魔女界にプロ野球チームを作ろう!!
第34話「どれみの卒業式で大騒動!!」
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(前話・回想の続き)
それで、ミーナはこの広島に住むはめになった。広島の住居探しから始まった。家賃が払えないので公立高校の定時制に通うことになった。匠の父親が学校の手続きを取った。ミーナのアパートは匠の家からほど近かった。匠は中学の帰りに寄り道することもあった。ミーナのバイト(新聞配達)が無い時は家にいたりした。
日本の中学は春休みの期間。ミーナと匠は刑務所に面会に行った。偶然中に入ると刑務所の昼休みの時間だった。ミーナたちは作業煉に案内された。そこで見たのは受刑者たちの公正プログラムだった。
竜平「ここに置いてあるタンスは今年の秋にある広島刑務所祭りで販売されるんだ。ちなみに日本の大学の入試問題もこの中で印刷されるそうだ」
そう言う竜平さんは誇らしげだ。笑顔さえも見えた。竜平さんは作業班長を任されたが、まとめるに苦労したという。幸いアメリカで所属していた大学がマサチューセッツ工科大学院だと言ったら、次々と若い受刑者はついて来た。そうこうしているうちに面会時間は終了してしまった。
竜平「今年の刑務所祭りには2人で遊びに来てくれ。オレはどこかの出店で係員でもやっているからな…頼むぞ。匠さんミーナに何かあったら、オレの代わりに守ってくれよ」
そう言って竜平さんは歩き去って行ったのだった。
そして匠とミーナは交際を重ねてご存じの通り、今は夫婦円満で1人娘もいる。
と、いうことだ。

***

どれみ「広島刑務所祭りには行ったんですか?」
匠「もちろん。約束したからね。で竜平さんはいなかった」
ミーナ「その日のパパは運悪くて風邪で寝込んでいたのよ。でも、パパの作ったタンスを値切って購入したわね。パパが知ったら怒るでしょうね」
と言ってミーナは笑った。
匠「竜平さんは少し真面目な感じがあるな。けど、優しい人だとわしは思う。犯罪者が凶悪だというけれど、全てがそうじゃ無い。中には気の迷いや麻薬で殺人を犯した人もいる。でもとても殺人を犯す人に思えないぐらい優しい男の人だったよ。彼はオカルトな宗教に入っていたらしく、その教祖の教えで殺人を犯したらしい。ものすごくその人は反省していたよ」
ミーナ「休憩時間は終わり。さあ、勉強して良い点を取らないとね」

そして…美空高校の試験が行われた。果たして勉強の成果は現れたのか。保護者らの話によれば、単位をうまく取って卒業したそうだ。

美空高校の卒業式は厳かに行われた。卒業生代表にどれみは抜擢され、大舞台でミス無くスピーチをした。しかし、そこには匠の姿は無かった。匠は同じ日、美空市民病院でガン摘出手術を受けていたのである。執刀医の都合でかなり手術が遅れたが、なんとか末期ガンになる前に手術は行われた。
手術は無事に成功して、即日退院となった。
匠はどれみたちの卒業式の2次会に招待された。そのパーティーにはハナや魔女界の面々が人間の格好をして来ていた。かなり賑やかなパーティーになった。ホエールズの大空スタジアムの改正案が匠のもとに提出されたのだった。ファンの立場から見て欲しいとその魔女は匠に渡したらしい。
匠「外野席の全面天然芝案…これはいけると思います。こちら側からの提案はメジャースタジアム宣言です。全てをアメリカンにするんですよ。内野天然芝を植えて、DJさんがアナウンスする。かつてオリックスが実際に行って大成功を収めたんです」

果たして球場の改正案に匠の意見は盛り込まれるのか。

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