魔女界にプロ野球チームを作ろう!!
第10話「意外な新入り!?」
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2007年度のオープン戦。新聞記者の仕事で、西武ドーム入りした匠は南井選手、剣選手、擬宝珠選手にインタビューした。その中におんぷの姿もあった。おんぷは西武のユニフォームを着ていた。
匠「おんぷちゃん。その格好は西武だね。似合っているよ」
おんぷ「あら?今日はお仕事なのね。友野さん」 私情は二人共置いている。
(始球式か。あのバカ社長!瀬川はホエールズファンだっつうの)
と匠は思った。

おんぷは匠の取材に対して、 おんぷ「お仕事と私情は別だけど、やっぱりホエールズが最高ね。社長は商品価値が下がるって言うし、心の迷いはありますね」
匠「はい、結構です。おんぷちゃんありがとね」

取材終了が終了して、
匠「ホエールズ今日、西武に勝ったよ。勝ち投手は擬宝珠負けは松坂。剣からオープン戦第1号本塁打。まっ、こんな物かな」
おんぷ「情報をありがとね。当分、忙しいから無理かな」
匠「シーズン始まってからは来いよ」
と言ってその場を後にした。
 おんぷの母、美穂は
美穂「あの新聞記者さん、えらくなれなれしいわね」
おんぷ「ママは気づいてないかもしれないけど、あの人はこの間のホエールズ応援団長なのよ。高校を卒業して、新聞記者になったの。私情ではミーナ選手とうわさがあるらしいわ」
美穂「へぇー、そうなの。知らなかった」
おんぷは小声で笑った。

 次の日、おんぷの会社であるルカ・エンタープライスに配達された新聞にはおんぷの記事と、ホエールズの快勝した記事が載っていた。この頃になるとおんぷはホエールズが勝つと調子が良くなり、負けたら元気がなくなる。そのくらいに熱狂的ファンになっていた。そして…。

 その日は夕方からはオフだった。おんぷはナップザックの中に応援のバットやらトランペットを持って、スタジアムに足を運ぶ準備をしていた。その時、電話が鳴った。マネージャーである美穂が電話口に出る。急に仕事が舞い込んだらしい。
おんぷ「お仕事なんて嫌!キャンプも始球式も西武で我慢したのよ。ずっと楽しみにしていたの!この日を…。それなのに、それなのに…」
 おんぷはその日チケットを買う列に涙顔で現れた。匠は旗の補修をしていた。(前日の雨で文字が薄くなった為)自然とおんぷの存在に気がつく。
匠「瀬川、どうしたん?」
おんぷ「もう、私‥フリーになりたい…」
匠「急に何を言い出すと思ったら…。あのバカ社長もう許さない…。わしの仕事である記者でスキャンダルを探して社長から引きずり下ろしてやる」
おんぷ「友野さんは私のことをかなり心配してくれてたんだ」
匠「お前、いまさら何を言っているんや。当たり前やんか!応援団規則第3条を納得するまで繰り返してみな」
おんぷ「繰り返してみなくとも、今の言葉でわかりますよ」
匠「だったら、仕事を頑張ってこいよ!芸能界の前田智徳になれ。わしらは期待してるんや」
おんぷ「ハイ!ありがとうございます!」
匠「行ってこい。待っているから」
そして、作業を続けた。
はづき「副団長。おんぷちゃんになんて言ったんです?」
匠「カープに数年前までいた天才バッターになれってね」
はづきの周りにハテナマークがその後30分間に渡って飛び続けたのは言うまでもない。


−次回予告−
どれみ「こがねちゃん、最近見ないね」
こがね「うん…。2軍落ちして今、美空にいるから…」
おんぷ「私の仕事と同じで実力主義の世界だから、頑張っていかないと」
ももこ「次回魔女野球。『若き鯨物語』心の直球あなたに届け」

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