魔女界にプロ野球チームを作ろう!!
第35話「こがねのトライアウト!」
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 トライアウト。それは元プロ野球選手たちがプロ野球の世界を諦められずに受ける12球団共通の入団テストのことである。こがねは再び球界復帰を考えた。そして、マシン打撃に守備練習で実力を見られる。そして…こがねは西武に契約して入団。
匠「うっわー!こがねやつ、裏切りやがって」
ミーナ「本当に匠は素直じゃないんだから。こがねが復帰してものすごい嬉しいくせに」
匠「やかましい!わしは西武が嫌いなだけなんや」
ミーナ「やきもち焼いてんの?」
匠「ち、違うわい。どうせならカープに入団して欲しかったなあ…」
ミーナ「それが本音なの?でも、こがねは野球を諦めかけたよね。門田さんみたいにもう一花咲かせる気持ちよ」

***

こがねにはどれみが魔女界で言われた言葉が残っていた。
どれみ「こがねちゃん、少し病気になったぐらいで魔女界に帰るんだ。家族や君を快く送り出した魔女界のみんなは今帰ったら、どう思うのよ!」
こがねは無言でただ俯いたままだった。
匠「南井選手はまだ若いのだから、テスト受けてみたら?救済措置みたいにトライアウトという敗者復活のテストがあるんや。ちなみに12球団共通や」
ということだ。

しかし3年近く打撃をしていないのに、上手く行くはずは無かった。1ヶ月間も魔女学校のグランドで練習した。しかし、かつてこがねはイジメられていた。だから当然のことながら、周囲は冷ややかだった。さらに、ある日こと野球道具(現役当時に職人さんが作った、世界に数本しかないこがねモデルのバットが折られていた。こがねは人間界の匠のもとに向かった。こがねは野球で熱くなれるのは彼しかいないと考えたのだ。話を聞いた匠は当然激怒した。
匠「わしを校長の所へ連れて行け。それが魔女界の教育方針なんやろう!!」
ミーナ「現役の頃ピッチャーだったあたしだってバットは大切に扱ったし、安打製造機と呼ばれたこがねにとってバットは腕と一緒。腕を折られた様なものよ。絶対許さない…」
ミーナはかなり憤っていた。ホエールズOBとして、野球選手としての怒りを感じさせたかった。魔女学校の講堂にマイクを通した匠の怒鳴り声が響く。
匠「ここからは真剣に考えていただきたい!!あんたらは人権教育されていないんか!マジョビートにとってバットやグラブは腕や足に等しいんや!」
匠は考えずに怒鳴ったが為に、マイクを壊しかけてしまった。そして、折られてしまったバットの両手に匠は持っていた。
匠「イジメの光景をほったらかしにするのも立派なイジメじゃ!先生らも例外では無いんよ。こういうことは。わしの通った高校は缶ジュースを買いに行かせるだけで停学っていう校則もあったんよね。人権教育を人間界はきちんとしているんや!しっかり考えて行動せい、貴様らそれでも大人か」
1時間ほど講演しただろうか。やっと匠たちは生徒を解放した。

その後、ハナから呼び出しを食らったので、匠は魔女界の王宮に向かった。

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