魔女界にプロ野球チームを作ろう!!
第31話「ハナちゃん6歳。小さな女王奮戦記」

 魔女界は平和だった。だが1匹のドラゴンにより平和は乱されることになる。ハナは泥だらけのドラゴンを拾って帰った。浴場で体についた泥を丁寧に落としてあげた。
???「私は誰?ここは何処なの。記憶が無いわ…」
ハナ「どれみが前に言っていた、記憶喪失かな?ハナちゃんが名前つけてあげるよ。えーと、薫で良いかな」
???「薫…。良い名前ね。しばらくの間、よろしくお願いします。ハナさん」
ハナ「薫、よろしくね!しばらくはこのマジョリーがお世話するからね。マジョリー、薫をよろしくね!」
マジョリー「このたび、薫さんの世話役のマジョリーです。希望があればなんでも申しつけを」
薫「よろしく。昨日から何も食べていないので…食べ物を何かくれませんか?」
マジョリー「わかりました。給仕に何か持って来させましょう。それに敬語じゃなくて良いです。もう一つ、私にご用のさいはそこのテーブルの上にある電話を使って下さい。私のもとへ直通の電話です」
ノックの音と一緒に給仕の魔女が入って来た。
給仕魔女「もうすぐ御夕食ですので、お菓子でも摘んでいて下さい。では後ほど」
と言って部屋を出て行った。マジョリーも続けて部屋を出て行った。広い客室に薫は独りぼっちになった。

***

人間界・広島市
どれみたちは修学旅行を楽しんでいた。どれみたちにとっては2回目の広島である。宮島が中心的なこの旅行…。どれみはやはり、鹿に追いかけまわされているのだった。
どれみ「うわー!誰か助けてーー!」
かよこ「どれみちゃん、餌を捨てた方が良いよ!」
どれみ「そんなこと言ったってー!」
その時、木刀が鹿に当たった。
鹿「ギャイン!」
鹿は鳴き声を残して引き返して行った。
???「春風さん、大丈夫?」
どれみ「岡島君…。ありがとう、助けてくれて」
小太郎「店に木刀を売っていたので、なんとかな」
店主「毎度」
小太郎「えっ何ですか?」
店主「木刀1本、850円です」
小太郎「いや、僕は鹿に襲われたのを救うつもりで使いましたから、別に買うつもりは…まあ良いです買いましょう」
 ちなみに、どれみを襲った鹿には珍しく角が生えていた。宮島の原生林から来た野生の鹿だろう

***

魔女界王宮は夕食の時間になった。ハナはいきなり、薫に抱きついた。
ハナ「薫と一緒だとママに会いたい気持ちが抑えられる。そんな力を持っているのに…」
薫「う”頭が痛い…割れる様に痛み始めた…。すまないが食欲が無くなってきた…。寝かせて」
マジョリーによって客室のベッドに運ばれた。そして薫は死んだ様に2日間も眠った。
ゆき「あの薫というドラゴン、恐らくは世界全てを滅ぼす強大な力を持っているに違いありません。それ故に記憶と魔力を封印されたのでしょう。思い出しかけると頭痛や吐き気がする呪いもかけてありますね。マジョリン、しばらく注意して薫を見る様にそれとしばらくは入国検査を厳しくする様に伝えなさい」
マジョリン「わかりました。仰せの通りに致します。全ての扉の管理体制を厳しく致します」
薫とハナは一緒に遊んでいた。人間界から色々な玩具が入って来たりしている。さらに人間界から電気が通って来る様になった。今までは蝋燭の光に頼っていた…のだが、必要無くなった。魔女界は少しずつだが、確実に発展していた。


−次回予告−
どれみ「私たちは修学旅行で広島県福山市にいます。次回魔女野球『みろくの里!懐かしの昭和30年の世界』心の直球あなたに届け」

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