ドアを一歩出ると vol.2

2009.12.22
地上階に降りると、また新しいドラマが待っていたりします。
つい先日、買い物にでかけようとマンションの玄関を出たら
すぐ横に、4階に住むおじいさんが立っていました。

数年前に大きな手術をしたそうで、出かけるときはいつも
歩行器つきの、見るからにか弱い感じのおじいさんです。
この日は真冬の寒さで、おじいさんの立っている場所にも
冷たい風がビュービューと吹きつけていました。

「こんにちは。何してるんですか?」と声をかけると
「息子が迎えに来るのを待ってるんだよ」とのこと。
「ここは寒いから中に入ったほうが・・・」とすすめると
「もうすぐ来るから大丈夫だよ」といいながらも、
氷のように冷たい手で私の手を取り、
震える声で「
I'm freezing...」と一言。
だから中に入れっていってるじゃん!

 
 こちらMarktplatz近く(am Fischmarkt 10)にある
so'up
 Kunstmuseumの近く(Dufourstrasse 7)にも店舗があります。


カウンターでスープを注文すると、パンとフルーツがついてきます。軽いランチならこれで十分。Fischmarkt店では窓からこんな景色が見えます。
もう一度すすめても中には入らなくていいと言い張るし、
家の鍵もちゃんと首から下げています。
「あなた、どこかにでかけるところだったんでしょう?」と
うながされ、後ろ髪ひかれる思いで近所のスーパーへ。
気になってさっさと買い物を済ませ、急ぎ足で戻ると、
もうおじいさんの姿はありませんでした。ほっ。

でもその夜、下の階から(おじいさんの部屋は我が家の真下)
「ぶえっくしょん!」と激しいくしゃみが連続で聞こえました。
お願いだからこじらせたりしないでね。
         

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