魔女界にプロ野球チームを作ろう!!
第5話「まさにメイクドラマ西武ライオンズ。」

 首位奪回したホエールズ。しかし、投手の不調でライオンズのカブレラがホームランを量産し始めたのである。さらにロッテの李内野手がその後ろを追いかけている状態だった。
 結局、このシーズンは4位に甘んじた。これはもう大型補強するしかなかった。
 警視庁葛飾署から、擬宝珠纏投手と剣零外野手をドラフトで指名する。さらに荒川グリナーズから瞳小夜子捕手をドラフト下位で指名したホエールズ。剣零外野手に契約金1億円。擬宝珠纏投手に契約金5000万円を賭けて取った。瞳捕手は600万円と安く取った。剣零はシドニー五輪のソフトボール銀メダリストで強肩豪打の外野手。擬宝珠纏投手は高校ソフトボール界に伝説を作った選手だったが、本人の希望で婦警になった。
 瞳捕手は元・ヤクザで警察のお世話になったこともあったが、上手く更生してドラフトに指名された。擬宝珠の豪速球を捕れるのは彼女しかいなかった。
 アメリカ・ニューヨークの魔法堂に在米スカウトはいた。ロペスがホームランをよく打った。メジャーの意地を見せつけた。秋キャンプでは、剣の打撃練習でのサク越えを連発は世界レベルの打撃を見せつけた。
擬宝珠のブルペン投げ込みでは150`の豪速球を連発しフォークに至っては140`に至った。キャッチャーを勤めた瞳は思った。(あの頃より球威が増している…)
 これは事件だった女性が常識として投げるスピードでなかった。巨人の渡辺恒美オーナーは、
「擬宝珠纏投手の豪速球はありえないのだ。パ・リーグは認めてもワシは認めない!」
そうマスコミの前で語った。この瞬間日本中の野球ファンを敵にまわした。巨人ファンからも渡辺を免職にしろ、という声が上がった。
 が、それは難しい話で、この騒動で巨人の発言権は弱くなった。他のファンには嬉しいことである。この騒動は野球王国・広島にも影響を与えた。

*****

 2006年度春季キャンプは魔女界で行うことになった。星野さんは監督を辞任して、井原元・オリックス監督が二代目に就任した。キャンプ中頃の紅白戦の時は3塁のコーチボックスに立ち、両手を三回叩く。もうこれは彼が監督1年目の名物になっていた。
 また、井原さんは魔女界の女王にはこう言っている。
「この戦力ならば、確実に1年で優勝も出来るだろう。そして、魔女界に経済効果をもたらすだろう」
 その言葉通り、後は選手がいかにして頑張るかが重要であった。ハナは女王として言った。
「ハナちゃん、期待してるからね」
この言葉に同行した纏はずっこけた。
(目上に対しての言葉じゃないだろう)
 彼女が球界の女番長と言われる日はそう遠くないことである。

 魔女界に建設された野球場。才能を開花した兵動は女性ファンの方を見る。でも、ボールが来ると捕って投げる。サードの守りの時はボールにサインして、スタンドに投げたりした。黄金ルーキー纏はボールをしっかりと磨いて常に道具類を大切にした。
 監督は「あれほどのルーキーは珍しい。真剣に野球に取り組んでいる…」とボヤいたこともあった。
 剣は練習がすんでからも素振りを500本欠かさずに行った。瞳はチームのムードメーカーとして選手会長に就任した。金髪のショートヘアーの髪は昔の苦労を忘れない為に残した。龍の刺繍の入ったコートを着て球界に新風を巻き起こした。でもマスクをかぶると古田なみの頭脳を発揮する。契約金のほとんどを親に送った。(彼女の実家には借金が一千万円近くあった)

2006年度オープン戦開幕!!

第6話『試合終了後…


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