まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第49話『虹をかけよう』
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(注:この話の時間設定は、2005年の3月初めです。)

どれみ「じゃぁ、みんな、行くよ、マジカルステージ!!」
しずく「うん。魔力が暴走しちゃった風木ちゃんを助けるには・・・それしか無いよ!」
あいこ「よっしゃ、ほなやるか・・・。」
その時だった。
???「どれみちゃ〜ん!」
どれみたちはその声のする方を振り返った。
どれみ「いろはさん、みんな!」
その声のする方から走ってきたのは、いろは組の4人だった。
いろは「みんな、無事だったんだ・・・悪魔たちは・・・?」
しずく「パディオっていう悪魔は捕まりました。それから、オルテガさんが・・・。」
おんぷ「そうだ、オルテガさん、私たちが追ってたグルモスって悪魔が、オルテガさんの正体は悪魔だって・・・。」
あいこ「そのことやったら、大丈夫や。もうオルテガさんは私らの味方やから。」
さつき「え?味方?」
その時、膝をついていたオルテガ(リックス)は立ち上がっていろはたちの方を向いた。
リックス「迷惑をかけて・・・すまなかったな、みんな。」
はづき「あなたが・・・オルテガさん、ですか?」
リックス「本当の名前はリックスだがな・・・。それより今は風木の方を・・・。」
どれみ「そうだ、早く風木ちゃんを助けないと・・・。」
どれみはそう言って上を見上げた。
いろは「え?」
いろはたちも同じように上を見上げた
。 はづき「え、あれは・・・風木ちゃん?どういうこと?」
こがね「悪魔が捕まったのは良いけど、風木ちゃんの魔力が暴走して・・・今大変なことになってるんだよ!」
さつき「ま、魔力が暴走?」
おんぷ「そんな・・・何か打つ手は無いの?」
あいこ「そやから今、みんなでマジカルステージをしたら、助けられるんちゃうかって話してたんや。」
いろは「マジカルステージ、か・・・。」
さつき「それ以外に暴走した魔力を止める方法は・・・。」
おんぷ「無いわね。」
どれみ「みんなが来てくれてちょうど助かったよ・・・。マジカルステージの人数は多いからが良いからさ。」
いろは「メアリー、それからこがね。魔女見習いじゃない私たち3人はどれみたちのマジカルステージをフォローしてあげましょう。」
こがね「はい、分かりました。」
メアリー「OK、任せといて。」
いろは「うん、よし、じゃぁみんなは早くマジカルステージの陣形になって!」
どれみ「はい!」
どれみが返事をすると、どれみたち8人は円形に並ぶ。そして、いろは、メアリー、こがねの3人がその外側に三角形を描くように並んだ。
どれみ「みんな・・・行くよ!」
どれみたちはポロンを奏でた。
どれみ「ピ〜リカピリララ のびやかに〜!」
はづき「パイパイポ〜ンポイ しなやかに〜!」
あいこ「パメルク〜ラルク〜 たからかに〜!」
おんぷ「プ〜ルルンプルン すずやかに〜!」
ももこ「ペル〜タンペットン さわやかに〜!」
しずく「ピルル〜カポルル〜カ すこやかに〜!」
さつき「ポルパータルナータ したたかに〜!」
ぽっぷ「ピピット〜プーリット〜 ほがらかに〜!」
8色の光が円の中心に反時計回りに立ち上っていく。そして、その光を取り囲むように、さらにいろは、メアリー、こがねの水晶玉から放たれた3つの光が合わさっていく。

『マジカルステージ!風木ちゃんを、助けて!!』

11本の光がひとつとなり、宙を待っている風木の体を包み込む。その光は次第に強さを増していき、風木を完全に覆い隠した。すると、突然停電でも起こったかのように光は消えた。それと同時に、宙に浮いていた風木の体がゆっくりと落下しはじめる。その速度は、風木の体が落下するに従ってどんどん速くなっていく。
あいこ「あかん、このままやったら風木ちゃんが地面に叩きつけられる!」
おんぷ「じゃぁ魔法で・・・ダメ!もう魔法玉が!」
どれみ「うわ、今のマジカルステージで魔法球を全部消費しちゃってるよ・・・。」
こがね「はぁ、はぁ、私もダメ・・・もう魔力が・・・。」
いろは「しまったわ・・・魔力を残しておくべきだった・・・。」
ぽっぷ「だ、だめ、風木ちゃん!!!」
風木の体が地面に叩きつけられそうになったその瞬間のことだった。空中で何かに遮られ風木の体は落下するのを阻止された。
どれみ「リ、リックスさん!!」
落下していた風木を、リックス(オルテガ)は素手で受け止めた。受け止めた風木はすでに魔女見習い服ではなく普段の服装に戻っていた。
リックス「ぐ・・・。」
受け止めた衝撃で苦しそうにするリックスだったが、すぐに風木に声をかけはじめた。
リックス「風木・・・風木、大丈夫か?」
かぜき「ん・・・。」
リックス「風木!」
かぜき「オ・・・ルテガ?あ・・・リックスだったよね・・・。」
リックス「風木・・・無事だったか・・・良かった・・・本当に良かった・・・。」
そう言って風木を抱きしめると、リックスの瞳からは大粒の涙が流れた。
かぜき「リックス・・・。」
リックス「本当に良かった・・・。」
かぜき「寂しかった・・・。」
リックス「え?」
かぜき「リックスが魔法堂から居なくなって・・・ずっと寂しかったんだよ。ずっと、ずっと・・・逢いたかったんだよ・・・。」
そんな言葉を放つ風木の頬には一筋の涙が伝っていた。
かぜき「ずっと・・・心配してたんだよ・・・。」
頬を伝う涙は、一筋からニ筋、三筋と増えていく。それが地面に水滴となって落ちた。
リックス「風木・・・すまない・・・。」
しばらくの間、辺りには2人が涙をすする音だけが聞こえていた。涙を流して喜ぶ2人に、誰も声をかけることが出来る状況ではなかった。

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