魔女界にプロ野球チームを作ろう!!
第17話「匠のデート!?」

 広島にミーナがやって来た。現在、ハワイで自主トレをしているはずだった。
匠「練習しないでいいのか?せっかくのオフなのにデートなんかして。それこそ芸能部の奴らに知られたら記事にされるのに」
ミーナ「叶わないわよ。記事にされたらホエールズが有名になったってことよ。別に良いじゃない」
匠「よく考えたらそうだな。お前の言う通りだ」

広島西飛行場の北にあるバッティングセンター。
匠「親父さん、コイン二枚」
親父「ああ、君か。ところで彼女はホエールズの選手じゃないかい?」
匠「まあね。昔ながらの友達ですね。呼んでいるから」
 ミーナはカバンから自分のバットを出した。そして、おもむろに140キロの左打席に入った。初球からいきなりの本塁打。それを終えた後に言った。
ミーナ「日本のマシンは素直過ぎる。それにカーブ打ちができないなんて最悪よ。でもハワイにはない施設だから許すわ」
匠も130キロ級を打った。二人はセンターを出た。

安芸の宮島。そこへはフェリーで渡って行く。
ミーナ「ここのお土産頼まれてるのよね…。何か日持ちする物は…、あった。これならいいかな」
それを見て匠はア然とした。一振り数万円はする日本刀だった。
匠「それ…、買うのか?」
ミーナ「うちの親戚年寄りばっかだし、うちの昔居た航空会社の社長は時代劇が好きだから」
匠「お義父さんはもみじ饅頭でいいと思うよ。しかも本家のにしき堂が美味いからね」
二人は結婚間近だった

***

 匠はパスポート申請して、ミーナの実家に向かった。ミーナの実家には、父・竜平さんがいた。
竜平「結婚は叶わない。だが、娘を不幸にはするとその時は許さない」
 広島の匠の実家。
匠の父「結婚は反対だ!我が血筋に犯罪者の娘の血を入れるわけにはいかん」
匠「ミーナの父親とは話はついているんだ!それに親戚と関わったことないじゃないか!酔いに任せて人を馬鹿にしないでくれ。ミーナは愛を知らずに育った。だからわしがその分愛さないと行けないんや」
匠の父「そこの女の親父は優しすぎて脅されて東京を破壊しただろうが!」
次の瞬間、匠は父を殴っていた。まさにその時、家が匠に継承された瞬間だった。
匠「ミーナ、お義父さんに約束しただろう。あんたを不幸にしないと」
ミーナ「でも、匠のお父さんが…」
匠「こんな迷惑親父はとっくに隠居させときゃえかった。絶対に面倒見ないぞ。それに、家は弟にやる。僕は田中の名を次がないと行けないからね。ミーナが、一人っ子だからな」
ミーナ「それもそうね。さあ、ハワイに行きましょう」
 そして、二人は結婚した。実にアメリカンな式だった。新しい生活が始まった。

***

 対ロッテ戦。大空スタジアムのスタンドに匠はすまし顔で現れた。
匠「藤原、今朝の朝刊見たか?」
はづき「見ました。ロシアはかなり荒れているみたいです。いいかげんに独立させればいいんです」
匠「そうやな。さすがは名門校カレン女学院だ。立派な答えやな」
はづき「ありがとうございます。匠さんの学校だって名門校じゃないですか」
匠「今はね。昔は広島一のワル校と言われたものや。今は進学校になった様だな…。OBとして嬉しいな。よし、スタメン発表や!」

3塁側ベンチ。
瞳「ミーナの彼氏はどこにいる〜っと」
纏「小夜子、からかうのはよしなよ。なあ、ミーナ」
ミーナ「う、うん……」
ミーナは動揺していた。この動揺が悲劇を生むことになった。ロッテ福浦にセンター前に運ばれて、初芝に先制2ランを浴びた。その後もミサイル打線が大爆発して、12対5でホエールズが負けを喫した。

試合終了後、
匠「アク落としやな。こういうケースもありうるからね…」
どれみ「なんか、これだけ打たれたらすっきりしますね。ロッテも凄いあだ名だね。ミサイル打線だって!?」
匠「ピンポイントに運ぶからな。そのあだ名も無理はない」反省会は盛り上がった。そして、次の試合で頑張ろうということで解散した。

***

 ミーナの自宅。ミーナは部屋のベッドに座っていた。
匠「ただいま。ミーナ、次は頑張れな。少し恥ずかしかったよ、打たれ込まれるお前を見てさ。わしの様な熱血ファンをがっかりさせないでくれ。こんなファンもいるんやから」
ミーナ「わかったわ、次は頑張るね。夕食の支度するね」


−次回予告−
瞳「おい、ミーナが大変なことになったぞ!」
纏「まさか、小夜子嘘はつくな…えっ!そんな馬鹿な!!」
剣「次回、魔女野球。『ミーナの発病!?』心の直球あなたに届け。これって、ありえない」

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