まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第49話『虹をかけよう』
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翌日、ここは日本の美空市。
どれみ「はぁ〜あ、いろいろあったなぁ。」
さつき「そうねぇ〜。」
どれみ「そういえば・・・しずくちゃんは?」
さつき「さぁ、そろそろ来る頃だと思うけど・・・。」
いつもどおり学校が終わり、MAHO堂へとやってきたは良いが、なかなかしずくがやってくる気配は無かった。
どれみ「まぁそのうち来るでしょ。」
さつき「じゃぁ、先に中入っとく?」
どれみ「うん。だって、外は寒いしさ。」
さつき「そうだね。」
そう言ってどれみたちがMAHO堂の中に入ろうとしたその時だった。
???「おい。」
どれみ「へ?」
さつき「あなたは確か・・・?」
???「私の名前は菜月、人間界の炎の精霊さ。」
どれみ「菜月さん、どうしてここに?」
なつき「分かったんだよ。」
さつき「何が、ですか?」
なつき「人間界の宝石、緑樹石の輝きを取り戻す方法がね。」

***

一方、ここは幻獣界の監獄。
こがね「はい、しずくちゃん・・・約束どおり連れてきたけど・・・。」
しずく「ごめんね、ありがとう、こがねちゃん。」
なかなかMAHO堂に訪れないと思ったら、しずくは、こがねにお願いしてなんと幻獣界へやってきていた。
こがね「でも、どうして・・・?オルテガさん・・・じゃなかった、リックスさんに何の用があるの?」
しずく「ちょっとね。」
そう言って微笑むしずくの意図が掴めないこがねは、首をかしげている。そんなこがねをさておいて、しずくは監獄の受付へ行き、リックスとの面会を申し込んでいた。

***

監獄兵「おい、リックスとやら、お前に面会が来てるぞ。」
リックス「俺に面会?」
監獄兵「あぁ、人間界から来た女の子だ。」
リックス「まさか、風木か・・・?あいつ、人間界で待ってろって言ったのに・・・。」
そんなことを呟きながら、監獄兵に連れられてリックスは面会室へと足を運んでいた。そして、面会室で待っていたのは、リックスの予想せぬ人物だった。
リックス「君は確か、風木と一緒に居た・・・。」
しずく「はい、相川しずくって言います。」
リックス「これは驚いた・・・人間界の女の子が面会に来たと聞いててっきり風木だと思っていたが・・・君とは。私にいったい何のようだ?」
しずく「あの・・・リックスさんが昔、付き合っていた魔女のことなんですけど・・・。その魔女のこと、リックスさんは今でも好き・・・なんですよね?」
リックス「・・・は?君は突然何を・・・。」
しずく「質問に答えてください。」
リックス「まぁ、それはそうだが・・・。」
しずく「探さなくても良かったんですか?」
リックス「・・・彼女は、俺とケンカして魔女界に帰ったんだ・・・。彼女は俺と会いたいだなんて、思ってやしないだろうに、どんな顔して彼女を探しに行けって言うんだよ。」
しずく「そんなこと・・・無いですよ。」
リックス「・・・何だって?」
しずく「彼女は、リックスさんと同様、些細なことからケンカしたことを、ずっと気にしていました。」
リックス「どうしてそんなことが・・・。」
しずく「私、知ってるんです。その魔女のことを・・・。」
リックス「知っている、だと?」
しずく「彼女の名前はマジョライド、ですよね?彼女は・・・数年前に私が正体を見破ってしまった魔女なんです。」
リックス「・・・本当か?」
しずくは黙って頷いた。
リックス「マジョライドは今、どうしている?」
しずく「彼女は・・・もう、人間界にも、魔女界にも・・・。」
リックス「死んだ、のか?」
しずく「・・・はい。」
リックス「そうか・・・そうだったのか・・・。」
そう言うリックスの瞳からは涙が一滴、二滴と零れ落ち、ついにはそれが一つの筋となって地面に落ちた。
しずく「マジョライドさんはずっとリックスさんのことを・・・。」
リックス「分かった・・・もう、分かったから、何も言わないでくれ・・・。」
面会室には、リックスが涙をすする音だけが響き渡っていた。

***

数時間後の春風家。
どれみ「ただいま〜、はぁ、結局しずくちゃん来なかったけど、どうしたんだろ・・・。」
そんなことを呟きながらどれみは帰宅してきた。
はるか「あ、やっと帰ってきた、お使い頼んだのに、逃げるように遊びに行っちゃって・・・。」
どれみ「え、いや、それは、その・・・。」
はるか「せっかく今日の晩御飯、ステーキにしようと思ってたのに。」
どれみ「えぇ、ス、ステーキィィ!?」
はるか「そのはずだったんだけど、誰かさんがお使い行かずに遊びに行っちゃったから、止めました。」
どれみ「えぇぇ!そんな〜。」
はるか「お使い行ってきて、って言ってるのに行かないあなたが悪いのよ。」
母、はるかはそう言って台所へと戻っていった。
ぽっぷ「自業自得だね、お姉ちゃん。」
どれみ「ぽっぷは黙ってなさい!もう・・・はぁ〜あ、こんなことだったら、女王様からホワイトリーフ貰って、ステーキが毎日食べられますようにってお願いしとくんだった・・・。」
ぽっぷ「おぃおぃ・・・。」
嘆き悲しむ姉・どれみに対し、呆れ気味に言うぽっぷだった。

***続く


次回予告
どれみ「悪魔探しは一件落着〜でも、人間界の宝石、緑樹石が輝きを取り戻さないと、まだ安心なんてしてられないよ〜。それにしても・・・ステーキ、食べたかった・・・。」
ぽっぷ「い、いい加減諦めなよ・・・。」
どれみ「うぅ〜明日こそは・・・。次回、まだまだ!?おジャ魔女どれみ、『大切な人』、ドキドキピース、あの子にあ〜げよ♪」
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