まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第50話『大切な人』
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大阪府大阪市のとある民家で、その音は突然、けたたましく鳴り響いた。その家の住人の一人が慌しく居間から廊下に出てくると、その音の正体の物に触れた。すると、先ほどまで喧しかったベルが鳴り止んだ。
あつこ「はい、妹尾です・・・はい、あ、ちょっとお待ちください。あいこ〜、おんぷちゃんから電話よ!」
受話器を耳からはずすと、彼女は居間に向かって叫んだ。
あいこ「おんぷちゃんから?何やろ、お母さんごめん、ありがとう。」
あいこはそう言って母、あつこから受話器を受け取る。
あいこ「はい、もしもし?おんぷちゃん?」
おんぷ「あ、あいちゃん?元気だった?」
あいこ「もっちろん、で、どうしたん、急に電話してきて。何か用事?」
おんぷ「ちょっと聞きたいことがあって・・・。今大丈夫かな?」
あいこ「全然平気やで。」
おんぷ「そっか。じゃぁさ・・・今日、こがねちゃんが来なかった?」
あいこ「こがねちゃん?あぁ、朝早くに来たけど・・・それがどうかしたん?」
おんぷ「やっぱり・・・。」
あいこ「もしかして、おんぷちゃんのとこにも来たん?」
おんぷ「うん。実はさっきはづきちゃんから電話がかかってきて、今朝こがねちゃんが来たとき、何だか凄く元気がなかったって、はづきちゃんが言ってて・・・。実は私のところにも来たんだって話になって・・・。もしかしてどれみちゃんとかあいちゃんの所にも来たのかなって気になって・・・。」
あいこ「そうやったんや・・・。なんかこがねちゃんのこと、心配になって来たな・・・。どれみちゃんとかのところにもやっぱりこがねちゃん来てたんかな?」
おんぷ「それが、どれみちゃんの携帯に電話が通じなくて・・・。何回かけても、電波の届かないところに居ますって・・・。家にかけても出かけてるみたいで・・・。それと、さつきちゃんの携帯も同じ感じだし、しずくちゃんの家も留守だしで・・・。だから、もしかしてどれみちゃんたち、こがねちゃんと一緒に魔女界に行ってるんじゃないかなって。」
あいこ「魔女界に?」
おんぷ「うん、こがねちゃん、私たちに何のようがあったのかは分からないけど・・・。」
あいこ「ううん・・・。なんかめっちゃ心配になってきたな・・・。」

***

その頃、どれみたちは、マジョユーナの娘、エミリを預かり育てているマジョマリナの元へたどり着いたところだった。
こがね「え、薬の場所が分からない?」
マジョマリナ「ごめんなさい・・・。」
しずく「そんな・・・あの薬が無かったら、リックスさんが・・・。」
どれみ「本当に知らないんですか?」
マジョマリナ「本当に知らないの・・・役に立てなくて、ごめんなさい。」
こがね「そんな・・・マジョマリナさん、マジョユーナさんの日記はありますか?」
マジョマリナ「もちろんちゃんと大切にしまってあるけど、それがどうかしたの?」
こがね「あの日記に二重人格を治す薬をどうしたか書いてないかなって・・・。」
マジョマリナ「ううん・・・分かったわ、待ってて。」
マジョマリナは、そう言うと、奥の部屋へ入っていった。しばらくして、マジョマリナは古びた日記帳を一冊持って戻ってきた。
マジョマリナ「どうぞ。」
こがね「ありがとうございます。」
こがねはその日記を受け取るや否やパラパラと日記を読み始めた。隅から隅まで読み落とさないようじっくりと読んだため、読むのには物凄い時間がかかってしまっていた。そして、こがねが日記を読み始めた1時間半近くたったころだった。
こがね「やっぱり、書いてないなぁ・・・。たしかこのページが最後の日記だから・・・あれ?」
以前この日記をこがねが読んだ時、マジョユーナの日記は、最愛の娘、エミリをの別れを悲しむところで日記が終わっていたはずだった。 しかし、おかしなことに、その日記の次のページにはまだ続きがあった。
こがね「続きが・・・もしかして・・・。」
どれみ「どうしたの?」
こがね「前には無かったページがあるの。もしかしたら、この日記をマジョユーナさんの娘のエミリちゃんに届けたから、魔法によって隠されていたページが現れたのかも・・・。」
どれみ「早く、続き読んでみてよ。私たち、魔法文字は読めないからさ・・・。」
こがね「OK、分かった。」
こがねはそう呟くと、新たに現れた日記を読み始めた。

***続く


次回予告
次回予告 こがね「どうしよう、せっかく日記を読むことが出来たのに・・・。」
どれみ「え、こがねちゃん、どうしたの?私たち魔法文字読めないから、話が全然分からないんですけど・・・。」
こがね「とにかく、大変なの!」
どれみ「次回、まだまだ!?おジャ魔女どれみ、『絆が動かす運命の歯車』、ドキドキピース、世界をつ〜つめ♪」

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