魔女界にプロ野球チームを作ろう!!
第8話「応援団長クビ!?団長の意外な過去」
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 ラジオ局にて…
匠「 広島東洋カープ。15年ぶりのセ・リーグ制覇。赤ヘルファンはこの時を待っていた。ミスター赤ヘルこと、山本浩二が宙を舞った。元来赤ヘルファンの俺は、この時を待っていたというのも他言ではない。それは部活の先輩と応援した時のこと。お互い、カープの前田が好きだった。しかし、その先輩は草野球をしており、選手として彼が好きだった。一方の俺の方はというと、中学2年の時にイジメにあい、学校へ行きたくない。そう思っていた。そんな時彼は目の前に表れた。横浜ベイスターズとの試合で復活の本塁打が生まれた。実況アナの話によればリハビリに耐えに耐えて市民球場に帰ってきての本塁打だったらしい。(こんなに頑張っている人もいる。苦しいことがあってもこうやって…。俺は何をやっていた)あれ見てそんなことを思ったさ」
おんぷ「前田選手ってどんな人ですの?」
匠「仕事している時のお前やな。つねに彼はその時求められた仕事をする。さらに自分を否定されるのが嫌なんだ」
おんぷ「サンデープルルン。今週は太陽ホエールズ応援団長、友野匠さんをゲストでお迎えしてお送りしました」
(放送終了後の楽屋にて…)
おんぷ「団長、カチンカチンでしたよ」
匠「そうかな?ところで、今日のナイターの消化試合来るのか」
おんぷ「5回くらいからなら行けるわ。ドラマの撮影が少しあるから」
匠「わかった。他の連中にも言っておくよ」

***

 おんぷがやって来た。外野右翼席に応援団は陣取っている。演技で声を出したばかりなのに、トランペットを吹き始めた。
どれみ「おんぷちゃん、無理しないで私に…」
おんぷ「いいの。私は大丈夫よ。内野席にハナちゃんもいるじゃない」
匠「小学生未満は無料だからな。あの女王のガキも来てんだろ」
おんぷ「団長、本当にクビになりますよ。ハナちゃんは魔女界のトップなんでですからね!」
匠「あのガキが俺よりいつ偉くなった。あくまでも、私設応援団であって『国』の物ではない。なんで言うこと聞かないといけないんじゃ」
おんぷ「……(酷い)」
おんぷはハナのもとへ向かった。
ハナ「おんぷママどうしたの?」
おんぷ「また、あの団長ハナちゃんのことをガキ呼ばわりしたよ。親として許せないの」
ハナ「うん!ハナちゃんあの人クビにする」
おんぷ(ふふっ。これで私が次期団長候補よ)
おんぷは不適な笑みを浮かべた。
 試合後、応援団連合会会議が大空スタジアム内で行われ、匠は失脚したが、ハナはこう言った。
「春風どれみさんをホエールズ応援団長と本日付で任ずる。ハナちゃんより」

***

 日本シリーズは広島東洋カープの快勝に終わり、剣以下3選手はさらに複数年契約をした。

***

 中国。ここに一人の社会人女性投手がいた。その名は琳美稟(リン・メイリン)彼女は中国人民解放軍の女性士官だった。中国では、野球は棒球というマイナースポーツでしかなかった。ホエールズは早い段階から交渉していたが、なかなか進展しない。結局、2軍にいる若手を送ることを条件に契約に成功した。

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