魔女界にプロ野球チームを作ろう!!
第20話「ハラハラドキドキ、ハナちゃん皇居パーティー」

 人間界と魔女界との交流が、大きく躍進していた。プロ野球チーム・太陽ホエールズの設立から5年以上がたち、人間がよく出入りする様になった魔女界。今日、歴史的瞬間が訪れ様としていた。この夜に行われる晩餐会。それに一つの国として、ハナが招待されたのである。

 沖縄・宜野湾市内のホテル。太陽ホエールズのナインたちは春季キャンプを行っていた。
こがね「フリー打撃は調子いいわ。擬宝珠さんが打撃投手をやったけど、肩が出来ていなかったのかな?お構いなしに打ったけど、自分の投球内容はどうでしたか?」
纏「最悪。居残ってブルペンでしばらく泣けるわ。今季やっていけないよ、若獅子野球復活が期待されているから…。東尾さんに監督が変わって。あたしらベテランがクビになるかも…」
剣「先輩、大丈夫ですよ。エースのクビを切るチームがどこにあるんですか」
瞳「皇居で晩餐会があるらしい。ハナ女王が参加する。夜のテレビは全て、特別番組に変わるって噂が流れている。女王の初めての国務行為になるな」
こがね「そうなんですか。全て、特別番組になるなんて。魔女界も認められたのかな」
纏「剣、本署からで晩餐会の警護に参加せよと」
剣「マジで?ちょっと勘弁してよ。キャンプの途中なのに」 こがね「仕方ないですよ、本業は婦警さんなんですから」
 纏と剣は婦警の仕事の為、本土に戻ることになった。そして、匠は取材の為に永田町の報道センターにいた。おんぷは汐留のテレビ局で休息を取っていた。

***

皇居前
匠「おっ、日本政府の公用車だ。これから迎えに行く所か」
後輩「先輩、今回の晩餐会は無事に終了するかな?最近、過激派からテロ予告がありましたから…」
匠「これだけの報道を前にする奴がバカだ。大丈夫だって」
おんぷの楽屋。
おんぷ「次の仕事まで、かなり時間があるわね。テレビつけてみますか」
おんぷの母・美穂はテレビを電源を入れた。
テレビからは女子アナウンサーの声が流れてきた。
「皇居前です。ご覧の様にたくさんの報道関係者が詰め駆けています。もう、秋篠宮さまは会場入りされ、皇太子ご夫妻と軽くご挨拶されていました。スタジオにお返しします」
おんぷは感無量だった。かつて育てた義理の娘は、今や日本の象徴といわれる天皇一族と会話している。自然と顔はほころんだ。
皇居のゲートを日本政府の公用車が通り過ぎる。皇居の扉を開くと、華美な飾りつけが目立った。鴨井には菊のご紋章が金色に輝いている。 ハナたちの名目上は魔女公国ということになっていた。ハナは急に抱き上げられた。背中には、皇太子さまの笑顔があった。
皇太子「びっくりなさいましたか。さ、会場に向かいましょう」
ゆき「皇太子さますみません。ハナ、御礼をいいなさい」
皇太子「そちらは何者ですか?」
ゆき「前女王のゆきと申します。お見知り置きください」
そんなこんなで晩餐会は始まった。天皇陛下は矢継ぎ早という感じで、魔女界に関しての御質問をなされた。
晩餐会は何ごともなく無事に終了した。


−次回予告−
どれみ「春季キャンプの名物といえば紅白戦」
おんぷ「1軍と2軍のガチンコ一発勝負」
ももこ「新しくキューバ選手とメキシカン選手が入団するみたい」
おんぷ「次回魔女野球『俺流中日に負けるな新外国人選手登場』心の直球あなた に届け」

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