魔女界にプロ野球チームを作ろう!!
第7話「擬宝珠負傷!!ホエールズ大ピンチ」
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 対西武戦(大空)の後のこと。監督やコーチに内緒のミーティングをその日から毎試合終了後に行った。ある日、さゆりが痛恨のエラーをした。
瞳「さゆり、気をつけないといけないよ。ただ一つのエラーで試合がひっくり返ることあるから」
さゆり「は、はい」
さらに瞳は…
「ミーナ、お前も大切なミーティングの時に居眠りするな!」
と寝ていたミーナ選手を起こした。子供の頃、野球へひたむきになれたのは纏のおかげだった。相方は怪我と闘っているのに自分だけ…。もどかしさだけしかない。そして、この日はやって来た。

2006年9月25日、大空スタジアム。

 苫米地が先発した。ストレートとドロップ(縦に曲がるカーブ)で緩急をつけた、8回までの素晴らしいピッチング。そして、回は9回。
こがねに交代する。アンダースローからのナックルに打者たちのバットは空を切るばかり。そして…。
実況アナ「やりました!!太陽ホエールズ、2006年度パ・リーグ制覇です!興奮と感動でスタジアムは大変なことになってます!」
 この試合は近鉄戦だった。地元、大阪のあいこの家ではラジオでやっていた。
あいこ(どれみちゃんにおんぷちゃん、それに若い団長さんやったな。遠く離れてるけど、あたしも応援してた。ほんまに嬉しいで)
彼女の家は父親と祖父が近鉄ファン(やっぱり)だから大声では喜べなかった。
 ただ一人の選手の為の全員野球。それは優勝という最高の形で結果が出た。
 優勝といえば、ビールがけ。しかし未成年者がいるため、ノンアルコールビールで行われた。選手たちの笑顔、そして…。その中に纏がやって来た。鼻の箇所にガーゼを貼っているが、確かに纏だった。

***

時は流れ、その年のオフタイトル選考が行われた。最優秀救援投手にこがねが選ばれ、マジョビート(苫米地)には沢村賞のタイトルが球団で初めて贈られたが…苫米地はとんでもないことを言った。
「私はこのタイトルを同じチームの擬宝珠さんに譲ります。彼女がいなかったら、今の自分はなかった。だから私は彼女に沢村賞を譲ります!」
湧き上がる拍手と歓声。

 魔女界。ハナはこの一報をマジョリンを通じて知った。6歳の女王はそれを知って、
「それでいいんだよ。私はホエールズが優勝してくれただけで、充分嬉しいから。でも早くママたちに会いたい」
マジョリン「そう言われると思いした。三人共、入りなさい」
どれみ「ハナちゃーん!久しぶりだね。元気にしてた?」
おんぷ「こうして話すのも何年ぶりかしらね」
???「これが魔女界の女王か。まだガキじゃん!」
どれみ「この人はホエールズ応援団長の友野匠さん。今回は特別に入っているんだ」
匠「上さんよ、わしは広島生まれの広島育ち。セ・リーグの広島東洋カープのファンなんじゃ。パ・リーグのオリックスの代わりの太陽を応援したたけじゃ。そのカープが今年のセ・リーグ制覇チームじゃ。悪いが日本シリーズは広島の応援をする」
おんぷ「と、とりあえずパーティーしよ」
と半泣き状態のハナに言った。

( 王宮内の廊下で…)
どれみ「団長!もう少し、人の気持ちも考えて下さい!」
匠「春風、いつか言っとこうと思ったんじゃが、わしは金持ちが嫌いだ。このことは意見するな。その時はいくら副団長のお前でも許さん」


おんぷ「相変わらず口が悪いですね、団長は」
匠「このホエールズ応援団長はわしにしか出来ん。ええか、瀬川。野次も罵声もカープ応援団の仕事のうちってな。昔…」
どれみ「次回、『応援団長クビ!?団長の意外な過去』心の直球あなたに届け」

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