魔女界にプロ野球チームを作ろう!!
第24話「森野かれん入団。芸能人団員2人目」

 引退試合。それは誰もが経験する寂しい話だ。その時にたまたま入った応援団員はどう思うのか。この話はこの2つを追って行く。

『南井こがね、引退へ』
『魔女界の赤ゴジラついに限界』
という見出しが踊るスポーツ紙。魔女界と交流が盛んになって、こがねは球界の人気者になりオールスターに外野手部門で出場したこともあった。そんな人気選手が突然の引退を発表したのである。
こがねの引退理由は右手の感覚神経麻痺であった。 麻痺のレベルは低く、薬を飲めば助かる。したがって、物を書いたり箸を持ったりは可能である。しかしこれ以上の激しい運動をする事は無理である。マジョハートから、診療所に呼び出されかと思うと、人間界から贈られたレントゲン写真を見せられた。
マジョハート「マジョビートよ。悲しいことだが、野球をもうするな。この写真を見ると、感覚神経が途中で断絶している。今のところは自覚症状はないが、いつか麻痺が起こるかもしれない。つらいことだが、わかってくれないか」
こがねは野球人生の終わりを感じた。

***

今日は引退試合である。千葉ロッテが相手だった。相手投手は小野。今のところ、負けなしの5連勝を達成していた。そうとも知らないかれんは球場にやって来た。
おんぷ「こがねちゃんはよく頑張ったわね。バットマンとして最高の成績を納めてから、バットを置くのね…」
どれみ「そうね。プロ野球選手が友達で少し、鼻が高かったっけ。入団から引退って、あっという間なのね」
こがねは引退試合で3番右翼で先発出場で、三遊間を抜けるヒットで現役を終えた。
引退セレモニーのスピーチで、こがねは…
こがね「私の野球人生は、たくさんのファンや コーチさん囲まれた最高の物でした。挫説しかけた時に一番支えてくれのはあなたたちファンのおかげです。短い野球人生でありましたが、皆さんご声援ありがとうございました。 私の野球人生は今日で終わりですが、これからは二軍打撃コーチとして頑張っていくので、これからもよろしくお願いします!南井こがねでした!!皆さんどうもありがとうございます!!」
チームメイトに胴上げされる時には空から雨粒が落ちて来ていた。
かれん「神様が泣いている。野球の神様がこがね選手の引退を拒んでいる…」
どれみ「そうだね。天気予報では今日の夜からの予報だったのにね」
若い魔女を中心に声が上がった。
「マジョビート、感動をありがとう!」
「あなたのおかげで魔女界は元気になったよ。一つになったよ!みんな、お前に励まされたんだ」
「こがねちゃん、寂しいよー!これからホエールズは誰が引っ張って行くんだ」
「ありがとう」
その言葉は、スタジアムの照明が消えるまで続いた。

ロッカールーム。
纏「引退か。こがねは早かったな。まあ右手が麻痺したんじゃあ仕方ないか」
ニーナ「3番は私が引き継ぎます。打撃コーチとして私を見て下さい。キューバの両親を安心させたいんです。お願いします!」
剣「後輩に打撃を教えてもらうなんて、なんだか変な感じがするな」
ミーナ「スタンドの匠は今頃、泣いているだろうな。好きな選手の引退になると弱いの、あの人」
かれん「副団長さん大丈夫ですか?顔が凄いですよ」
おんぷ「はい、ティッシュ。もうっ!みっともない。私の服を汚さないでよ」
かれん「引退…。素晴らしい選手だったんですね、こがね選手は」
どれみ「打ったヒットは通算500本。本塁打150本。投手時代の最高防御率1.25よ。かなり良い成績かな。スコアだけを見ると」
ももこ「あと50本ぐらいはホームラン打って欲しかった。そうすると200本だったのに1000本安打達成も夢に終わったわね」
どれみ「そうだね、ももちゃん。少し寂しくなるね」
どれみ(どうして悩んでいたんだろう。魔女界に行って聞いてみよう)


−次回予告−
かれん「こがね選手は引退してしまったけど、ホエールズは今日も元気です」
おんぷ「次からはニーナ選手が活躍するのよね」
ももこ「次回、魔女野球『ニーナの家庭は子だくさん!』心の直球あなたに届い て」

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