魔女界にプロ野球チームを作ろう!!
第8話「応援団長クビ!?団長の意外な過去」
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 アメリカ・ハワイ島にあるヒロ。ホエールズキャンプの上半期は行われた。そこへ入団したばかりの琳投手はやって来た。
琳「(箱の中に入った真っ白な硬式ボールを見て)うわぁすごいなぁ日本は」
通訳「そんなに気に入りましたか?」
琳「もちろんよ。私の国では硬式ボールとソフトボールが同じ箱に入っているの。同じボールだから、が理由らしいわ。ところであなたは?」
通訳「私はあなたの専属の通訳の山田といいます。あと、身の回りの世話もいたします。どうかよろしく」
琳「わかったわ。よろしく、山田さん」

***

 選手たちへの御披露目では早くも元軍人らしいスピーチで周囲を驚かせた。日本に帰ってきて2日後の紅白戦。白軍先発を任される。テレビで中継される。彼女の武器はスライダーとカーブそして、チェンジアップ。たまにシュートを投げるくらいだ。
試合前。
琳「こうして日本で頑張っても見てくれる家族誰もいないネ。そこが凄く寂しいヨ」
とマスコミに語った。片語だったが、確かに日本語を話した。日本人の友人がいるという。彼女は数年前に航空機事故で家族を全員失った。溌剌としたプレーを家族に見せられず、残念とも言っていた。

 紅白戦では3回を投げて、三者三振に打ち取った。
琳「棒球時代の自分は中国に置いておく。野球に早く慣れないと死んだ両親に申し訳ない」
擬宝珠に新たなライバルが出現した。
纏「あの新人かなり気取ってるなぁ。新聞記者さん!」
記者「はい?」
纏「私と苫米地とでエースの座を死守します。」
苫「そうですよ。あんな人にエースを奪われてなる物か!!」
それを聞いて大野コーチは
「ポジション争いって、良い物ですね。お互いの刺激になるから」
と笑いながら言った。

***

 藤井寺球場。普段は近鉄の2軍が使用している球場である。そこで久しぶりにパ・リーグ公式戦が行われた。先発のマウンドを任されたのは、ミーナだった。先の福岡での試合後にセスナ機で移動したばかりでだったが…。彼女の運命が変わったのは数年前のこと。消息不明だったはずの父親が生存していた。その父親は刑事裁判で無罪を勝ち取りミーナと一緒にキャンプ地になった、ヒロの町で親子水いらずの生活をしていた。そこへホエールズからの交渉が入ったワケである。親から反対もあった。叔父からは…
「何考えているんだ!!」とも言われた。
 そして…今日は父親、親戚に晴れ舞台を見せる日だった。ミーナは五回を無失点で投げきりメイリンに繋ぎ…チームは勝利した

……………………試合終了後。ミーナは父親にウイニングボールを手渡した。
父親「一人前な投球だったな。これなら期待ができる」
ミーナ「当たり前よ。仕事なんだから」
父親「もう、とやかく言う必要もないな。ただ一つ、つらくなったら帰っておいで」
ミーナ「うん…。わかったわ、パパ」
こがね「なーにやってるのよ、ヒーローは。早くシャワー浴びましょ」
ミーナ「こがね!ムードを壊さないでよ!もう‥」
匠「もうええやん。ミーナ!!ホテルに行くで」
ミーナ「あっ!匠〜待ってよ」
二人は順調に交際を続けていた。

第9話『いざ、中国へ!!

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