思うこと 第28話         2005年1月23日夜 記

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納 光弘展を振り返って

2005年1月15日(土)から1月23日(日)の9日間の納 光弘展が今日終わったが、振り返って思うことはただ一つ、やってよかった、の一言である。多くの方々の暖かい支援に支えられ開催することが出来たが、それらの一つ一つが大きな感激であり、多くの感動をいただいた。
開催の前日、たった一度旅先で出会い、そして私の絵に大きな影響を与えていただいた全盲の画家、エム ナマエ画伯からお祝いのお花が届いたことも、感動の出来事であった。私の日本画の師匠で、日本画の世界の最高峰におられる村居正之先生からのお花とエムナマエ画伯からのお花とを入り口の正面に並べさせていただきながら、自分の幸せに、胸の熱くなる思いであった。初日のテープカットにも村居先生(私の右)は奥様とご一緒に駆けつけてくださって、ただただ感動であった。私にこの展示会の機会を与えてくださった三宅美術館理事長の三宅智氏(私の左)と私の3人でテープをカットした。新築された美術館はすばらしい展示室を1階と2階に有している。私は今回の展示会を、絵をみせるための個展とは位置づけず、私の生き様や半生の足跡を絵と絵の空間に読み取ってもらえたらと考え、個展という言葉を避けてあえて納光弘展と名づけた。そして、展示のスタートところに私の写真入のパネルを張り、そこに私がこの展示会にかける気持ちを披露させてもらった(ご挨拶のパネルにリンク)。2年前、私は病気で倒れ4ヶ月間の療養生活をしたが、そこで人生観が大きく変わり、それ以後全く新しい私の人生がスタートした。そして、この展示会は、病気で倒れた60歳までに描いた12点の作品と、その後の2年間で描いた41点の作品を比較してもらいながら、私の人生観の変化をお伝えし、見た方の人生の何かの参考にしていただければとの思いであった。その次の右の写真は一階の最後の展示で、このあたりが私の病気療養中の絵と、退院後の仕事始めの頃の絵である。
2階はまず、廊下の突き当たりの一番目立つところに私のプロフィールのパネルを掲げた(パネルにリンク)(左の写真)。それに引き続き、エム ナマエ画伯との出会いと、それにより私がどれほど大きな影響を受けたかの紹介、そして、その影響でパステル画への挑戦の流れを展示した(パネルにリンク)。 そして、そのパステル画の最後の作品が尾瀬で描いたものであった。尾瀬の感激の風景を日本画で描きたいとの衝動を抑えきれず、尾瀬からの岐路寄った福岡のジュンク堂書店で、そこにあった全ての日本画に関する本を買いあさり、その後も、あちこちの本屋で買い足し、膨大な本を読みながら日本画の独学での挑戦が開始されたのであったのであった。

日本画と岩絵の具の説明を、階段を上がった2階正面のスペースを利用して展示し(岩絵の具の説明のパネルにリンク)、本物の原石も展示した(左右の写真)。また、パステル画の展示に引き続き、この独学の8ヶ月間(2003年11月〜2004年5月)に描いた3点の日本画を展示し、そして、私にとって究極の師匠の村居正之先生との出会いの感激をパネルで展示し(究極の師・村居正之先生との出会いのパネルにリンク)、その後の8ヶ月間(2004年5月8日から2005年1月8日まで)に描いた9点の絵(最下段の左右の写真)を展示した。この中には、これまで私のHPの画廊にアップしていなかった日本画第8、9、10、11、ならびに12作目の5点画が初登場した(この5点の絵にリンク)。日本画の壁の合間に私がよく受ける質問への答えを展示したが、実はこのパネルこそは、ご来場くださった方々に最もお伝えしたかったメッセージがふくまれていたのです(その Q and A のパネルにリンク)。初日(土)と2日目(日)、ならびに最後の2日の22日(土)と23日(日)はいづれも一日で200名を越す方が足を運んでくださり、その後の平日も100名を越す方々がお見えになってくださったので、結局1300名を越す方々が来てくださった。お見えになられた方々の多くは、わざわざ感想文をかいてくださったのでしたが、それを読ませていただきながら、やはり、この展示会をやってよかった、としみじみ思うことでした。それらの感想文のなかから5名の方のものを次にご紹介させていただいて、私の御礼の挨拶の締めくくりとさせていただきます。お越しいただいた方々へ心からの感謝の気持ちを込めまして。
「絵の迫力に圧倒されました。深い感動ありがとうございました。」
「驚きと感動の連続でございました。有難く、感謝申し上げます。」
「車をとばして、市内より参りましたが、本当に心にも体にも元気をいただいた気持ちです。ありがとうございました。又、明日も時間がゆるせばみに参りたくぞんじます。」
「感動の一語につきます。私は美術館には割合行っているほうだと思いますが、これほど心にしみた展覧会ははじめてと言ってもいいと思うことです。そのわけは、まず、作品のすばらしさは当然として、そえてある文章のわかりやすさ、かすかなユーモア、お人柄を反映する文章です。努力の結晶がこの芸術性の高さを生んだ、と思うことです。岩絵の具の展示、ご自分の目と腕を育てた恩師との出会い、それを生かす力など充分に伝わってきました。」
「納先生の生き様、また絵の凄さに心を打たれ、まさに心の内から噴き出す感動で身の震える思いでした。今までの絵の鑑賞でこんな思いをしたのは初めてでした。」
心温まるご感想いただき、私自身が身の震える思いで、湧き上がる涙をこらえながら読ませていただきました。ありがとうございました。  納 光弘 (拝)

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