魔女界にプロ野球チームを作ろう!!
第26話「後援会設立!?ハナちゃんドタバタ劇」

 元老院定例議会。魔女教育長のマジョサリバンが言った。 マジョサリバン「ホエールズによる出費や2年前の震災などで、我が国の予算は火の車です。ホエールズに対して援助を打ち切りましょう」
ハナ「ちょっと待って!人間界と交流がホエールズによって回復しつつあるのに、ファンだってわかってくれたのに何で潰すの!おかしいよ!絶対におかしい」
ハナのこの発言により、議会は散会になった。

マジョリン「仕方ないことですよ。予算が火の車なのですから」
ハナ「私、トイレに行って来る」
そう言ってハナは部屋の外に出た。

しかし、15分経っても戻って来ない。マジョリンは側近魔女を全員集めて探し始めた。そう、言うまでもなくハナは城を抜け出したのである。
マジョリン「これは!これまでは空井戸と思っていた。こんな所に人間界への扉を作っていたとは」
ハナは美空市を歩いていた。久しぶりのハナにとっての人間界である。ハナの足はMAHO堂に向かう。
魔女界。
ゆき「またやられましたね。すぐに人間界を探しなさい!」
マジョリン「わかりました」

***

人間界同時刻。MAHO堂前にハナはいた。
ハナ「あ、どれみたちが中にいる!入ってみよっと」
中でははづきに続いてのカレン生、伊集院さちこの入団式が行われていた。外からさちこの姿を補足したハナは自然と駆け出した。ふと自分の姿が12歳の姿であることに気づいた。魔女界からゆきが魔法を使ったのである。
ハナ「さっちゃーん!覚えてる?ハナだよー!」
さちこ「えっ、海外に行ったあなたが何でいるのよ」
匠「ありゃ、ハナかいな。いつの間に来たんや、魔女界からはるばると」
さちこ「ハナちゃんって魔女なの?知らなかったわ」
どれみ「魔女界のトップクラスなのよ、ハナちゃんは」
さちこ「そうなんだ、知らなかった」
ハナ「感動に浸っている場合じゃない。ホエールズが潰れちゃうの!どれみ、どうしよう」
匠「なんやて!ホエールズが潰れる!?ミーナに連絡せんといかん」
と言って匠はミーナに連絡して、美菜を連れて来るように指示して、粉ミルクなどを準備し、キャンプで使うテントを用意した。ハナの指示に従い魔女界の扉をくぐり抜け、元老院議会場前にテントを組み立て、座り込みを開始した

***

座り込みメンバー
春風どれみ
瀬川おんぷ
藤原はづき
妹尾あいこ
伊集院さちこ
ミーナ
ハナ
そして、匠である。意表をつく人間の行動に魔女たちはたじろく。横断幕にはマジョリカに書いてもらった魔女文字で
『ホエールズの解散許すな!立ち上がれ、若き魔女たちよ』
と書いてある。
最初は黙っていた若い魔女たちも一人また一人と、匠たちの行動に参加した。
ミーナ「なんか、戦後の日本人みたいだね。パパも言っていたわ。戦後の民衆は貧しくても元気で、たくましくて、力強かったってね」
匠「人間界の抗議行動が魔女の年寄りに効くかな?少し心配だ」
ハナ「私がいるからきっとみんなはついて来るよ!さっちゃん、そうよね」
さちこ「女王について来ない国民がいるわけないよ。おかしいのはあの中にいる連中だけ」

 魔女界のレストランから、料理が届いた。激励の添え書きがあったが、読めない。
ハナ「座り込み頑張れって書いてある。料理長さんありがとう!」
座り込みも3日を突入。長老魔女たちも本気で考え始める。匠たちは勢いよく雪崩れ込んだ。人数は50人ぐらいに膨れ上がり、口々に言う。
「いい加減にしろ!魔女界のホエールズを潰すな」
「お金なら出しますから、経済の元を断つな」
だんだん脅しに近づく。
マジョサリバン「わかりました。検討し直しますから、退室願います」

***

数週間後、ホエールズの解散は白紙に戻った。匠たちの座り込みの効力があったのかはわからない。
ミーナ「やっと家に帰れた。疲れたわ、本当」
匠「選手たちは助かったんだ。ミーナ、お前の元同僚や後輩は助かったんだ。素直に喜べは良いじゃないか」
市民球団太陽ホエールズは、新たなる一歩を踏み出したのだった。

 魔女界の経済の中心や大衆娯楽の中心になっているのが野球だ。観光や産業も目立つ所は無く、道路すら舗装されていない。魔女を題材にした遊園地を作ろうとしたが、失敗。野球が全て支えた。創世記はパ・リーグからいじめにあったが耐えた。特に近鉄や西武などの鉄道関係からは粘っこく罵声を浴びた。再々ピン チになったが、人間界の野球ファンからの熱い応援。球団公式ホームページ掲示板への励ましの書き込みが増えた。応援団の誕生や魔女界へ樽募金での援助をした


−次回予告−
纏「ドラフトでここに指名された時は驚いた。昔は女というだけでスカウトが帰った」
藍蓮「擬宝珠さん、魔女界のドラフトは少し早いんですよ」
どれみ「次回、魔女野球。『個性派色々魔女界のドラフト会議』心の直球あなたに届け」
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