思うこと 第212話 2007年5月18日
文藝春秋6月号の『昭和の陸軍』対談を読んで
『昭和の陸軍』については、これまでこの私のHPでも度々論じてきたが、このたび、文藝春秋の6月号に、極めて注目すべき対談が掲載された。
この対談『昭和の陸軍 日本型組織の失敗』は、半藤一利(昭和史研究家・作家)、保坂正康(ノンフィクション作家)、福田和也(文藝評論家・慶應義塾大学教授)、戸部良一(防衛大学校教授)、黒野耐(元陸将補・武蔵野学院大学講師)の5氏による51頁におよぶ(94〜144ページ)対談の記録である。
私は、『思うこと第191話』で述べたように、保坂正康氏の『昭和史の研究』(下写真)に魅了され、
引き続き同氏の『昭和陸軍の研究』、の2冊を買い、現在巻の中ほどまで読み進んだところで、この本は『昭和史の研究』の行間を埋める内容を含んでいて、とても有難い本であった。先日、『昭和史の研究』を私に薦めて下さった方から再度メールをいただき、下写真の2冊の本を購入したが、これも、途中までしか読んでいないが、暇を見つけては読むのを楽しみにしていた。
『失敗の本質』の著者の一人は戸部良一氏であるので、今回の文藝春秋の対談の5氏のうち保坂正康氏と戸部良一氏の2人については、すでに、著書を通じて知っていたわけである。しかし、残る3氏については、この対談で初めて知ったのであった。この対談は、昭和の陸軍について、5氏がそれぞれの立場から論じているが、私にとって、とても勉強になった。保坂正康氏の『昭和史の研究』と同じ方向の結論になっていたが、それぞれ微妙なニューアンスの差があり、それがまた面白かった。半藤一利氏が極めて昭和の陸軍に詳しいのに感銘を受け、早速同氏の書いた本を5冊購入した(下写真)。
福田和也氏(文藝評論家・慶應義塾大学教授)と黒野耐氏(元陸将補・武蔵野学院大学講師)の著書もとりあえず書店にあったものを購入した。
私は、また、大きな宝物を手にした気分になり、今後、暇を見つけては読むのが楽しみになった。
ところで、この51ページの対談は、私は夢中で、2回繰り返し読み、引き続き、あと一回読む予定である。