魔女界にプロ野球チームを作ろう!!
第21話「俺流中日に負けるな新外国人選手登場!」

東尾監督「一軍選手集合!今日から、チームメイトとなるキューバのモロ・ニーナとメキシコと中国のハーフである張藍蓮(チャン・アイレン)だ。仲良くする様に。以上!」

ホエールズ練習場にニーナとアイレンは選手と共に移動。ニーナは外野が守れる選手で、アイレンは投手である。選手会長は瞳から纏に変わっていた。
纏「アイレン!ブルペンに行くぞ」
アイレン「はい。わかりました」
纏「お前、日本語を話せるのか。びっくりしたよ」
ブルペンの打席にはこがねが立つ。アイレンの投球。そのボールはユニフォームをかすめた。
こがね「うわっ!殺人的なコントロール。怖いわ、よくこれでメキシカンリーグで投げられたわね」
纏「速い球を投げればいいっていう物じゃあないぞ」
瞳「眼鏡屋に連れて行けば良いと思う。きっとぴったりのコンタクトを作ってくれるからさ」
と言う訳で、纏はアイレンを眼鏡屋に連れて行った。こがねも動向して、練習場近くの眼鏡屋に行った。
店主「うーん、かなりの乱視と近視か。酷すぎる。よくこんなんで野球出来たよ全く」
そして、かなり度が強いコンタクトが仕上がった。
アイレン「うわあ、物凄く良く見えるわね」
こがね「ブルペンに行って、また投げてみようよ」
再び練習場内のブルペン。瞳はミットを構え、こがねが打席に立つ。
こがね「す、すごいわ…。こんな豪速球見たことことがないわ」
東尾「まるで映画『メジャーリーグ』みたいな投手だな。僕はこれからのアイレンが楽しみだ。しっかり練習したまえ」こがね「明日の紅白戦に、あの長嶋さんが来るという噂があるわ。私たちみんな赤軍だし、長嶋さんに良いところを見せようよ」

***

 次の日、宜野湾市民球場で紅白戦が行われた。ホエールズファン、魔女に長嶋さんのファンで球場はごった返す。
長嶋「ホエールズのキャンプ視察は初めてだよ、東尾君。このチームの売りはなんだい?」
東尾「それは、やはり剣でしょうな。シドニー五輪で銀メダルを取っていますから」
長嶋「今日の頭(先発)は聞いたことがない選手だね。チャン・アイレン。どんなボールを投げるのやら…」
紅白戦が始まった。結局は赤軍が勝ったが、長嶋さんは満足したのか、アイレンの方に近寄った。 長嶋「アイレン君。もう少し、軸足を考えて投げてみると良い。しっかりした軸足があると、もっと速い球が投げられるはずだ。その辺りを注意して次回は投げてみよう」
アイレン「ありがとうございます!」
そしてアイレンは…
(これが日本の名監督、長嶋茂雄さんか言うことが違うな)と思った。

もう一つのキャンプ地のハワイにはミーナと匠、そしておんぷとどれみがいた。
ミーナ「君たち、どう?私の秘密の砂浜は」
どれみ「最高っス!誰もいないし、のびのびと泳げるし」
おんぷ「ハワイに足を伸ばしたけどマスコミがわからない場所だから、私も泳ごうっと!」
そのミーナのいう“砂浜“とは、切り出した崖下にわずかにある砂浜だった。
匠「ボードでしか近寄ることが出来ないというのが難点やけどな」
バーベキューコンロで肉や野菜類を焼いた。日系町なので、ご飯もある。ミーナは紙皿に肉と野菜を装う。深めの紙皿にはご飯を入れた。どれも上手い具合に焼けていた。
ミーナ「たくさん泳いだから、美味しいでしょう。たくさんあるから食べてね」
日が沈むに連れてバーベキューはお開きとなった。後片づけは時間がかからなかった。紙製品が多かったのと、残飯が少なかったからだ。海水浴というより、キャンプに近い。春の球団キャンプに参加しなかったミーナは別のキャンプで春を過ごした。
ミーナと匠は同じテントに、どれみとおんぷは2人でテントに入った。
おんぷ「楽しかった。おかげでしっかり休めるわ。ミーナさんって楽しい人よ。歌で負けたのは悔しいけど、優しいし私、少し憧れちゃう」
どれみ「私たちも見習う所はたくさんあるわ。両親がいないで、一人で頑張った所とか…」
おんぷ「……zzz」
おんぷはすでに軽い寝息をたてていた。
どれみ「疲れたのかな。おやすみ、おんぷちゃん」
ハワイの夜は深くなって行った。


−次回予告−
どれみ「ついに、新しいペナントが開幕したわ」
おんぷ「開幕は大阪ドーム!」
あいこ「ちょいと待った!うちがホエールズ応募団関西支部局長や。次回魔女野球、『あいこの応援魂』心の直球あなたに届き」

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