魔女界にプロ野球チームを作ろう!!
第10話「意外な新入り!?」
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 ホエールズのオフ会での話である。そのステージの上にはミーナが立っていた。彼女は歌も上手く、また日本に来て始めてのステージだった。ハワイアンを歌わ せたら、おんぷでさえも弟子入りを嘆願するだろう。
 そんな余談はさて置き日本・大空市内にある大空スタジアムでは応援団への新入団者の発表が行われた。
???「どれみちゃん忘れるなんて酷いよ〜。アヒャヒャみんな、なんて格好してるのよ」
どれみ「なんだ。新入りってももちゃんのことだったの。みんな仲良くしてね」
匠「わしは技術指導をしちょる。かなり厳しいけど、耐えられたらのれん分けも考える」
ももこ「ハイ、よろしくお願いします」
匠「もう一人のやつも早くしろ」
???「藤原はづきです。よ、よろしくお願いします…」
匠「帰国子女に内気な新入りか。茨の道だよ」
と匠は溜め息を排いた。おんぷははづきに言った。
「はづきちゃん、来る所間違えたわよ。友野さんかなり厳しいよ。私なんて何度殴られたか…。『愛のムチ』とか本人は言っているけど…。まっ、頑張ってね!」
はづき「う…うん」
匠「いらんことは言うなよ。瀬川」
おんぷ「失礼します!」
はづき「友野さん!」
匠「なんや、藤原」
はづき「言うこと聞かないと殴るって本当なんですか?」
匠「しゃんとできなかった時は殴る。誰から聞いたんや!」
はづき「おんぷちゃんからです」
匠「あいつ、一度シバくで!!前の時も…」
はづき「落ち着いて下さい。もっと話し会いましょう」
匠「気の短さは天下一品じゃ!」
どれみ「なんか、もめてるな〜。どうしたの、はづきちゃん」
はづき「友野さんが止まらないの!手を貸して!」
どれみ「友野さん!またですか!!その性格をいいかげん直して下さい。謹慎にしますよ!」
匠「瀬川のやつ、いらんこと言った後に逃亡したんだ!汚いやつは許さん!!」

 数時間後、なんとか、匠をなだめることに成功した。どれみとももこはボロボロになった。匠はぶつぶつ文句を言いながら家路に着いた。行き先はホエールズ選手寮にいる、ミーナのところだ。あそこには魔女界への永久に出入りのできる扉があった。
匠「あーあ。腹が立つなぁ。瀬川は」
ミーナ「匠は気が短いからね」
とミーナはコップにジュースを注ぎながら言った。
匠「汚いやつだと思わんか。他人の悪口を言った後、逃げたんやで!!」
ミーナ「それに17歳の女の子でしょう。一番難しいころよ」
ミーナは3月で二十歳になった。ジュースと自分の酒を持って来る。
 ホエールズ選手の部屋にはキッチンが着いている。これは各選手が自炊できるように考えられたシステムだ。
ミーナ「はい、ハワイ料理のロコモコ(ハンバーグ丼)。匠は好きだったよね」
匠「すまんな、いつも」
ミーナ「いいのよ。これくらい」
匠「擬宝珠選手の食事は寿司らしいな。びっくりしたよ」
ミーナ「あ〜っ。テレビ見たでしょう」
匠「広島ではやってない。新聞で読んだよ…っていうか、ホエールズの記事はわしの担当だぞ!」
ミーナ「そうだったわね」
と言って笑った。

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