魔女界にプロ野球チームを作ろう!!
第12話「こがね復活!悪夢の広島公式戦」

※お断り
このシナリオは2004/08/29に公開された物です。
 こがねが復活する試合。この日のNHK衛星放送はこんな言葉から始まった。
「変わってゆける物がある。変わらずにいられる物がある」
〜太陽ホエールズ、南井こがね〜
これは魔女界すべてを指した言葉である。確かに魔女界は発展途上国だ。ハナは物凄い努力をしている。

***

 その頃広島市民球場では、パリーグ公式戦のチケットを買うお客さんでごった返していた。開場は午後4時20分からだが、それを前にして長蛇の列が展開していた。カープの広島公式戦より多いぐらいのお客さんが詰め掛けている。
 もう、入りきれずに満員札止めになった。この市民球場は団体割引制も球場だから、その団体客の組織名が公表された。中には東京のアパート1棟で観戦に来た人もいた。団体割引客のアナウンスが終わった。この試合の先発はこがね。テレビのアナは、
「今ここにあの南井選手が、ケガを乗り越えてマウンドに上がりました!2軍であるイースタン戦では、防御率1・25という最高の結果をお土産にこがねが今ここに復活します!!」
 ドラマは5回表にやって来た。ニ死満塁からの第35球目は西武の4番カブレラに本塁打を浴びた。その後の和田は空振り三振に切って取るかに見えた。連発だった。右中間に飛び込むソロ本塁打。その後も連打浴び、途中降板した。西武の若手選手から悪口が聞こえた。
「なんだ!それでもエースなのか?子供は家に帰って寝てな!」
「プロ野球は子供のやる物じゃないぜ!」
途中登板した苫米地はその選手らを激しく睨んだ。難なくその回を抑えてベンチの選手に言った。
苫「この試合が始まる前に監督とこがねが話していたの。この試合ピッチャーとして結果を出さなければ奴がマウンドに上がることはない」
瞳「なんてこと…!あの娘はたった一人でこの試合を戦っていたというの!?」
纏「ちくしょう!あの監督、どこまで人の気をもてあそべば気が済むんだ!」
剣「擬宝珠先輩、抑えて!!」
纏「黙れ剣!あれほどプライドの高い選手になんてこと言うんだ。殴り飛ばしてやる!」
大野「しかしな、擬宝珠。広島に嶋重宣というバッターがいる。南井は打撃センスがあるんだ。絶対に努力すれば『赤ゴジラ』二号になれる私は思う」
纏「10年も待てというのですか!!」
大野「それは違う。これからの南井しだいだ。バッターとして、また帰って来る」
纏「…わかりました」
南井は野手として再挑戦することを誓った。剣がこがねに特訓をつける。肩と守りのバランスや精神力など特訓した。

***

 その結果、打者として才能を開花させた。解説者や評論家はただア然とするだけであった。
星野さん「うーん!凄いね。よくめげることなく頑張ったよ!頑張って三冠王を取ってくれよ」
こがね「ありがとうございます!これでよく頑張れますよ」
 バッター転向に成功したこがね。三番打者を任された。
 その頃、魔女界は大変なことになっていた。日本でも有り得ないほどの大地震が魔女界を襲ったのである。こがねとさゆりそして、マジョラーンは故郷へ魔法を使って帰省した。

***

 ホエールズは最下位だった。神戸の方ならば誰もが知っている奇跡のドラマ。今、まさに再現の時は来た!
瞳「さゆり、故郷はどうだったの?家族や友達は無事だったの?」
さゆり「なんとか、皆さん無事でした。でも私の生まれ育った町は…。無くなっていた」
瞳「そうか…。魔女界のことはもはや他人事ではない。もう一度魔女界のみんなに笑顔を取り戻そう!」
苫「そうよ!!私たちが“復興シンボル”になるの。魔女界の人を笑わせよう!」
こがね「それは大賛成よ。Willtovictory〜勝利への意欲〜だよ!」
纏「私には借りがある。それを返す良い機会だよ。こがねは投手時代に抑えてくれたし、苫米地はフル稼働してくれたおかげで優勝したのだから」
こがね「当然のことならば貸しにはなりませんよ、纏さん」
纏「うるさいよ!黙って見ていな!」
真っ赤になって纏はそう言った。

瞳「みんなで勝つぞ!ホエールズ」
ミーナ「パパは口を酸っぱくして言ってるわよ。『誰かの為に今、自分が出来ることをなさい』って」
瞳「そうよね。ミーナの親父さんの言う通りよね。私たちに出来ることは野球で勝つことだけだよな」
移動のバスの中でそういう会話がされていた。


−次回予告−
どれみ「魔女界は大変たね。私たちも何かしないと」
ももこ「ニューヨークのテロの時は協力してくれたよね」
匠「なんか、オリックスみたいになって来たな」
おんぷ「私はもうボランティアしているんだ」
はづき「次回、魔女野球。『おんぷのボランティア!!』心の直球あなたに届け」

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