まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第51話『絆が動かす運命の歯車』
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ももこ「Why?」
こがね「だって・・・この壁に但し書きがあるんです・・・。」
さつき「但し書きって、どんな?」
こがね「『ただし、エミリの場合は15歳以上になってから、私の家に来た少女の場合は友達と心の底から呼べる友達を7人以上連れてこなければ、この扉は開かない』って・・・。」
どれみ「え、エミリちゃんの方の理由はともかく、・・・『友達と心の底から呼べる友達』って・・・どうしてそんな!?」
いろは「ねぇ、こがね・・・マジョユーナさんは、昔あなたに友達が居なくてイジメられてたこと、知ってたの?」
こがね「え・・・っと、それは・・・。」
キロル「知ってたと思います・・・。」
さつき「そっか・・・それでマジョユーナさんは・・・。」
こがね「え?どういうこと、さつきちゃん?どういうことですか、いろはさん?」
いろは「マジョユーナさんは、自分のことより、こがねのことを心配してたのよ、きっと。たとえばこがねが自分の発明品によりマジョユーナさんの無実を証明することによって、地獄界から抜け出すということよりも先に、こがねにはイジメに立ち向かって克服して欲しかったのよ。マジョユーナさんって、・・・本当に良い人だったみたいね。」
こがね「自分のことより、私のことを・・・そんな・・・でも・・・。」
キロル「今ここにはいろはさん、どれみちゃん、ももこちゃん、しずくちゃん、さつきちゃんの5人しか居ないわ・・・。だから、少なくともあと2人以上連れて来ないといけない・・・。」
ももこ「戻って他のみんなを連れてきてる暇なんて無いし・・・。」
??1「見つけたわ!」
その声は突然どれみたちの背後から聞こえてきた。
いろは「誰!?」
いろははそう言うと、持っている懐中電灯で今来た道の方を照らした。照らし出されたその光の先に立っていたのは、メアリー、はづき、あいこ、おんぷの3人だった。
いろは「メアリー・・・どうして・・・。」
メアリー「この子達の元に今朝こがねが来たらしくてね・・・。心配だから魔女界に連れて行ってくれって頼まれてね。連れてきたのよ。」
あいこ「おんぷちゃんがメアリーさんの連絡先知っててほんまに助かったで。そのおかげでここまで来れたんやから・・・。」
はづき「こがねちゃん・・・今朝、私たちに何のようがあって来たのか教えてくれないかしら?」
こがね「今日は・・・実はリックスさんの裁判があって、リックスさんの国選弁護人の方に証言台に立ってリックスさんの無実を証明してくれって頼まれたんだ・・・。」
おんぷ「それで一緒に証言台に立ってくれって頼みに来たの?」
こがね「うん・・・。」
あいこ「それやったら、どうして私ら3人だけそのことを教えてくれんかったん?」
はづき「ちゃんと言ってくれたら私たちも手伝うのに、どうして?」
自分たちだけそのことを教えてもらえなかったことに、少し口調を強めて問い詰める3人。
こがね「だからだよ・・・。」
おんぷ「え?」
こがね「頼んだらきっと来てくれるだろうなって思ったから頼めなかったんだよ。みんな忙しいみたいなのに、リックスさんのためにお仕事や習い事とかを抜けてまで来てもらったらなんだか悪い気がして・・・だから・・・。」
あいこ「そっか・・・私らの都合を考えてくれてたんか・・・。」
おんぷ「こがねちゃん・・・そんなこと、気にしなくても良いのに・・・。」
こがね「・・・みんな・・・ありがとう。」
いろは「それより、今はこの扉を開けることの方が先だわ。」
おんぷ「この扉を?」
いろは「詳しい説明は後、とにかくこの扉の先に、リックスさんの罪を軽くするための秘密兵器があるのよ。」
はづき「この扉はどうしたら開くんですか?」
おんぷ「・・・友達と心の底から呼べる友達が7人必要って書いてあるわね。」
いろは「え?」
メアリー「おんぷ、あなた、魔法文字が読めるの?」
おんぷ「あ、はい、だいたいならですけど・・・。」
こがね「とにかく、これで私の大切な友達が7人以上揃ったよ。」
どれみ「うん。こがねちゃん・・・。」
こがねはどれみに促がされると、黙って頷いて、行く手を阻む扉に触れた。どれみ、はづき、あいこ、おんぷ、ももこ、しずく、さつきも同じようにその扉に触れた。
すると、扉は淡い光を放つとともに地響きを立てながらゆっくりと開いた。
こがね「開いた・・・。」
ふと、こがねは上を見上げた。見上げた先には、ゴツゴツとした岩肌がむき出しになった天井が見えた。
こがね(マジョユーナさん、私、ちゃんと友達出来たよ。だから─)
キロル「マジョビート、早く二重人格を治す薬を探さないと!」
こがね「あ、そうだね。」
こがねはふと我に返ると、今開いた扉の先の部屋へと入っていった。

***

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