魔女界にプロ野球チームを作ろう!!
第35話「こがねのトライアウト!」
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ハナ「小さな黄色のドラゴンのことを知らない?この間看病していたら、匠…匠ってうわごとを繰り返していたからハナちゃんは君を呼んだんだよ」
匠「もしかして、薫のことか?知っているよ。中学時代ミーナと出会う少し前に飼っていたペット。ミーナと出会う3日前に忽然と姿を消したんや」
ミーナ「引き取ってあげない?うちのアパートはペットOKだしね」
ハナ「ありがとう。薫のことよろしくお願いします!」
そして、匠は薫をアパートに連れて帰った。大家さんに許可を貰い、薫は再び匠のペットになった。ところが、その夜その大家さんの部屋が火事になった。大家さんは寝ていた為に逃げ遅れて亡くなった。耐火金庫には1000万近くが入っていて、さらに匠一家宛ての手紙が入っていた。
手紙の本文…。

『この手紙をあなた達が読む時には何かがあってこの世にいないでしょう。あなた達一家にこのお金とこのアパートの大家になることを認めましょう。』

ミーナ「ふうん、ありがたいわ。匠は記者を辞めて収入が無かったから助かるわね」
匠「そうだな…大家さん、すいませんありがとうございます本当に」

金庫のお金で部屋を作り直して、大家を始めた。PRなどで部屋は満室なった。

***

薫「お兄ちゃん、お兄ちゃん。匠お兄ちゃんてば」
匠「薫、なんや。わしは忙しいんや。後にしてくれって」
ミーナ「こいつはかなりの甘えん坊。美菜でさえもこんなに甘えないわよ」
匠「だから相手するのが大変なんよ、こいつは。暴力的なことや喧嘩は大嫌い。この間一緒にボクシングの中継見ていたら、こいつ急に泣き始めて大変やった」
ミーナ「東京ドームでおんぷがコンサートやるって手紙にチケットが同封されていたわ。午後6時から2時間コンサートするんだって」
匠「いいか、薫はぬいぐるみのふりしていろ。美菜しっかり持って離すんじゃないよ。ええな」
美菜「は〜い。お父さん」

おんぷの楽屋(ブルペンに急造)を訪れた。
匠「じゃあ、コンサート頑張って」
おんぷ「言われなくてもわかっていますよ。匠さんが私の大ファンだということもね!」
匠「ミーナ!!お前言ったのか、瀬川によ…」
ミーナ「あら悪かった?私は匠の意外な一面を教えただけ」
おんぷ「アハハハ。2人って本当に仲が良いのね」
美菜「ねえお父さんにお母さん、お話まだするの?コンサート始まっちゃう」
薫「そうよ。なんの為に来たのかわからないわ」
匠「じゃあまた後でね、瀬川」

コンサートの演出は匠が考えた。実はこのコンサート、ホールベースにマイクを置くという変わったコンサートだった。外野席にお客さんやファンが入り、外野のヒットゾーンに自由席がある。その演出とは曲と曲との間に行われた。マウンドにバッティングセンターに置かれているマシンが置かれた。おんぷはインカムマイクを付けた。
おんぷ「私のサインボールをこれから皆さんのスタンドに運びます!グラブを持ってスタンバイして下さい。10球しか無いので、頑張って取って下さいね。では行きますよー!」
一応キャッチャーがいるが、全てミットにボールは入った。
匠「空振りばっかりしてからに。ミーナ…あれ?」
自然と匠はグランドに目を移す。そこにミーナはいた。
ミーナ「おんぷちゃん、素人が東京ドームのスタンドに運ぼうなんて無理よ。私が代打でやるわ。日本のことわざにあるじゃない。もちはもち屋って」
ミーナ「私は元プロ野球選手のミーナといいます。おんぷちゃんの代打で私が打ちます!少しだけよろしくお願いします!!」
果たして、その通りだった。ミーナは予告通りに東京ドームのスタンドにホームランを連発した。
このファンサービスは大好評で、次のナゴヤドームコンサートでも行うという。まさに全てを変える男、匠だった。


−次回予告−
おんぷ「ミーナさんコンサートの演出ありがとうございました。おかげで大好評を得ました」
ミーナ「別に良いわよ。でも、『現役の時にそのぐらい打てって』いう野次にはへこんだけど」
どれみ「次回、魔女野球『大家の仕事は大忙し!!』心の直球あなたに届け」

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