魔女界にプロ野球チームを作ろう!!
第9話「いざ、中国へ!!」

 中国・広東省。広東レオパルトとの練習試合が行われた。日本国歌「君が代」の斉唱時にやはり、ブーイングが行った。
 2年前のオリンピック壮行試合の時に最下位だった中国。 先発は琳。井原監督にしては、日本で育った彼女を見て欲しいという思いでマウンドに上げたのだが…。ブーイングが殺到した。
こがね「メイリンさん。あの赤い字で書いている横断幕ってどういう意味なの?わからないわ」
琳「どれどれ。『中国に対しての侮辱』と書いてあるヨ」
 日本から助っ人に駆け付けたホエールズ応援団。
おんぷ「中国の人、怖い…」
どれみ「大丈夫だよ。おまわりさんだっているし、私服警官もたくさんいるから」
匠「ここはそうかもしれないけど、外に出てからが怖いな」
 不安な形で試合が始まった。琳がノーヒットノーランを達成した。試合終了後。選手と我々を乗せたバスは警察車両に守られながら、ホテルに向かった。

 ホテルに到着した。 応援団の前のお客さんに見覚えがあった。金髪をリング状に束ねた髪。そして耳にはピアス。
どれみ「あっ!ももちゃん」
ももこ「どれみちゃん!どうして」
どれみ「美空に新しくプロ野球チームができて、さっき試合が終わったのよ」
ももこ「何考えているの!?ここチャイナだよ」
どれみ「広東レオパルトと試合したからだよ。ももちゃんはなんで?」
ももこ「さっきパパと一緒に部屋を取ったばかりよ。それでおこづかいを持って買い物に出たら、リュックごとひったくりにあって…もも、泣きたいよ」
匠「あらら、災難だったね。気をつけんといかんで」
ももこ「どれみちゃん、この人は?」
どれみ「ホエールズ応援団の副団長よ。名前は友野さん。私たちより2つ年上なのよ」
匠「よろしく。ももこさん」
ももこ「どうして名前がわかったの?一言も言ってないよ」
匠「俺の勘だよ。それに春風が『ももちゃん』って言ったから、だいたいの名前が頭に浮かんだ」
 数時間して、匠はミーナの部屋にいた。
匠「今日、春風のダチと合ったよ。元気の良いやつだったな」
ミーナ「春風って、あのお団子頭の?」
匠「そうそう。家族で旅行にきてカバンごとひったくりにあったんだよ。少し暗くなっていたな」
ミーナ「そうなんだ。それは可哀想にね」
匠「それにしても中国のやつらまだ60年近く前のことを根に持ってやがる。旧日本軍がいらんことするから、俺たち新世代に迷惑がかかる。一つ間違えないで欲しい。あの頃悪かったのはアメリカで なく、日本軍だと言うのを忘れてはならない」
ミーナ「うん。私の国の歴史では正義的で英雄的な行為と習ったわ。匠の言い分はアメリカだったら正しいかもね」
こうして、二人の夜は深けて行った。

 翌朝、ミーナはいなかった。チームの練習に向かったのだろう。正午に帰ってきて言った。
ミーナ「大空に帰るから、セスナに乗ってかない?広島上空を飛ぶから」
匠「ありがと。じゃあ、西飛行場まで頼むよ」

数時間して、セスナ機内にいた。広島西飛行場で降りて、俺はバスで家に帰った。ミーナは手を振りながら離陸した。またしばらくの間、デートはお預けになる可能性が高い。広島でパ・リーグの試合はない。…はずだった。ミーナの強い希望でホエールズの3連戦が広島市民球場で行われることになった。3日ともデーゲームで行われ、広島のファンは湧きたった。携帯に連絡が入った。 ミーナ「匠〜またデートできるよ。今朝の新聞見た?あたしの訴えが通ったの!広島でゲームがあるんだって」
匠「本気(マジ)で!?ありえない」
ミーナ「広島にもファンがいるのが理由だって言ってたわ」
匠「情報ありがと。じゃあ切るよ」


−次回予告−
どれみ「わたしが団長に変わってから始めての入団者。すごく緊張する」
おんぷ「どれみちゃん、しっかり深呼吸してみたらいいよ」
???「アヒャヒャ。新入りですよろしくお願いします」
おん・どれ「あ、貴方は…!!」
どれみ「次回、魔女野球物語。『意外な新入り!?』。心の直球あなたに届け」

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