魔女界にプロ野球チームを作ろう!!
第32話「みろくの里!懐かしの昭和30年代」

広島県福山市にあるテーマパークみろくの里。ジェットコースターから巨大迷路まで、各世代が楽しめるテーマパークである。数年前そこにいつか来た道というアトラクションが完成した。どれみ達は今まさにその入口付近に立っていた。
どれみ「ここが匠さんオススメのアトラクションか…。どこか風情を感じる看板が立っているな」
かよこ「どれみちゃん、こっちに学校と郵便局が再現されているよ。実際に週末は手紙を書いたのを送ってくれるらしいよ」
どれみ「写真付きハガキは昔の白黒フィルムみたいだね。此処だけの限定品みたいな感じがする」
???「どれみちゃんにかよちゃん、久しぶりやな」
どれみ「あいちゃん久しぶり」
かよこ「妹尾さん…わかった!修学旅行先は倉敷の美観地区ね」
あいこ「その通り、最終目的地は倉敷の美観地区や。今日が1日目で倉敷は最終日や」
どれみ「その制服はPL学園ね。野球名門校の。暁君たちも同じ学校のはずだけど…」
あいこ「おらへん。あいつらは高校2年で中退して、ライオンズのテストを受けて合格したねん。あの4人が抜けてからはPL学園は弱くなってまった」
かよこ「と、いうことはその暁君たちは1年生レギュラーで夏の甲子園に出場したってこと?凄いわね。PL学園って名門校で確か、桑田選手や清原選手がOBのはずよ」
あいこ「かよちゃんえらい詳しいな。なんでや?」
かよこ「お父さんが高校野球ファンで夏休みのお昼は毎日甲子園の中継。だから自然と覚えてしまったのよ。甲子園のアルプススタンドの乱れないプラカードを使った応援は凄く綺麗で見とれてしまったこともあったわ」
あいこ「その下でうちら生徒は暑い思いして息を吐きながらやっているんや。この間は野球部の1年生の補欠が上級生の補欠に出すタイミングを間違えて殴られたとかそうでないとかやった」
どれみ「あいちゃんはやっぱり、PL学園女子バスケ部の寮通いなの?」
あいこ「そや。久しぶりに会ったんや、中をうちと一緒回ろう。うちの学校は自由時間は個人行動して良いって言われている。ほな、一緒に回ろうや」

 建物の中に入るとそこには学校の教室が再現されていた。そこの黒板にはいろんな悪戯書きがされてあり、とても汚かった。奥はその当時の暮らしが再現されている。テレビニュース映像のアナウンサーの言いまわしはとてもどれみたちには聞き取りづらかった。お年寄りはとても懐かしそうに聞き入っていた。
どれみ「次に行こうよ、全然意味がわからないよ」
 一部が外にあるアトラクション。外にはマツダのオート三輪車が置いてあった。
あいこ「これが三輪トラックか。お父ちゃんやおじいちゃんが昔はよく走っていたと言うとったな」
続いて、どれみはおかしなバスの映像を見ていた。それはあいこも聞いたことが無い代物だった。そこに担任の先生が声をかけた。
桜田「これはトロリーバスといって、電気で走るバスだよ。昭和40年代ぐらいに東京や大阪をはじめとして、名古屋、神戸、札幌を走っていたんだ」
かよこ「電気で走るなんて…。現在ハイブリッドカーが注目されているから…考えてみると地球に優しい乗り物ですね。今こそ必要な感じがしますよ。先生」
桜田「なんで人間は豊かになると置いて行く物がたくさんあるんだろう。便利な物に頼り過ぎている感じがするよ」
その言葉からどれみは自然に桜田先生の寂しさを感じ取ったのだった。
どれみ「トロリーバスが復活したら、高架橋すれば良いと思うよ。そうしたら渋滞に巻き込まれたりしない」
かよこ「どれみちゃんはなかなか面白いことを考えつくね。まるで新交通システムみたいだね」
あいこ「寮に帰ったら、電話で親に聞いてみようと」

 メインフロアはまさしく、昭和30年代の町並みを再現している。人工的に夕暮れと昼間や夜を再現している照明があったり、キャバレーが実は電車型展望台の入口だったりと遊び心万歳のフロアとなっている。
かよこ「どれみちゃん、この掲示板には石原裕次郎さんの映画ポスターが貼ってある。かなり古いって感じるわ」
どれみ「こっちには初代ガメラの宣伝ポスターが全て貼ってあるよ」
場内アナウンス「PL学園高校の妹尾さん、大至急メインゲートにお越し下さい。出発の時間でございます」
あいこ「あかん!つい遅れた。どれみちゃん、かよちゃんバイバーイ」
あいこは顔を恥ずかしさで顔を真っ赤にしながら、ダッシュでメインゲートへ向かった。

***

 美空市民病院の匠の部屋にはおんぷがいた。現在、人生ゲームをミーナたち4人で遊んでいる所だった。
おんぷ「今頃、どれみちゃんは修学旅行で遊んでいる頃だよね。広島には遊園地は無いはずだけど」
匠「何言ってる。福山市にまだ遊園地は存在しているよ。小学生の時に親戚と行ったことがある」

***

 どれみは福山駅に向かうバスの中で酔っていた。
かよこ「先生!春風さんが酔いました」
そして、バスは福山駅に到着した。新幹線で東京へさらにそこから美空線で美空駅に到着、解散となった。


−次回予告−
どれみ「楽しい修学旅行も終わって、いよいよ学年末試験に突入」
かよこ「どれみちゃん…明るく言ってる場合?どれみちゃんは頑張らないと留年して、私とお別れになってしまうわ」
どれみ「次回、魔女野球『どれみの試練は野球の応援より難しい?』心の直球あなたに届け」

リストに戻る