思うこと 第210話             2007年5月15日        

ALSの苦難を乗り越えて生きる木脇さんに感動


 ALS(筋萎縮性側索硬化症)を患っている木脇正敏さんから1枚の写真(下)が届いた。

実は、この写真は、去る4月5日に、木脇さん(車椅子の方)が付き添いの方々と一緒に三宅美術館での私の『第2回納光弘展』に駆けつけてくださった時の記念撮影で、木脇さんのカメラで撮影していただいたものである。木脇さんは、私の絵の中で、特にこの朱で描いた桜島を評価してくださって、その前での撮影となった。かねて、私は、木脇さんがALSの身体的な苦難を乗り越えてすばらしい絵を幾つも完成させている姿に感動し、かって、『5人の轍展』の紹介の中でも触れたが、この機会に改めてホームページで紹介したいと思い、その許可を得て、私の写真機でも同じ構図の写真を撮ったのであるが、大変なミスで、フィルムが装填されてなかったことに後で気付いて、取り返しのつかない事態となっていたのであった。その後、木脇さんにこの大失敗の事をお話したところ、木脇さんが撮ってくださっていた写真のコピーを私に送ってくださった、という次第である。さて、この時に木脇さんからいただいた本が下に示す『絵心にささえられて』である。

この本は南日本新聞開発センターから出されたもので、木脇さんのALS闘病記で、私は木脇さんが手足の不自由さを乗り越えて、情熱を絵にぶつけ、感動的なすばらしい作品を仕上げていった過程に、魂を揺さぶられる思いであった。
当初は手で絵筆を持てたが、次第に、手の力が衰え持つことが不可能になってからは、足で描いている。この本にその写真があり、木脇さんのご許可を得たので、ここにその写真を紹介する。

皆さんにはぜひ、この本を買ってお読みいただくことをお薦めする。
私は、この本を読んで、“木脇さんを見習って、もっともっと頑張らなければいけない”ことを自分自身に言い聞かせたのであった。