魔女界にプロ野球チームを作ろう!!
第19話「応援団、バンク加入か!?」

 ミーナが奇跡の回復を遂げてから、数週間後の美空球場。イースタンリーグ公式戦のマウンドにミーナが帰って来た。速球のスピードは落ちた物の、持ち前のカットボールにカーブは復活前と同じ切れ味を見せていた。 新聞記者の姿は少なかった。
ミーナ「久しぶりのマウンドで、こんなに素晴らしい投球が出来て…。かなり気持ち良いです。湘南シーレックスのファンの皆様、このミーナを応援してくれてありがとう。白血病という病気をもっと広めて下さい!私からのお願いです」

 匠はアパートの自室で顔をほころばせた。2軍は公式戦の全試合がデーゲーム。匠はミーナに料理の腕を振るう為に、近所のスーパーに出掛けた。自転車立ち漕いで急いだ。
 スーパーの中に入って、まずは野菜のコーナーでキャベツをカゴに入れ、豚肉、小麦粉、中華蒸しそば、忘れてならない匠の地元・広島のお多福ソースも入れ、レジで代金を払って外に出た。
 棚の上からホットプレートを下ろす。このホットプレートはミーナが投手本塁打賞として頂いた物である。匠は自分のとミーナの広島風お好み焼きを焼き上げると、部屋の灯りを全て消した。そこにミーナが帰って来た。
ミーナ「あれ、匠いないの?」 とミーナは電源をつけた。灯りをつけたら、テーブルの所に匠はいた。
匠「ノーヒットノーラン達成おめでとさん。そして…、これは俺からの快気祝いだ。食ってみ?どうしたんよ?まさか、2軍戦じゃ不満か?俺はノーヒットノーランなんて大記録をミーナが達成してくれただけで嬉しい。遅くてもいい。焦ることなんてない。また頑張ったらいいから」
ミーナ「匠…ありがとう…。私の為だけにこんなことしてくれて…。本当にありがとう」
どれみ「私たちも少しお手伝いしたよ。腐らないで頑張ろうよ」
はづき「そうよ。今日は飲んで騒ごう。私たちも付き合うからさ」
ミーナ「お酒は駄目よ。君たちは未成年者なんだから」
どれみ「私たち、そんな不良じゃないです。この状態だと、ミーナさんたちが飲ませたってことになって、問題になりますよ!」
ミーナ「冗談よ。気にしないで」
どれみ「白血病って大変な病気なんですか?」
ミーナ「病名がわかった頃はまだ楽なの。けれど、急転直下が起こるととても苦しくなるよ。だからさ、骨髄バンクは必要なの。私は匠と白血球の形が一致したから奇跡的によくなったけど、ほとんどの人はドナーが来るまで待つの。移植の日にルームメイトから睨まれたわ。とても怖かった」
どれみ「私たちの骨髄を求めている人はどのくらいいるんですか?」
ミーナ「3万人以上いるわ。これは一種のボランティアなのよ。わかる?」
はづき「加入するに当たっての条件はあるのかしら。今度調べてみようっと」
匠「頼むで。白血病の患者さんは君たちの勇気を待っているのだから」


−次回予告−
どれみ「シーズンオフか。かなり暇だな…。何かないかな」
はづき「どれみちゃん。ハナちゃんから手紙がきたわ。今度皇居で会食するって内容よ」
おんぷ「天皇って日本の象徴じゃない!ちょっと嫌な感じがする…。魔女界の秘密がバレてしまったりとか…。次回魔女野球、『ハラハラドキドキ、ハナちゃん皇居パーティー』心の直球あなたに届いて」
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