑。ちょっと早かったかな?
と思ったら隊長!雪です!見渡す限りの 銀世界 です!

サンモリッツに近づくにつれ高度があがり、いつのまにかこんなところを走るはめになってしまいました。紅葉どころか森林限界超えてます。。。幸い道路には雪がなく、路面凍結もしていなかったのでなんとかなりましたが、夏タイヤだったのでヒヤヒヤしました。



サンモリッツ湖


雪をかぶったナナカマド
こんな道をひた走ること数十キロ。疲れ果ててたどりついたサンモリッツの町もすっかり雪景色でした。

地元の人に聞いたら10月でこんな雪はめずらしいとか。でもきれいでしょう、こんな景色を見られて幸運ですね、と言われました。ええそうですね、僕らが紅葉を見に来たのでなければね。
ホテル前の駐車場に車を置き、セガンティーニ美術館へ。セガンティーニはアルプスの美しい風景を描くことに生涯をささげた画家で、この美術館には彼の代表作である「生」「存在」「死」が納められています。

少し前にTBSの「世界ふしぎ発見」でサンモリッツを特集したときに、彼の人生とこの美術館がとりあげられており、いつかその絵を実際に見てみたいと思っていました。こじんまりした美術館ですが日本語の解説本を貸してくれるなど親切で、ゆったりとセガンティーニの世界に浸ることができました。この建物は、彼が晩年を過ごしたアルプスの山小屋を見上げるように建てられているそうです。

セガンティーニ美術館

ケーブルカー


シュタインボック(アルプス山羊)の像
続いて、シュタインボックの像があるピッツネイル展望台へ行きました。ガイドブックには「料金は往復32フラン、所要時間は片道25分」とあったのですが、実際は54フランで1時間かかりました。ガイドブックってたまにそういうことありますよね。
この日の宿泊は町中心部のクリスタルホテル。ネットでここのレストランの評判が良かったので、フロントで夕食の予約をしたところ、ぎりぎり最後の1テーブルがとれました。そんなに混んでいるとは期待大です。エレベーターの中には美味しそうなメニューが貼ってあり、前菜はどれにしようか、メインは何を食べようかなと期待に胸膨らませて席に着くと、なんと近くの席は日本人ツアー客でぎっしり。だから一杯なのかー。

そこへボーイ長らしき人がやってきて「今晩はビュッフェをご用意しております。ビュッフェでよろしいですか?」 えっビュッフェ?あの貼ってあるメニューは? 「当ホテルは明日から12月までクローズします。今日が夏シーズン最後の営業なので特別メニューをお出ししております。アラカルトも3品だけご用意できますが」 ・・・聞いてないよー。しかたなくビュッフェをチョイス。というかノーチョイス。団体客に混じって行列に並ぶ気分ではなかったんですが、まあ観光地気分を味わったということで。



Crystal Hotel一泊250ドルなり。

モルテラッチ駅。ちょうどベルニナ特急がきました。


かつてはここも氷河に覆われていたそうです。

翌日はモルテラッチ(Morteratsch)氷河へ。駅から氷河までの道のりがハイキングコースになっています。昔は駅のすぐそばまで氷河の先端がきていたのがどんどん溶けて、今では2kmも山側に後退してしまったのだとか。

道の途中に、1900年にはここまで氷河があった、1920年にはここまで、という看板が立てられ、氷河が溶けていくスピードがわかるようになっています。

約30分で2000年の看板までたどりつきました。整備された道はこのあたりで途切れますが、小さな川を越えて人の足跡が雪の斜面まで続いています。たどっていくと、ところどころ雪の下から黒い地面が露出しているところがあり、触ってみるとツルツル。どうやらこれが氷河のようです。




というわけで、いまいち実感のないまま氷河の上で記念撮影。雪に覆われていると氷河なのか普通の山なのか、見分けがつきません。

それでも耳をすますと、氷が軋むような低い音と、氷が溶けて下流へと流れ出すせせらぎの音が聞こえました。氷河を渡る風をしばし味わい、下流に広がる雄大な景色を眺めて、満足したところで帰路へ。


ところで2000年の看板の上に、びっくりマークの標識がついていました。ドイツ語でなにやら書いてあったのですが読めません。帰宅後辞書で調べたら「氷崩壊、立ち入り禁止」でした。ごめんなさい、思いっきり立ち入っちゃいました。

そういえばたしかにあちこちに深そうな割れ目があり、ぼんやり歩いてるとやばそうな感じではありました。危ないので良い子はマネしないくださいね。
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