2010.6.29                 
ライン川水泳           
天候の変化が激しい今年のバーゼル。先週まではフリースを着ても震えるほどの寒さだったのに、ここ数日は晴天が続き、とたんに真夏の暑さとなりました。

海のないバーゼルの人々は、夏になるとライン川で泳ぎます。というより流されます。最初に見た時は衝撃でしたが、だんだん見慣れてきて、今では「ああ、今日は暑いから人がたくさん流れてるね〜」
ぐらいの感じです。

自分で実際に泳ぐのは少し勇気がいりますが、一度思い切ってやってみるとなかなか楽しいです。

遊泳区域や、川に入るポイント、上陸するポイントなど、少しわかりづらいので、最初に泳ぐときは誰か経験者と一緒のほうがいいかもしれません。
 
大型タンカー通過中。
  

雨が続くと茶色の濁流に、晴れが続くと透明に。川の表情は毎日変わります。

  ちょっと心配な水質ですが、SLRG(スイスライフガード協会)という組織による定期的な検査が行われており、「基本的には」泳いでも問題ないそうです。ただし、川の水を飲んだり、頭まで水に潜ったりするのは推奨しないとのこと。

水温は真夏でも20℃前後なので、水に入るときはかなり冷たく感じます。泳いでいるうちにだんだん慣れて平気になりますが、15分も水中にいると今度は足先からしんしんと冷えてきます。SLRGのサイトにも、「水温によって泳ぐ距離を調節しましょう」との注意書きがあります。
 
他の注意点としては、
・川の真ん中は横断禁止 (大型船舶が通る)
・橋げたには近づかない (渦を巻いている)
・船からは十分離れる (スクリューに巻き込まれる)
・川上にも注意する (後ろから船が接近する)
・上陸地点をうっかり通り過ぎてしまっても慌てない
 (冷静に川岸を目指して泳ぎ続けること)
・川遊び用の靴があれば安心 (川底は意外と痛いし、
  特に上陸時に靴を履いていると楽です)

これさえ気をつければ、まったく怖くありません。

ちなみに去年は男子学生が川の真ん中を泳いでいる時に川上から大型タンカーが接近。気づいたときにはすでに左右に逃げるひまはなく、その場で深く潜水して頭上をタンカーが通り過ぎるのを待ち、事なきを得たそうです。「肺が大きくてよかった」という彼のコメントがとても印象的でした。
 
初心者にはBirskopfliからCafe Veronicaまでのショートコースがおすすめ。
最長コースはTinguely museumからDreirosenbruckeまでの所要約30分。
遊泳区域の地図はこちら(青いところが泳げる場所)。

 

オフィシャル水泳バッグ(Schwimmensack)。毎年デザインが変わります。こちら2008年モデル。
観光案内所やFCBショップで手に入るようです。
 
  ライン川水泳に欠かせないのが、こちらのバッグ。洋服や靴・タオルなどをこの中に入れ、水に浮かべて運びます。袋の口をくるくるとまるめて閉じるだけなので、うっかり浮き輪代わりにして体重をかけると、中身が徐々に浸水して悲惨なことになるので要注意です。  
このバッグ以外の浮き(浮き輪やフロート)は禁止だそうです。知らずに浮き輪で数回泳いじゃいました。
 

川上から大量の人がどんぶらこ、どんぶらこと流れてきます

  そして年に一度開催されるのが
"Basler Rheinschwimmen"
(バーゼル ライン川水泳)
皆で一斉に泳いじゃおうという企画です。

この時間だけは船舶の航行が停止され、警察やライフガードの監視つきで安全に泳ぐことができます。平日にも関わらず老若男女が多数参加。見物客も出てかなりにぎやかです。

このイベント、1980年から続く伝統行事で、今年は記念すべき第30回大会。開催日は8月10日、スタートは18時です。興味ある方は、この機会にぜひ。
 

警察の監視艇


河岸のバーから見物

 
 
町の中心、ミットレレ橋の上は見物客でびっしり
                 
             
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