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      両親学級で聞いた話を元に、楓が生まれてから母子ともに外出をせず、 
      人ともほとんど会わずに過ごしてきた。 
 
      静かで暖かいお腹の中から急に外に出された赤ちゃんは、 
      肺呼吸をしたり、自力で栄養をとったり、暑さ寒さにさらされたりと、 
      一度にいろんな変化に対応しなければならない。だから生まれて 
      しばらくは、なるべく静かで穏やかな環境を作り、ゆっくりと新しい 
      世界に慣れていってもらおう、というのがこの「巣篭もり」の趣旨。 
      講師の助産師さんが「私は6週間外出せずに子どもと過ごしたけど、 
      悪くなかったわ」というのでマネしてみたのだが、確かに悪くなかった。 
 
      そしてこの日、6週間にはちょっと早いが、年も明けたことだし 
      そろそろ楓を外に連れ出してみることにした。 
      行き先はマリアシュタイン。妊娠中にも安産をお願いしにいったので 
      お宮参りのようでもあり、元旦なので初詣のようでもあり。 
      キリスト教の聖地なのに勝手に神社扱いしてすいません。 
 
      マリアシュタインまでは車で30分弱。楓は途中多少泣いたが、すぐに 
      ぐっすり寝てしまった。「子どもを車に乗せると寝るか吐くか」と 
      いうのは本当らしい。前者でよかった。教会でもぐっすり眠ったまま 
      だったが、最後にちらっと目を覚まし、そしてまた寝た。 
      マリア様にご挨拶、できたかな。 
 
        
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